As I like it

気の向くままに。。。 ダンス・バレエの関連トピックが一番多いかも。 by nao@momojrt020327

K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」11/9 SHOKO&遅沢

2009年11月09日 | Ballet
K-BALLET COMPANY
ロミオとジュリエット  Romeo and Juliet
2009年11月8日(火・祝)   14:00 東京文化会館 大ホール


ロミオ Romeo 遅沢佑介 Yusuke Osozawa
ジュリエット Juliet SHOKO
マキューシオ Mercutio 西野隼人 Hayato Nishino
ティボルト Tybalt 清水健太 Kenta Shimizu
ロザライン Rosaline 浅川紫織 Shiori Asakawa
ベンヴォーリオ Benvolio ビャンバ・バットボルト Byambaa Batbold
パリス Paris ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin


これまたSHOKOさんの全幕が観たくて取ったチケットでした。観ておいて良かった!すっかりファンになった!康村さんに比べると、身長も高いし体もしっかりとした筋肉質で、ゴローちゃん似で線の細い遅沢さんと並ぶとちょっと姉御っぽさが否めなかった・・・が、ロミオと恋に落ちてからはもう圧巻。踊りは伸びやかでかつ丁寧で指先足先まで細やかに神経が行き届いていて、抜群のプロポーションで決めるひとつひとつのポーズが本当に美しい。とても華のあるダンサーだ。もうちょっとちゃんとしたサポートがあれば・・・・が惜しまれる・・・・ 古巣のシュツットガルトでクランコ版を踊るチャンスはないのかしら??ベルリンでマクミラン版でも良いんじゃない??とにかくちゃんとしたパートナーで観たい~ 

遅沢さんのロミオは若々しくって頼りなくて良い意味で情けなくってかわいい・・・・♪ ジュリエットはこれだから母性本能をくすぐられたのかしら?という感じのロミオ。熊川ロミオとは全然違っていた(笑)。踊りは・・・もうちょっとがんばりましょうかな。熊川さん用跳躍回転てんこ盛りの振付もそれなりにこなしていて身体能力も高いのだろうが、こなすので精一杯でつま先などに構ってられなくなってしまうのだ。サポートも頼りないしリフトもよろよろ・・・SHOKOさんが大きいから負担がいかにも荷が重そうだった。バルコニーのシーンの最初のダイブで落としそうでひやり。なんとか持ち直したけど、そのままリフトされつづけて美しいポーズをキープできるSHOKOさんが素晴らしい・・・ あ、でも遅沢さんは脚がきれいだしナルシストっぽくなく好感度は高し!もうちょっと経験を積めばよいダンサーになりそうだと思った。

本日のベンヴォーリオはさらにマキューシオっぽいキャラが立ってて良かった!顔立ちは日本人と違和感がない、あまり聞きなれない外国名と思ったら、モンゴルの方だったのね。納得。マキューシオは相変わらず、存在薄・・・踊りの見せ場がないことはなかったことに気がついた・・・がやはりキャラを浮かび上がらせるような演出がないことが致命的。ティボルトの清水さんの使い方ももったいない!
2回目となると音楽の組み換えにも冷静に対応出来て、1回目ほど拒絶感がなかった。本日は指揮者も違っていたため?オケのまとまりも良かったように思った。
それにしても、Kバレエのセットと衣装は相変わらずゴージャスでセンスが良い。今日はかなり前列だったので、しっかり見えたキャピュレット夫人のスカートのプリーツの美しさに目が奪われた。

K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」11/6 康村&熊川

2009年11月09日 | Ballet
K Ballet Company 「ロミオとジュリエット」
2009年11月6日(金)   15:00 東京文化会館 大ホール
ロミオ Romeo 熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
ジュリエット Juliet 康村和恵 Kazue Yasumura
マキューシオ Mercutio 橋本直樹 Naoki Hashimoto
ティボルト Tybalt 清水健太 Kenta Shimizu
ロザライン Rosaline 松岡梨絵 Rie Matsuoka
ベンヴォーリオ Benvolio 伊坂文月 Fuzuki Isaka
パリス Paris ニコライ・ヴィユウジャーニン Nikolay Vyuzhanin
キャピュレット卿 Lord Capulet スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
キャピュレット夫人 Lady Capulet ニコラ・ターナ Nicola Tranah
乳母 Nurse 樋口ゆり Yuri Higuchi
僧ロレンス Friar Laurence ブレンデン・ブラトーリック Brenden Bratulic'
僧ジョン Friar John 小林由明 Yoshiaki Kobayashi


熊川版はひとことで言うならば「浅い」ロミオとジュリエットだった。音楽の組み換えによる違和感もさることながら、人物設定がロミオとジュリエット以外は曖昧で、主役以外の主要キャストであってもどうしてそのような行動を取るのかがまったく描かれていない。原作のエッセンスを取り出してつなげただけで、それに対する振付家独自の解釈が加えられていないのだ。

休憩時間に耳に入ってきた会話によると、あまり他のバージョンを見慣れていない方には「テンポが良くてわかりやすくておもしろい」ということだった。なるほど。でも、クランコ版やマクミラン版が刷り込まれている上、直近観たのがノイマイヤー版の身の上には、かなり落差が大きかった。

熊川版ロミオは良く回るし跳ぶ跳ぶ!最初から飛ばしまくり。熊川さんも調子が良さそうで、回転では軸足が地面に吸い付いているようだし、フィニッシュだって余裕だし、跳べば空中では止まっているよう。そんなところで回らなくても愛は伝わるんじゃない・・・・???と思うことしばしば。
ロミオの見せ場が多い分、第一幕では通常ジュリエットの子供っぽさを表す部分が大幅にはしょられているため、ジュリエット像がわかりにくい。パリスだって結構かっこいいのに、単にロミオの方がタイプだったのだろうか???


人物設定が曖昧と言えば、マキューシオの扱いがひどすぎ。マキューシオはピエロみたいな衣装なんだけど、お調子者を表すそれらしい踊りや演技の見せ場がちっともない。ベンヴォーリオの方がよほど見せ場が多くキャラも陽気で、マキューシオがティボルトと闘って殺されるまでベンヴォーリオがマキューシオだと思っていたぐらい。キャラが立たない間にティボルトに後ろから突き刺されて死ぬのに、どうしてあんなに長くのた打ち回らなければいけないのかまったく説得力がない。

ロザラインとか乳母とかどうでもいい人のシーンもやたら長い。ロザラインは例によって人物設定がわかりにくいため、なぜあんなに登場するのか意味不明。そして、乳母はアシュトンよろしく笑いを取る役なのだが、ロミ&ジュリに笑いはいらないし、この時間で他に掘り下げるべきシーンはたくさんあるでしょう・・・とちょっとイラついた。

コール・ドの振付は全体的にスピーディで躍動感あふれるもので、ヌレエフ版をちょっと思い出す複雑さ。全員身体能力が高いのね・・・と思った。特に男性ダンサーは身長もあってスタイルも粒そろいで目に麗しい。
康村さんのジュリエットが素晴らしかったのが救いでした。アラベスクやアチチュードで上げる脚の美しさに惚れ惚れ。第二幕の後半では感情表現も細やかで素晴らしく涙を誘われた。もともと康村さんの全幕を観たくて取ったチケットだったので、これだけでも十分幸せ。

**************************

モンタギュー家の若者たち Montague young men
浅田良和 Yoshikazu Asada / ビャンバ・バットボルトByambaa Batbold / 西野隼人 Hayato Nishino
キャピュレット家の娘たち Capulet young women
浅野真由香 Mayuka Asano /木島彩矢花 Sayaka Kijima / 松根花子 Hanako Matsune
岩渕もも Momo Iwabuchi / 三井英里佳 Erika Mitsui
キャピュレット家の若者たち Capulet young men
内村和真 Kazuma Uchimura / 福田昂平 Kohei Fukuda
合屋辰美 Tatsumi Goya / 浜崎恵二朗 Keijiro Hamasaki / 高島康平 Yasuhira Takashima
ヴェローナの娘たち Verona girls
白石あゆ美 Ayumi Shiraishi
中島郁美 Ikumi Nakajima / 副智美 Satomi Soi / 井上とも美 Tomomi Inoue
中村春奈 Haruna Nakamura / 松岡恵美 Emi Matsuoka
ジュリエットの友人たち Juliet Friends
日向智子 Satoko Hinata / 渡部萌子 Moeko Watanabe / 梶川莉絵 Rie Kajikawa
中谷友香 Yuka Nakatani / 山口愛 Ai Yamaguchi
マンドリンカップル Mandolin couples
神戸里奈 Rina Kambe / 湊まり恵 Marie Minato
荒井英之 Hideyuki Arai / 長島裕輔 Yusuke Nagashima


●音楽 Music セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
●舞台美術・衣裳 Set and Costume Design ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend
●照明 Lighting Design  足立恒 Hisashi Adachi  ●指揮 Conductor 福田一雄 Kazuo Fukuda ●演奏 シアター オーケストラ トーキョー THEATER ORCHESTRA TOKYO

●芸術監督 Artistic Director  熊川哲也 Tetsuya Kumakawa
●舞台美術・衣裳アソシエイト Associate Set and Costume Design マシュー・ディーリーMatthew Deely
●衣裳アソシエイト Associate Costume Design アラン・ワトキンス Allan Watkins