ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

チャップリンの殺人狂時代

2005-03-24 | 映画 た行な行
「独裁者」のあと7年の沈黙を破って作成された。時は第二次世界大戦が始まって終わり、赤狩りが本格的になり、チャップリン自身も離婚と4回目の結婚をするなど変化が激しい時期である。放浪紳士は姿を消して、素顔で演じている。

1947年 アメリカ ヒューマン・ドラマ
2005年3月24日 VTR(WOWOW)
監督 チャールズ・チャップリン
原案 オーソン・ウェルズ
出演 チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ、

実直な銀行員だったアンリ・ヴェルドゥ(チャップリン)は、不況のため真っ先に解雇される。足の悪い妻と幼い息子のために新しい職を探すことに。しかし、その職は金持ち中年女性との結婚詐欺・そして殺人というものであった。

「独裁者」で戦争そのものを否定し、この作品では「一人を殺すと犯罪者と言われ、100万人を殺すと英雄になる。」という有名な戦争に対する痛烈な皮肉なセリフを残している。アメリカは戦争に勝ったが、反共産主義の嵐が吹き荒れ、冷戦に突入していく。共産主義の侵攻を恐れるあまり、映画界はずたずたにされ、地球を何回も滅亡させることが出来るほどの核爆弾を保有することになるのである。
山高帽の放浪紳士の出てくる一連の作品は、個人的な内面を描いた悲哀とユーモアのあふれる娯楽作品だが、このような政治色の強い作品は受け入れにくく、興行的には成功しなかったらしい。

どうして舞台をフランスにしたのか不思議な気もするが、最後はギロチンに向かって歩いていく後姿でエンドマークが出る。主人公のこのような悲惨な最期で締めくくることは、今までの作品にはなかったこと。ファンたちは付いていけなかったのではないだろうか?


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