ディズニーのセルフ・オマージュで、アニメと実写を組み合わせたファンタジー。アニメのお姫様が、実写のニューヨークに飛び出し、王子様と真実の愛のキスで結ばれるか?
2008年(公開) アメリカ ラブロマンス、ファンタジー
2008年3月29日 ワーナーマイカル・シネマ新百合ヶ丘
監督 ケヴィン・リマ
出演 エイミー・アダムス(キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)、パトリック・デンプシー(グレイズ・アナトミー1~3)、スーザン・サランドン(エリザベスタウン、Sall we)dance?、アルフィーほか)、ジェームス・マースデン(スーパーマン・リターンズ、X-MENシリーズ)、ティモシー・スポール(ハリー・ポッターシリーズ)
(出演作品などは私が観たものに限る)
アンダレーシアのナリッサ女王(スーザン・サランドン)は、実は魔女。義理の息子であるエドワード(ジェームス・マースデン)に王位を奪われることを恐れ、運命の女性と出会わないようにしていた。その女性は森に住む娘・ジゼル(エイミー・アダムス)。彼女は偶然であったエドワードと恋に落ちてその日のうちに結婚することに。しかし、直前に老婆にばけた魔女にだまされて、「夢が決してかなわない国」・現代のニューヨークに追いやられてしまう。彼女を追いかけてエドワード王子もニューヨークに。ジゼルはバツイチで娘と暮らす現実主義者の離婚弁護士・ロバート(パトリック・デンプシー)に出会い、親切にしてもらうが・・・
ジゼルがあああ~、あああ~、あああ~と窓を開けて歌うと、お友達の森の動物たちがたくさん集まり、身の回りのことをやってくれるのです。でもそんな夢のようなアニメの世界から現実の世界に送り込まれると、ドレスも髪型も、しぐさも浮きまくりです。
エイミーは34歳と思えぬぶりっ子ぶり。でも、いやみじゃないのが不思議です。なにやら、不思議な人~って感じ。あそこまでやっちゃったら、怖いものなしなのかしら?カールした髪型、大きなチョウチン袖の真っ白なウェディングドレス(ロバートのアパートのドアを入れないくらい大きなペチコート!)、指の先までコテコテです。そして、話している最中に突然アカペラで歌いだすのです。現実的なロバートは「ちょっと待ってよ。人が見ている。」とあわてます。
でも、ジゼルは現実の世界で少しずつ成長していくのです。怒りの感情をはじめて覚え、すっきりして開放され、笑います。「デート」でお互いに興味のあること、好きなことを知り合い、お付き合いを重ねてから結婚するっていうことも知るのです。おとぎ話のお姫様は、初対面の王子がキスしてくれるとその場で恋に落ち(長い眠りから覚め)結婚します。そして「末永く二人は幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし~」で物語りは終わるのです。しかし、現代のおしゃまな女の子たちはそんな夢物語は信じられませんね。離婚率が毎年上がり、真実の愛だと思っていても継続していくことがとても難しいことだということ、また、初対面の人とキスしてそのまま結婚だなんて、あまりに現実離れしていることを早い段階で知っているのです。ディズニーはそんな、おとぎ話と現実のギャップを、この映画で埋めてくれました。
エイミーは現実の世界で、真実の愛を見つけます。ちょっと年上のコブツキ(言葉が悪いですね)相手だけれど、彼女の良さを本当に分かってくれる人です。彼女も、単なる「王子様を待っているお姫様」ではありません。現代のお姫様は、王子様(ロバートですが)のために、命がけで魔女と戦うのです。ただ、美しくかわいいだけではなく、自分を持ち、勇気があり、そして、才能を生かして自立していく(ドレスショップを開業)大人の女性になっていくジゼル。とても魅力的です。しかも、厳しい現実の中でも夢を失わず、歌も踊りも忘れることなく・・・。
ジェームス・マースデンは、ハンサムなのか少々不細工なのか微妙なところ。しかし、王子様ファッションのこれほど似合う人もいないですね。タイツとチョウチン袖が抜群に似合うといわれ、本人もうれしいかどうかこれまた、微妙ですが・・・。スーパーマン・リターンズでも、恋人を取られちゃう役柄ですが、エドワード王子の平べったいけど恋人を取られても清々しいキャラを、自然に演じられるのも、彼ならではでしょう。
下調べなしでいきなり観に行ったので、パトリック・デンプシーを見て「なぜ、デレクがここに?」と驚きましたが、こんな役にはまる彼。こちらも、適役でした。
マリッサ女王は誰が・・・?と興味津々でしたが、スーザン・サランドンはさすがですね。メイクや衣装、特殊効果のためもありますが、迫力満点で演じてくれました。さぞかし、楽しかったでしょう。私もやってみたいくらいです。あんなメイクをして呪文を唱えて、稲光が出たら、マジうれしい!
ところで、ディズニーのサービス精神には本当に楽しませてもらいました。まるで、ディズニーランドへ行ったみたい。パレードに自分も加わった気分を味あわせてもらいました。それに、おしげもなくセルフ・オマージュ(パロディともいえますが)をまぶしてあります。詳しい人には、コネタ満載で、それも楽しめるようですね。
白馬に乗って王子様が現れるのを待っている少女だったすべての女性に、この映画はささげられるべきでしょう。お子様向きというより、現実に恋愛や仕事につまずいたり失望しがちな、現代の女性たちに夢と勇気を与えてくれます。ジゼルは自分の力で幸せをつかんだのです。王子様のキスで一方的に愛を与えられたではありません。現実の世界で、ステップマザーは苦労がないはずありません。しかし、彼女なら必ず、それも見事に乗り切ってくれるでしょう。
エドワードも、現実に生きてロマンを忘れがちだったナンシーに愛されて幸福になりました。キャリアウーマンのナンシーも、本当は携帯電話より王子様を待っていたのですよね。
2008年(公開) アメリカ ラブロマンス、ファンタジー
2008年3月29日 ワーナーマイカル・シネマ新百合ヶ丘
監督 ケヴィン・リマ
出演 エイミー・アダムス(キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)、パトリック・デンプシー(グレイズ・アナトミー1~3)、スーザン・サランドン(エリザベスタウン、Sall we)dance?、アルフィーほか)、ジェームス・マースデン(スーパーマン・リターンズ、X-MENシリーズ)、ティモシー・スポール(ハリー・ポッターシリーズ)
(出演作品などは私が観たものに限る)
アンダレーシアのナリッサ女王(スーザン・サランドン)は、実は魔女。義理の息子であるエドワード(ジェームス・マースデン)に王位を奪われることを恐れ、運命の女性と出会わないようにしていた。その女性は森に住む娘・ジゼル(エイミー・アダムス)。彼女は偶然であったエドワードと恋に落ちてその日のうちに結婚することに。しかし、直前に老婆にばけた魔女にだまされて、「夢が決してかなわない国」・現代のニューヨークに追いやられてしまう。彼女を追いかけてエドワード王子もニューヨークに。ジゼルはバツイチで娘と暮らす現実主義者の離婚弁護士・ロバート(パトリック・デンプシー)に出会い、親切にしてもらうが・・・
ジゼルがあああ~、あああ~、あああ~と窓を開けて歌うと、お友達の森の動物たちがたくさん集まり、身の回りのことをやってくれるのです。でもそんな夢のようなアニメの世界から現実の世界に送り込まれると、ドレスも髪型も、しぐさも浮きまくりです。
エイミーは34歳と思えぬぶりっ子ぶり。でも、いやみじゃないのが不思議です。なにやら、不思議な人~って感じ。あそこまでやっちゃったら、怖いものなしなのかしら?カールした髪型、大きなチョウチン袖の真っ白なウェディングドレス(ロバートのアパートのドアを入れないくらい大きなペチコート!)、指の先までコテコテです。そして、話している最中に突然アカペラで歌いだすのです。現実的なロバートは「ちょっと待ってよ。人が見ている。」とあわてます。
でも、ジゼルは現実の世界で少しずつ成長していくのです。怒りの感情をはじめて覚え、すっきりして開放され、笑います。「デート」でお互いに興味のあること、好きなことを知り合い、お付き合いを重ねてから結婚するっていうことも知るのです。おとぎ話のお姫様は、初対面の王子がキスしてくれるとその場で恋に落ち(長い眠りから覚め)結婚します。そして「末永く二人は幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし~」で物語りは終わるのです。しかし、現代のおしゃまな女の子たちはそんな夢物語は信じられませんね。離婚率が毎年上がり、真実の愛だと思っていても継続していくことがとても難しいことだということ、また、初対面の人とキスしてそのまま結婚だなんて、あまりに現実離れしていることを早い段階で知っているのです。ディズニーはそんな、おとぎ話と現実のギャップを、この映画で埋めてくれました。
エイミーは現実の世界で、真実の愛を見つけます。ちょっと年上のコブツキ(言葉が悪いですね)相手だけれど、彼女の良さを本当に分かってくれる人です。彼女も、単なる「王子様を待っているお姫様」ではありません。現代のお姫様は、王子様(ロバートですが)のために、命がけで魔女と戦うのです。ただ、美しくかわいいだけではなく、自分を持ち、勇気があり、そして、才能を生かして自立していく(ドレスショップを開業)大人の女性になっていくジゼル。とても魅力的です。しかも、厳しい現実の中でも夢を失わず、歌も踊りも忘れることなく・・・。
ジェームス・マースデンは、ハンサムなのか少々不細工なのか微妙なところ。しかし、王子様ファッションのこれほど似合う人もいないですね。タイツとチョウチン袖が抜群に似合うといわれ、本人もうれしいかどうかこれまた、微妙ですが・・・。スーパーマン・リターンズでも、恋人を取られちゃう役柄ですが、エドワード王子の平べったいけど恋人を取られても清々しいキャラを、自然に演じられるのも、彼ならではでしょう。
下調べなしでいきなり観に行ったので、パトリック・デンプシーを見て「なぜ、デレクがここに?」と驚きましたが、こんな役にはまる彼。こちらも、適役でした。
マリッサ女王は誰が・・・?と興味津々でしたが、スーザン・サランドンはさすがですね。メイクや衣装、特殊効果のためもありますが、迫力満点で演じてくれました。さぞかし、楽しかったでしょう。私もやってみたいくらいです。あんなメイクをして呪文を唱えて、稲光が出たら、マジうれしい!
ところで、ディズニーのサービス精神には本当に楽しませてもらいました。まるで、ディズニーランドへ行ったみたい。パレードに自分も加わった気分を味あわせてもらいました。それに、おしげもなくセルフ・オマージュ(パロディともいえますが)をまぶしてあります。詳しい人には、コネタ満載で、それも楽しめるようですね。
白馬に乗って王子様が現れるのを待っている少女だったすべての女性に、この映画はささげられるべきでしょう。お子様向きというより、現実に恋愛や仕事につまずいたり失望しがちな、現代の女性たちに夢と勇気を与えてくれます。ジゼルは自分の力で幸せをつかんだのです。王子様のキスで一方的に愛を与えられたではありません。現実の世界で、ステップマザーは苦労がないはずありません。しかし、彼女なら必ず、それも見事に乗り切ってくれるでしょう。
エドワードも、現実に生きてロマンを忘れがちだったナンシーに愛されて幸福になりました。キャリアウーマンのナンシーも、本当は携帯電話より王子様を待っていたのですよね。
彼の下がり気味の眉毛が、そういう情けないキャラに似合ってるように思います(笑)
性格がイイというかなんというか、あっさりとジゼルを諦めたのも彼らしかったし、すぐに代わりを見つけたのも面白かったです。
絵本とかディズニーの世界で夢見た子供も、いつの
間に現実的になっていくのかな?
そんなオトナたちにしばしそういう気持ちを取り戻させてくれる映画なんじゃないかと思います。
ジェームス・マースデンは「君を読む物語」でも
彼女とられてましたけど、ほんとに王子が似合います
ねー。
>すぐに代わりを見つけたのも面白かったです。
ホントですね。どうなるかと思ったら、ちゃっかりあたらいい相手がいて、ハッピーエンド!
>kazuponさん
観客である私たちも、現実だけでなく夢を見させてくれる良質のファンタジーだったと思います。ディズニーマジックにやられました!