一つの心臓をめぐるドラマが、時間軸を前後してジグゾーパズルのように展開する。複雑で微妙な心理をショーン・ペンが好演。ナオミ・ワッツとベニチオ・デル・トロはアカデミー主演女優賞・助演男優賞にノミネート。
2003年 アメリカ ヒューマンドラマ
2005年5月8日 VTR(WOWOW)
監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演 ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲーンズブール
大学教授のポール(ショーン・ペン)は心臓を病んで余命1ヶ月。彼の病状が悪化してから別居中だった妻メアリー(シャルロット・ゲーンズブール)が戻ってきていた。彼女は人工授精で子どもを生みたいと言い出した。一方、クリスチーナは建築家の夫と二人の娘に囲まれ平和に暮らしていたが、夫と娘二人が交通事故にあう。娘は亡くなり、夫は脳死状態になった。彼の心臓はポールに移植される。16歳のときから犯罪を繰り返していたジャック(ベニチオ・デル・トロ)は、今では更正して熱心に教会に通う日々だが、世間に受け入れられるのは難しい。過失から女の子2人とその父親を轢いてしまう。
事故をきっかけに、それまで無関係だった3人の男とその家族が運命的に結びつく。そして・・・
重いテーマなので、暗くなりそうで公開時は観なかった。しかし予想したほどではない。人物の描写がドライだし、画像は手持ちカメラも使ったザラザラ感のあるクールなタッチ。パズルピースを組み合わせて行く手法も、観客の視点をドライにしていく。
ショーン・ペンの演技が光る。彼女の夫の心臓が自分の中で鼓動を打っていることから生まれる複雑な心境も、表情に映し出す。酸素のチューブをはずして、隠れてタバコを吸うシーンが秀逸。ナオミ・ワッツは特別の美人とは思わないが、泣き叫んだときに不細工にならない稀有の顔立ち。陰のある未亡人クリスチーナを演じるには健康的な肢体が、逆に効果的だったのかも。小倉久寛似のベニチオ・デル・トロは、全く知らなかったが上手い。若いときから犯罪を重ね人相まで悪くなったラテン系の男になりきっていた。
公式ホームページをみるとインタビューされている彼は、別に人相が悪くない。演技でここまで人相を悪く出来るのか・・・
しかし、21グラムというタイトルは説明的だし(最後の方で人間は亡くなるとき誰でも21グラム減るというナレーションが入る)、ジグゾーパズル形式は必ずしも成功しているとは言いにくい。最初の30分程は状況があまりにも分かりにくい。誰が誰とどういう関係なのか集中していないと理解できない映画というのはいかがなものか・・・?
2003年 アメリカ ヒューマンドラマ
2005年5月8日 VTR(WOWOW)
監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演 ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲーンズブール
大学教授のポール(ショーン・ペン)は心臓を病んで余命1ヶ月。彼の病状が悪化してから別居中だった妻メアリー(シャルロット・ゲーンズブール)が戻ってきていた。彼女は人工授精で子どもを生みたいと言い出した。一方、クリスチーナは建築家の夫と二人の娘に囲まれ平和に暮らしていたが、夫と娘二人が交通事故にあう。娘は亡くなり、夫は脳死状態になった。彼の心臓はポールに移植される。16歳のときから犯罪を繰り返していたジャック(ベニチオ・デル・トロ)は、今では更正して熱心に教会に通う日々だが、世間に受け入れられるのは難しい。過失から女の子2人とその父親を轢いてしまう。
事故をきっかけに、それまで無関係だった3人の男とその家族が運命的に結びつく。そして・・・
重いテーマなので、暗くなりそうで公開時は観なかった。しかし予想したほどではない。人物の描写がドライだし、画像は手持ちカメラも使ったザラザラ感のあるクールなタッチ。パズルピースを組み合わせて行く手法も、観客の視点をドライにしていく。
ショーン・ペンの演技が光る。彼女の夫の心臓が自分の中で鼓動を打っていることから生まれる複雑な心境も、表情に映し出す。酸素のチューブをはずして、隠れてタバコを吸うシーンが秀逸。ナオミ・ワッツは特別の美人とは思わないが、泣き叫んだときに不細工にならない稀有の顔立ち。陰のある未亡人クリスチーナを演じるには健康的な肢体が、逆に効果的だったのかも。小倉久寛似のベニチオ・デル・トロは、全く知らなかったが上手い。若いときから犯罪を重ね人相まで悪くなったラテン系の男になりきっていた。
公式ホームページをみるとインタビューされている彼は、別に人相が悪くない。演技でここまで人相を悪く出来るのか・・・
しかし、21グラムというタイトルは説明的だし(最後の方で人間は亡くなるとき誰でも21グラム減るというナレーションが入る)、ジグゾーパズル形式は必ずしも成功しているとは言いにくい。最初の30分程は状況があまりにも分かりにくい。誰が誰とどういう関係なのか集中していないと理解できない映画というのはいかがなものか・・・?
こちらこそ宜しく御願い致します。
私も映画大好きなんですが、子供がまだ小さくて、なかなかロードショーは見に行けません(泣)
なので、レンタルで出るのを待って見てるんです。
DVDなら、子供が途中で泣いたり騒いだりしても、続きがみれますもんね。
「メメント」はもうご覧になりました?
こちらも複雑なパズルを楽しめました(笑)
また、遊びにきま~す。
ぼくもこの映画に関しては微妙な印象ですが、監督の手腕には感じるものがあります。
登場人物たちの役割などの簡単な説明がないのと
時間軸が前後しているので物語と人物間係がより一層複雑になっている作品だと思いました。
主人公が大学の教授という説明もないまま、
クリスティーナに「人の出会いは・・・」と数学的に熱弁するシーンがあって「???」となってしまいました。
映画見た後に公式HP見て、やっと理解できましたよ(苦笑)
確かにデニ・トロの変わりようはスゴイというか素晴らしいですね。
役に入りきっていた彼も辛かった様でインタビューに
その苦労話を載せてますね。
さぞかしレンタルが出るのが待ち遠しいでしょう!でも、結果的に評判の良いのを厳選できるかもと、考えて・・・?
「メメント」はそんな難しそうな映画は私には無理と諦めてましたが、だいじぶかな?
Ken-Uさん
俳優さんはすごいし、ストーリーを順に追っていったらつまらなくなるのかもとも思うし。だからと言って、ジグゾーパズル方式はちょっと辛かったな~。微妙です。
野心的な監督の作品でしょうか?
誠さん
そうですよね。私も大学教授だというのは、公式HPで分かりました。「数学を若者に教えたいんだ」とは言っていましたが、それだけで大学教授だと分からせるのは、いくらなんでも無理です。英語を字幕にした時に分かりにくくなったのでしょうか?
デル・トロは小倉寛久を人相悪くしたみたいに見えて困りました。あの人相の悪さはただ事ではないです。インタビューの時は知的な良い人に見えました。本人、辛かったんでしょうね~
21グラム。
時間が経って今思えば、この映画はあの編集法で良かったんじゃないかな。。。と感じるようになりました。
うん、何か、分かる気がします。
時間に沿っていったら、分かりやすいけど、とても凡庸な作品になったかも。感想をすぐに書いてアップしたあと、気持ちが変わることもある、そんなことを考えさせられました。