Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

ノーベル平和賞から

2014-10-14 22:04:51 | Weblog

 10月はノーベル賞受賞者が発表され、それに一喜一憂してきた。今年は物理学賞で日本の赤崎 勇氏 平野 浩氏 中村 修二氏の3人が青色発光ダイオウ-ド(LED)を発見し、実用化した功績で受章した。これは大きな歓びであった。また前評判では文学賞に村上春樹氏、そして平和賞には日本国憲法9条を守っている日本国も候補に挙がっていると云われた。しかし物理学賞以外は叶わなかった。それはさて置き、平和賞を受賞したのは、パキスタンの17歳の少女とインドの人権活動家の2人であった。その中でパキスタン人のマララ・ユスフザイさんは武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)に支配され暴力的恐怖政治が行われる中で、女性の権利を主張し銃弾に倒れても主張し続けた少女であり感心を持ち功績を辿った。

 彼女はパキスタン北部スワート地区で、私学の女子学校を経営する教育者の両親のもとで育った。11歳のときBBC(英国放送協会)の依頼でTTPによって支配されている地域の実状をブログに書き主張を訴えてきた。TTPは女子教育を否定し女子学校の破壊等行っていたが、それを批判、女性の権利を尊重することや平和を訴えるものであった。それは勇気ある行動であるがTTPから命を狙われた。2012年10月9日、15歳になった彼女が乗ったスクールバスを複数の男が急襲し、頭部と首に2発の銃弾を受け重傷を負った。手術の結果奇跡的に回復し、その後も女性の教育を受ける権利について積極的に発言してきた。

 彼女が16歳の誕生日に、国連本部で女子教育の現状と教育の必要性を訴えた。そのビデオを見たが、素晴らしい内容であった。力のある口調で18分ほどの演説であった。未だ教育が浸透していないと思えるパキスタンの少女が、堂々として教育の必要を訴えた。それは誰もが感動した名演説であった。最後の部分を紹介すると『TTPは、銃撃により女子が教育を受ける権利を抹殺しようとしたが、このことは弱さ、恐怖、絶望を絶ち、強さ、力、勇気を与えてくれた以外何も変わっていません。そして一人の子供、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが世界を変えるのです。教育こそがただ一つの解決策です』と

 この少女が国連の各国代表が揃った中で堂々と演説した。とても17歳の少女とは思えない素晴らしい内容であった。この少女こそノーベル平和賞を与えるにふさわしい人だと思った。まさに貧困、人種差別、不条理がはびこる社会から、それを打破しようとする人間が出て来るもので、年齢も階級も関係なく強い信念を持った人が出てくる。一部の先進国のように自分のエゴや繁栄しか考えないところからは、こうした人間が出てこないことを思った。国連は彼女が演説した日(10月12日)を、その名前を取って「マララ・デー」としたとのことであった。