「ズボンを下げてベッドに横向きにになって」
「足を抱えるように」
「もっとお尻を突き出して」
容赦ない注文の声
先生と看護婦さん
見られてる感満々の時間が流れ
「では浣腸します」
その声の後の何とも言えない挿入感
「しばらく我慢してトイレに行って下さい」
「出なかったらまた診察室へ」
これで解放される
数分後に向かうトイレ
そして数分後に味わう絶望感
全然でな~い
恥ずかしながら浣腸初経験
爺にとっての認識はそれは最終兵器
なんとそれが効かない
足取り重く引き返し
「出ませんでした」
たぶん蚊の鳴くような声
いったいどうなるのだろう
「じゃ~隣の処置室へ」
そして驚く言葉が続く
「指で掻き出します」
毅然とした先生の声
ほかの選択技わない
できたら先生にお願いしたい
そんなこと言える雰囲気はなく
看護婦さんに連行され
「力を抜いてください」
その声の後にまたあの挿入感
浣腸の時よりはるかに力強い
あぁ~なんということでしょうか
挿入と同時に感じた便意
これを逃してなるものか
「あまりいきむと血管が切れますよ」
そんな声も何のそのいきむこと数回
出た感満々の安堵感
これは言葉では表せない
掻き出したのではなく自力で
これも大きく作用してる
窓口で支払う6800円
数万円請求されても爺は払ったかも
一睡もせずに向かった肛門科医院
帰りの足取りは軽い
爺の危機をすくってくれた看護婦さん
できたら爺も
彼女のそのあたりを見せていただき
秘密の共有と言おうか
フィフティフィフティ感と言おうか
そんなかなわぬ夢を持ちました