爺が最も恐れていたシナリオ
それが着実に進行している
「うつたのかしら」
「ちょっと熱っぽい」
そういってた妻が
「うつされました」
そう断言した
爺と違ってすぐ体温を測る妻
ご発熱されたもよう
今や家では
「うつされた」
「うつされた」
彼女が呪文のように唱えてる
「あ~ら奥様どうかしました?」
「主人に風邪をうつされたの」
多分外でも呪文は唱えられる
めったに引かない爺が
久しぶりの風邪に
病気の巣窟は爺
...ってなことになるのです
「ひざが痛いの」
妻が今日訴えました
風邪の上にひざ痛?
心配する爺に
いつも寝る前に入るお風呂
そこで温めるひざ
発熱のため入れない風呂
暖められないひざ
だからひざが痛む...と
そう全て爺が悪いのです
アレもこれも小さい爺
とりわけ小さな爺の胸
えぐられるように痛みます
そんな心とは裏腹に
体は着実によくなってきた爺
もう一人誰かにうつせば
全快するかもしれない
そんな事は考えていません
人様にご迷惑をかけるなら
ウィルスともども
来世に道連れ
これが爺のポリシーなのです