何か妙な違和感
臭いなのか 音なのか
一言で言えばたそがれてる
一言で言えばキョトン
そんなコンマ数秒を経て
強烈な焦げ臭さが五感を襲う
左後ろのガスコンロ
ふたなし圧力鍋あっちゃん
チリチリと聞いたことがない悲鳴
強火のガスの炎が責めている
まずガスを止め
厚手のフロアマットで取っ手を巻き
あっちゃんを流し台へ
水を流し込む
流れるようなその対処
だてに年を食ってはいない
誰でもそうするわ
そんな声も聞こえないでもないが
これで一件落着ではない
むしろここからがクライマックス
チリチリと断末魔の悲鳴
あっちゃんを救うべく
ひいては自分を救うべく
思い切り蛇口をひねった瞬間
これは一生忘れないだろう
ボンと水蒸気爆発
入れてる水がはなから沸騰してる
流し台もジャワジャワ悲鳴
そのさまはとても長く感じた
あっちゃんすごいぞ
5ミリ以上の厚さ
お前の底力をとくと拝見した
てなことを言ってる場合ではない
うどんがこげて底が真っ黒
たわしでこすってもびくともしない
さすがあんたは極太麺
何分居眠りしたらこうなるのか
5リッター以上の水が
すっからかんになり
極太麺が底に炭化してしまう
爺が理系なら計算できるだろう
文系の爺としてはこう答えるしかない
そこそこ
ゆがく時間が15~16分て長くない
そんな時間横についてられるかよ
そんな責任転嫁をするつもりはない
数日前
受付パソコンのディスプレーが壊れ
その対処に追われてた
おまけに
爺の大事なメインパソコン
ネットを見てると
突然外人の女の声
「ファイブ」「フオー」「スリー」
と繰り返してカウントする
腹が立つのは
「ツー」「ワン」「ゼロ」までいかない
また突然広告が出てくる
ここ数日その対処に没頭
まさに超睡眠不足なのだか
そんな言い訳をするつもりもない
妻が退院して
仕事に追われ
妻のケアーに追われ
慢性的睡眠不足
てな言い訳も言いたくない
ちょっと大目に見てよね
って話だけ
爺の守護霊様だけが
そんな爺を見て
火災寸前で起こしてくれた
爺はそう信じてます
しかしこれからが大変
まずこの焦げ臭い臭い
危険度50パーセント
妻より先に食べようとしたこの事実
危険度100パーセント
守護霊様のお助けを
まだまだお願いしなければならない
そんな状況は続きます