主演、僕でお送りしました

ぐるぐるぐるぐる。
上へとスクロールしていく。
いろいろな名前が。
ゆっくりゆっくりと。

愛する妻の名前。
かわいい息子と娘の名前。
尊敬すべき両親の名前。
一緒にバカやった親友の名前。
初恋の人の名前。
わかり合えずぶつかった上司の名前。
いつも勇気をもらっていたアーティストの名前。
などなど。僕に関わったすべての人の名前。

ぐるぐる回る。
僕の人生のエンドロール。

最後に出てきた名前に首を傾げる。
誰だったかな、これは？
記憶を辿る。辿る。辿る。そうしてるうちに、なんだか頭が重くなってきた。これは痛みか。記憶が甦る。

・・・イタイ・・・コウトウブ・・・アツイ・・・タオレル・・・アタマニフレタテガヌレタヌメットシタ・・・ナンダロウ・・・ボンヤリスル。シカイガアカイ・・・イヤダ・・マ・ダ・・・ニタクナイ・・・

わかった。わかったよ。こいつは人生で最後に会ったやつ・・・・・・僕を殺したやつだ。