みずいろの旅

やさしいおもいのはねをひろげて

みずいろ詩集 No.21 ~秋の足音~

2007-11-20 19:14:48 | みずいろ詩集
誰かがこちらに近づいて来る気がする。
ガサッガサッと枯れ葉を踏むような音が聞こえるから。

しかし、カーテンを開けてみたら、そこには誰もいない。
ただ、風が枯れ葉を散らかしているだけのようだ。

でも、あえてこう言おう。
『秋が遠ざかってゆく音』だと。

目を瞑ってイメージする。
風に背中を押されながら、渋々と去ってゆく秋の姿を。

秋は枯れ葉を踏み鳴らしながら名残惜しそうに去りゆく。
自分が去りゆくことを示すために、
みんなの耳障りにならない程度の足音を立てながら、
静かに静かに去ってゆくのだ。