みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 8 「京都観光 金閣寺・龍安寺」

2008年03月18日 | トーダル
 2月22日の午後は、トーダルが共演するオルケステル・ドレイデルさんのリーダー樋上さんとの打ち合わせがあったが、午前中は時間があったので、金閣寺と龍安寺へ行った。

(このとき撮影した画像は写真共有サイト「フォト蔵」内、「トーダルが撮ったニッポン 79」などで公開しています。ここをクリック。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/9066546


 文字通り金色に輝く金閣寺を見て驚くトーダル。自分のネマンやしきも金箔で覆ってみたら、将軍になった気分が味わえるかもしれない、と言ったら、なぜかうけて大笑いしていた。

 トーダルは金閣寺や茶室の夕佳亭などの建物の細かいところを写真に撮っていた。金箔を貼るのは無理でも、和風のインテリアデザインをネマンやしきに生かせないかどうか、思案していた。
「材料を買ってきて、自分で作ってみる。」
と言っている。ベラルーシ人は大体器用だから、トーダルも違い棚ぐらい簡単に作ってしまいそうである。

 その後、龍安寺へ行き、有名な石庭を見学した。石の数を数えて
「言われているとおり確かに14個しか見えない。」
と確認後、石庭の前で座って瞑想に耽るトーダルと捨平。
 あのゴールドでゴージャスで、リッチな金閣寺を見た後に、枯山水の石庭や、「吾唯足るを知る」のつくばいや、十牛図だとかを見るのは、非常に有意義なことである。(日本人にとっても、ベラルーシ人にとってもね。)

 マーサは十牛図が好きで、龍安寺に来ると必ず見るようにしているのだけれど、トーダルは「吾唯足るを知る」のつくばいが気に入り、どうしてこういうデザインなのか? と熱心に尋ねていた。
 他にも桃山時代に植えられたという侘助椿だとか、金閣寺の足利義満手植えの陸舟松だとかに驚いていた。
 トーダルは白い塔の森が大好きで、古い木に興味がある。ベラルーシだと、樹齢300年と言うような木は、白い塔の森のような国立公園に行かないとないが、日本だと街の中の寺や神社に、もっと古い木がたくさんあるので、びっくりしたらしい。

 他にも苔や池や石畳や垣根や門の屋根や建物の壁などを、せっせとカメラに収めていた。
(龍安寺についてはこちら。)

http://www.ryoanji.jp/


それにしても、金閣寺にも龍安寺にも境内の片隅にアイスクリームの自動販売機が置かれていることに、トーダルと捨平はびっくりしていたぞ。
「さすが資本主義国・・・サービスはどこでも何でもありだな。」
と二人はうなっていた。

 その日の午後はトーダルが共演するオルケステル・ドレイデルさんのリーダー、樋上さんと打ち合わせがあり、ご自宅にお邪魔させていただいた。
(オルケステル・ドレイデルの公式サイトはこちらです。)

http://www.geocities.jp/smile_dreydel/dreydel.html


 樋上さんのご自宅は本当に素敵でした。家の中に井戸があったり、お母様の染めの作品が壁にかけられていたり、で芸術一家が住んでらっしゃるおうちだなあ、と思いました。

 「月と日」収録曲のうち、「浜辺の歌」「故郷」「村祭」をドレイデルさんと共演することになっていたのが、樋上さんはちゃんと事前にコンサート用オリジナルバージョンをアレンジしてくださり、楽譜をトーダルに渡してくれた。
 またドレイデルさんがそれそれの自分のパートを演奏した録音も聞いて打ち合わせをした。
 どちらもプロなので、相互の理解がスムーズで何の問題もなかった。
 それにトーダルにギター用アンプまで貸していただいて、お世話になりっぱなし。本当にドレイデルさんと共演することになっていてよかった・・・。

 樋上さんもトーダルもクラリネットが専門なので、音楽談義に花が咲き、樋上さんのクレズマー音楽用クラリネット(初めて見ました。)をトーダルが吹いたりして、楽しかったです。
 いつかドレイデルさんがベラルーシ公演に来たらいいのにな、と思いました。何といってもシャガールが生まれたのはベラルーシだし・・・。

 このように打ち合わせもうまくいったし、観光もしたし・・・と全て順調に進んだように思われるかもしれないが、実際には裏で大変な問題が持ち上がっていた。
 本番直前になって、出演する予定だったテルミン奏者の竹内正実氏が、諸事情のため、参加しないことになったのだ。
 そのため、竹内氏が演奏する予定だった時間を、急遽オルケステル・ドレイデルさんとトーダルが自分の演奏曲を増やして、埋め合わせすることになり、また1曲だけ演奏する予定だったマトリョミン合奏部も2曲に増やすことに、突然決まったのである。

 そのことをトーダルに告げるときに
「・・・こういう事情があって、出演者の一人が出ないことになって・・・。」
とうさぎさんが説明を最後までしないうちから、トーダルは
「分かりました。私が演奏する曲を増やしましょう。」
と言ってくれた。
 ああ、君は何て親切で、物分りがよくて、機転がきいて、サービス精神があることでしょう。
(ただ単に歌いたがりなだけなのかもしれないが。でも、歌手はこうでないと。)
 マーサとしても、せっかくベラルーシからわざわざ来たのだから、トーダルがたくさん歌えるほうがいいのである。
 大急ぎでプログラムを作り直したり、裏方の作業はてんやわんやだったが、ベラルーシ隊からすれば、トーダルの出番が増えてうれしかったのである。