日本最先端というより世界最先端の頭脳集団である「理化学研究所」の再生科学総合研究センター解体論が持ち上がっている。これまでどれだけの研究を成功させ、ノーベル賞に輝いた研究機関を、たったひとりの不純な功名心だけに偏った人間に振り回された研究員がいるからといって解体とは、あまりにも短絡的すぎはしないか。
小保方という研究員の首を切り、協力した不純な関係の人間を辞めさせ、管理体制の見直しにより二重三重の再発防止策をこうじ継続させるべきだと思う。今までこうした不心得者がいなかったからそうした対策も必要とされなかったのだろうが、ひとりの日本国民として、今後は十分な危機管理の下研究の続行を望む。
理研の「神戸、解体」は中韓を喜ばすだけ “小保方&笹井”処分に集中せよ 経済部長・安東義隆 2014.7.26
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)理研はCDB以外に創薬や遺伝子治療を対象にした研究センターも設置した。さらに世界一の計算速度で話題を呼んだスーパーコンピューター「京」が新薬開発で威力を発揮する。
現在も「最高の研究」を目指し、国内外からトップ級の研究者が集まる。薬や医療機器のメーカーを中心に企業・団体の数は300に迫る。国内最大のクラスターに成長した。
理研の改革委員会の提言はCDBの「解体」だった。そのニュースに耳を疑った。それが撤退や機能縮小といった弱体化を意味するなら、実に愚かな判断だ。CDBは今後も発展途上のクラスターを牽引するエンジンなのだ。医療産業都市を柱にすえた関西の成長戦略は狂う。国益も損ねる。喜ぶのは中国、韓国などアジアのライバルだ。
「STAP細胞はあります」。その真偽の究明ばかりにエネルギーが注がれていないか。当事者である小保方晴子氏、その上司の笹井芳樹氏をさっさと処分すればいい。STAP細胞はCDBの研究の一部に過ぎない。他の研究を守れ。草創期からの大切なミッションを思い起こせ。一日も早く組織のガバナンス(統治・管理)を取り戻すことだ。そこを見誤ってはならない。
海外の研究者から「簡単につぶしてしまうような研究所ではない」との意見が多く寄せられているという。一部の不正者のために発生・再生研究の国際拠点として日本の先端科学の研究のためにも「解体」などさせてはならない。