①窮する者は富貴を夢み 達する者は神仙を夢む
②憂労するは智巧に縁る 自ら喜ぶ百無能なるを
わかるれどうれしくもあるかこよひより
あひみぬさきになにをこひまし
みづぐきのはかなきあともきえなくに
ゆくへしらぬはむかしなりけり
由良の門を渡る舟人かぢを絶え
行方も知らぬ恋の道かな 曽根好忠
おもかげにきみがすがたをみつるより
にはかに月のくもりぬるかな 山家集
みなひとははなのころもになりぬなり
こけのたもとにかはきたにせよ 返照
あさひさす峰の白雪むら消えて春の霞ははや立ちにけり
我老いて͡此の身は著する拠無く
書を売り来たりて問う東家に住せんことを
家ぬいなればよく知りてあけてけり あやしうかればみたるものの
声にて候はむにはいかが 候はむにはいかがとあまたたび言ふ聲に
おどろきて見れば几帳のうしろに立てたる火の光はあらはなり
はるゆきのふるひかきくもりふゆにおくれてふるゆきの
はるともみえで今日くらしつつ
三千年になるといふ桃の今年より花咲く春にあひそめにけり
