天の原ふりさけ見れば春日なる御笠の山にい出し月かも
と阿倍仲麻呂に歌われた地こそ この御笠の地 即ち三笠山 宝満山である
大陸に渡り 二度と故郷の地を踏むことはなかった彼が望郷の念で詠んだ
どのような思いを馳せたか想像に難くない
しかし 疑問は尽きない なぜならばこの百人一首にどうやって彼の歌が
詠まれたのか ということ
当時は今日のようなデジタル社会でもなく 手紙も着くはずもない
公家が彼の心境を思んばかって創ったに違いないと考える
してみると あらゆる虚構の世界が広がっている
万葉の世界
夢も広がる
当時の世界
今よりもおおらかで豊かな社会であったのか
それは誰にもわからない
ただ夢と想像が広がるのみ