上野谷中の生まれの生粋の江戸っこ下町育ちの私。でも…母方は京都なので、幼い頃から学校の休みの時期に、反物をみに祖母に連れられ度々親戚の家に行っていました。
親戚の家は織物問屋で、
間口狭く奥行きが深くて、くぐり戸をぬけると店間がありその先に小さな玄関庭のある土間、部屋にあがった奥には座敷。
座敷からは奥庭が見えて、四季それぞれに表情を変える木々や植え込み、奥には藏、トイレに続く廊下縁側には手水鉢という
昔からの京都町屋の造りのすまいです。
何より幼い私が嬉しかったは、祖母と二人並んだ寝床の枕元に、『おめざ』の菓子を用意してくれた事。
今となっては…『おめざ』など分からないと思いますが💦目覚めた時にパクっとお口に入れていい甘いものです。
現代では虫歯や肥満で考えられないですが、食べ物が不足していた時代にエネルギー補給し頭を冴えさせるためとか。
さてさて…
そんな京都の家ではお正月が過ぎると早い春の内から、お座敷には年期のはいったお雛様が飾られていました。
そこでワタシがいつも首を傾げていたのは…
我が家のお雛様との違い…。
そうです❗お内裏様とお雛様と位置。
関東と京都ではお飾りは逆で、
我が家では、向かって左側がお内裏様右側がお雛様ですが、京都の家では逆でした。
…何かがちがう!と…違和感を感じさせて、幼いワタシの頭を混乱🌀させていたものでした。
これには御所や昭和天皇の立ち位置など諸説ある事が後からわかりました。
お雛様はそれぞれの地方や家々の慣わしなど様々だと思いますが、
健やかで優しい美しい子に成長し、よい伴侶に恵まれ幸せになりますようにという願いが込められている‘祈り’の飾りものです。
この時期になると、育ての親の祖母の面影がしのばれます。