路地町家

再生保存した小さな町家のお話です。
それに京都のこと。感動したこと。時には猫も登場したり。。。

細川家の至宝~後期~

2011-11-21 | あれこれ

後期の「黒き猫」にも会ってきました。
微妙な黒の変化で描き出された黒猫。その毛並みの手触りまで伝わってきます。
黒猫が何を考えているのか、まで想像してしまうほど。。。
柏の葉との取り合わせもしっくり、気品漂う作品でした。

今回は利休作の茶杓「ゆがみ」とその添え状も展示されていました。
利休が細川三斎に贈った茶杓「ゆがみ」、それをまた家臣に下賜する際の添え状です。
確かに、物語が生れそうな個性的なフォルム。
この竹を見つけ削り出す時の、逸る心がそのまま形になったような茶杓でした。

「鳥毛陣羽織 九曜紋付」も後期のみの展示。
鳥の羽で覆われた陣羽織で、背中に大きな九曜紋がデザインされています。
細川斉樹(なりたつ 1797-1826)の所用。非常に保存状態が良く素晴らしい。

この九曜紋にまつわるエピソードを一つ。
1747年江戸城内にて、細川家6代当主 細川 宗孝が、板倉 勝該に背後から切りつけられ
殺害される事件が起きました。
これは兄を恨んだ板倉 勝該が兄と間違って 細川 宗孝を襲ったもの。
板倉家の「九曜巴」と細川家の「九曜紋」が似ていたため起きた「人違い」でした。
細川家は7代当主として細川重賢が家督を継ぐことになりましたが
間違いが起きぬよう、以後「九曜紋」の丸(星)の間を離して描くよう。とのお達しを受け
中心の丸と外の8つの丸の間を少し空けるようになり「細川九曜」としました。
(寸法内に収めるため結果的に外の丸が小さくなった。)

「鳥毛陣羽織 九曜紋付」は、この事件以降に製作されたものですから
丸(星)の隙間が広い「細川九曜」がデザインされていました。


夕方に入館して外に出る頃には、西の空だけが名残の夕焼けに染まっていました。






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