TEENAGE FANCLUB

先日、姉と電話した。「お互い、自分を表現してないね。」と嘆き合った。と、いうことで始めたブログです。

『夜は短し歩けよ乙女』

2007-08-03 23:28:39 | 文学

『夜は短し歩けよ乙女』  森見 登美彦著



本屋さんで大々的に宣伝しているのでずっと前から気にかかっていた作品です。

なにしろ本屋大賞2位!!

さらにカバー絵がASIAN KUNG-FU GENERATIONのジャケットでお馴染みの中村佑介さんの手によるものであるのも大きな要因です。



で、読んでみたところ…

いや~、オモチロイ!!

こんな何にも考えず楽しめる作品は久しぶりです。



ストーリーはといいますと…

“私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都”

というもの…

要するに“私”が“黒髪の乙女”と自分の距離を縮めようと必死こいて頑張る姿とその最中に起こるとんでもない事件の数々を描いたものなのです!!

“黒髪の乙女”が京都の街を所狭しと駈けずり廻ります。

それに翻弄されつつも、必死こいて彼女の気を引こうとする“私”の努力はバカらしくも微笑ましいもので好感がもてるのです。



読んでいて、自分の高校生三年生の頃を思い出しました。

同じ部活の後輩の女の子に恋して、用もないのにめったやたら部室の前に行ったり、その後輩の掃除場所をウロウロしたり…

で、会ったら「いや、やることなくてさ…」とか言ってみたり…

受験生なんだから勉強すればいいものを…

いや~、淡く青いなぁ…



それにしても、この物語は脇役が個性的です。

全くもって謎の人物である樋口氏…(空が飛べます!!)

うわばみの羽貫さん…(スゴイ美人!!)

謎の老人である李白…(偽電気ブラン飲んでみたい!!)



僕がもっとも気に入ったのはパンツ総番長!!

彼は、“一年前の学園祭に出会った彼女に会うために一念発起して、吉田神社に願掛け 彼女に再び出逢えるその日まで、二度とパンツは脱がないと誓った”というツワモノです。

完全におかしな人ですね。

羽貫さんはパンツ総番長の話を聞き、

「人間として力の要れどころを激しく間違っているよね」

と、評価し、

“私”は「志は素晴らしいが、目的地から真逆の方角へ全力で走っている印象が濃い。」という感想を抱き、「彼の力一杯の逆走ぶりをたたえ」、握手を求めます。

僕はこの『目的地から真逆の方角へ全力で走っている』感じが大好きです!!

きっと、こんな風に『力一杯逆走している』人を見かけたら「友達になりたい!!」と思うでしょう。

まぁ、パンツを履き替えないのは考えものですが…



まぁ、そんなこんなでこの作品は本当にオモチロイのです!!

是非是非、皆様も読んでみてくださいな!!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿