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先日、姉と電話した。「お互い、自分を表現してないね。」と嘆き合った。と、いうことで始めたブログです。

『エアの創造』

2005-12-15 23:41:56 | ゲド戦記
ことばは沈黙に

光は闇に

生は死の中にこそあるものなれ

飛翔せるタカの虚空にこそ輝ける如くに


             -『エアの創造』-




これは『ゲド戦記』の第一作目『影とのたたかい』の冒頭にある言葉です。

この言葉は『ゲド戦記』の根底にある世界観を凝縮していると思います。



『ゲド戦記』において、本当の賢人たちは無闇に魔法を使おうとはしません。

なぜなら、それによって世界の『均衡』を崩してしまう可能性があるからです。

第三作目の『さいはての島へ』で、ゲドが若き青年王子であるアレンに下記のような内容を語るシーンがあります。(手元に原作がないのでうろ覚えですが…)

『魔法で雨を降らすことは簡単だ。しかし、東海域の雨が西海域の干ばつを引き起こすかもしれない…。すべては『均衡』が大事なんだよ。』

光と闇、生と死、善と悪、すべてのものはそれのみで成り立ってはいない。

それらの『均衡』によって、それぞれが成立していると…



僕らは一般に『光』、『生』、『善』を肯定しがちですが、それらは相反する『闇』、『死』、『悪』が存在するために、その存在、価値を認識することができるのです…

ちょうど言葉を発するためには、その前後に沈黙が必要であるように…



僕らが重要と考えていることには、それを重要と考えさせる相反する事象が存在します。

それについて考えてみませんか。

今まで気づかなかったことに気づくかもしれませんよ…


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