『砂漠』 伊坂幸太郎
最近、本をよく読みます。
ブログの更新が滞りがちなのもそのせいです…
仕事をする…
飲みに行く…
本を読む…
そしたら、他は何にもできなくなる。
読書に無我夢中で生活は五里霧中です。
「それはそれでいいかな?」と思っています。
時間が経てば、本を読むのに飽きて、走ったり、音楽を聴いたり、旅行に行ったり、美術館に行ったりするのに夢中になるでしょうから…
さて、現在、夢中である読書ですが、特に伊坂幸太郎さんの作品がお気に入りです…
この1月ほどの間で、『アヒルと鴨のコインロッカー』、『重力ピエロ』、『ラッシュライフ』、『死神の精度』、『チルドレン』、『週末のフール』、『陽気なギャングが地球を回す』、『魔王』、 『砂漠』、『オーデュボンの祈り』、『終末のフール』を読みました。
まだ、読んでいない作品を読むのが楽しみで仕方がありません。
で、今日は、『砂漠』を紹介いたします。
ストーリーですが、出版社 / 著者からの内容紹介をそのまま載せますと…
“麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。日本全国の伊坂ファン待望、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説! ”
というもの…
まぁ、世間一般でいう青春ものですね。
しかし、単なる青春もので終わっていないのは、きっと“西嶋”という登場人物の存在のおかげだと思われます。
彼は彼なりの理論で自分が正しいと感じることを実行していきます。
その様子は“スマート”とか“クール”という言葉からはかけ離れており、むしろ、“泥臭い”とか“合理的ではない”という言葉に近いものです。
こんなエピソードがあります…(うろ覚えなので、多少怪しいのですが…)
主人公である、北村がネット上で保健所のような飼い主不明の動物を預かる施設において、預かり期間が終わり、明日殺されてしまうドーベルマンの存在を知ります。
彼はやり切れない思いに、苛まれます。
しかし、そのドーベルマンを助けたとしても、次に預かり期間が終わった犬はどうなるのか?全ての犬を助けることはできない…
そのような思いを抱えつつ、彼は何の行動も起こしません。
翌日、西嶋に会うことになった北村は驚きの事実を目の当たりにします。
西嶋も北村と同じ施設のサイトを見、朝一番でドーベルマンを引き取りに行っていたのです!!
北村は、自分の思いをぶつけます。「次に預かり期間が切れた動物も引き取る気なのか?」と…
それに対して、西嶋は「あぁ、あのサイトはもう見ないから大丈夫です。」と平気な顔して、のたまいます。
北村はそんな西嶋に絶句し、「そんな…、“もう見ないからいい”なんて矛盾している。」と訴えます。
西嶋は「矛盾してたら、ダメっていう法律があるんですか?」と、逆に問いかけるのです。
僕はこのやりとりにこの上ない面白味を感じます。
僕らは、世間一般の常識や道理や理論の整合性を以って、これから行うこと、行うべきことを考えます。
それは素晴らしいことです…
しかし、あまりのそれらにがんじがらめになっているがために、無条件に正しいことを行う際にも、ごちゃごちゃといろんなことを考えてしまい、結局、実行しないことも多々あるのです…
正しいと感じたならば、理屈をこねず、実行してみても良いのではないのでしょうか?
そんなことを考えさせられました…
僕も、西嶋のように、自分が正しいと感じることを実行できる人物になりたい…
実際にはなれなくても、そうなりたいと願っている人になることは可能です。
95%は可愛い女の子やお酒や楽しいことに夢中だとしても…
たった5%でもいい…
僕のベクトルが、この先、その方向を向いていますように…
すごい、伊坂くんフェアですね。
でも読み出したら、他の本も続けて読みたくなる魅力、わかりますわかります
楽しい文章なんですよね。
西嶋くん。不器用で誠実でキュートで、私も大好き
伊坂フェアです。
今、伊坂幸太郎に夢中です。
西嶋のようになりたいものですね…