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尊厳死

2005年03月24日 01時15分00秒 | 
米議会、尊厳死を阻止 司法に異例の「介入」

 今、アメリカで大論争となっているらしい。
日本でも議論となって久しく、非常に難しい問題である。

 「尊厳死」は憲法13条から導かれる自己決定権の問題である。
「死ぬ」ということが権利として認められるのか。
自己決定権というのは、簡単に言えば、自分の生き方は自分で決めるということ。
最高裁の判例では、エホバの証人の事件で、輸血の拒否が自己決定権として認められた。

 私は、尊厳死を自己決定権として認めていいと思う。
人間は必ず死ぬ。自分の人生をいつ、どのように終えるか、
それを決めるのも、その人の人生である。

 昨年の大河ドラマ『新撰組』の終盤で、勝海舟のセリフの中に、
「大事なのは、どう死ぬかではなく、どう生きるかだ」というのがあった。
そう考えると、死ぬ時は自然に肉体が果てるのを待つべきだとも考えられるが、
尊厳死と言うのは、「尊厳生」でもある。

 もっとも、これはその人の人生観、人生哲学が大きく影響することだから、
いろんな考え方があってしかるべきところである。

 では、尊厳死を望む場合はどうすればよいだろうか。
考えられる方法としては、脳死後の臓器提供と同様、
前もって、尊厳死の意思を明らかにしておく必要がある。 
日頃から家族の間で、意思表示しておくことが大事だ。

 今回のアメリカでの事例も、患者の夫と、患者の両親が
尊厳死の意思をめぐって骨肉の争いのようになっている。
行政がその意思を担保する制度も考えられる。
まぁそれでも、実際、家族の死に直面した時には、
「まだ生きる望みがあるなら…」と思うのが自然だろうなぁ。

 それから、この問題でもう一点注目することのがある。
議会が裁判所の判断に介入していることだ。
ブッシュ大統領は、宗教的右派、キリスト原理主義者とでも言うべきか。
「人の命は神によって与えられたもの」であるから、人工中絶は絶対反対。
今回の尊厳死の問題も、「彼女には生きる権利がある」として、
尊厳死を認めた裁判所の判断に対抗するべく、法律を成立させた。
それは、三権分立に反し、やりすぎだ。

 人生設計の締めくくりを、元気なうちに考えてみよう。
※参考までに→日本尊厳死協会HP

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2 コメント

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トラバしようとしたんですが・・・ (こぺ)
2005-04-03 01:38:30
初めまして。

トラバが上手くいかないので、ひとまずコメントをさせていただきます。



>人生設計の締めくくりを、元気なうちに考えてみよう。

やっぱりライブウィルは考えておかなければならない事なんですねぇ。こういうニュースを聞くたびに思います。

(思ったのに、まだしてないんですけど)



三権分立に関して、すごく同意です。

思うとおりに行かないからって、政治が司法に介入したら、三権分立は成り立たないですもんね。
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こんばんは。 (K)
2005-04-03 22:45:01
はじめまして。コメントありがとうございます。

トラバ上手くいきませんでしたか?

なんでだろう。ごめんなさい。



この問題には、答えはないと思います。

元気な時に尊厳死の意思表示をしていたとしても、

実際、自分が死ぬ時になると、どうなるかわからないですし。

「奇跡」ってのも信じたいですからね。



堅苦しいことばかり書いてますが、

また、寄ってください。
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