ゆうとの同級生に、自閉症の男の子がいます。
同じ小学校に入学し、別々のクラスで6年間を過ごしてきました。
今春、中学生になって 初めて同じクラスになりました。
彼は、入学式の日から落ち着かない様子でした。
環境が変わり、不安な気持ちになって当たり前です。
ほとんどの子ども達は彼が自閉症だということも知らないので、
内心 私も『大丈夫かな…』と不安でした。
ちょうど ゆうとが 同じ班で前後の席になったので
「彼が困っていたら 助けてあげてね。」と話はしたものの
ゆうと自身、何を どう助ければいいのか、
どこまで、どのように関わればいいのかわからない様子でした。
いろんな場面で声をかけ、一緒に班行動するのが、精一杯。
私自身、具体的に言えなかったのですから ゆうとの とまどいも当たり前です。
先日、彼のお母さんが子ども達に手紙を届けて下さいました。
「彼の自閉症という障害のことを知ってもらうことによって
少しでも「えっ?」という思いが理解に変わることを願って
今皆さんに手紙を書いています。」
そして、お母さん自身が悩みと疑問をいっぱい抱えておられたこと。
いろいろ勉強し、いろんな人の話を聞いて、
やっと ひとつひとつの理由に気づき 理解できるようになったこと。
どう考えればいいのか どう対すればいいのか、
お母さんの経験をもとに 一つ一つ、ていねいに、
子ども達にも よくわかるように書かれてありました。
次の日に子ども達の感想が学級通信で届きました。
一つ一つの「なぜ?」に理由があることを初めて知った子。
自分に 何ができるのかを考えた子。 自分自身を振り返っていた子。
一人一人の子ども達が たくさんのことを学んだようでした。
彼のお母さんは、優しく、とても穏やかな人です。
中学に入り、不安定になっている息子を見て毎日、心を痛めておられたのだと思います。
きっと祈るような思いで、勇気を振り絞って この手紙を書かれたのだと思います。
お母さんの心いっぱいの願いが 子ども達に伝わったようすが 何よりも嬉しかったです。
まだまだ、きっといろんなことがあると思います。
それでも、お互いを理解し、認め合うためには
相手を『知ること』『知ろうとすること』が
とても大切な 始めの第一歩ではないかなと私は思っています。
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