ひとり井戸端会議

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必須の日米同盟強化

2010年10月31日 | 外交事情考察
「尖閣は日米安保対象」に反発=米国務長官発言で中国外務省(時事通信) - goo ニュース

【北京時事】中国外務省の馬朝旭報道局長は29日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)が米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約の適用対象になるとしたクリントン米国務長官の発言について「絶対に受け入れない」として、重大な懸念と強い不満を表明する談話を発表した。



 尖閣問題においては、何よりもまず日米同盟の強化こそが最優先で行われるべきだ。とは言うものの、口先だけの現政権には全く期待していないのは言うまでもない。

 日米同盟強化云々と言い出すと、すぐに低俗な批判が現れるが、その中でも滑稽のは、次のようなものである。


馬鹿な批判その1
今回の尖閣での事件で、アメリカは何もしてくれなかった。

→それは当然である。これでアメリカが何か具体的なアクションを起こしてきたら、それはそもそも内政干渉である(笑)。したがって、アメリカが尖閣について、「日中二国間の問題」と述べたのは当然のことである。尖閣問題はアメリカの領土問題ではない。


馬鹿な批判その2
尖閣の事件で、日米同盟の非有効性が明らかになった。

→全くもって間違っている。日米同盟は、「有事の際に」発動されるものであって、今回のような「平時」に何か目に見えるかたちで発動されるものではない。

 民主党政権の肩を持つわけではないが、むしろ前原がクリントンから「尖閣は日米安保の適用対象」という言質を引き出したことこそ、平時での「具体的効果」と言ってもよい。

 中国が日米同盟を嫌がっているのは明らかである。日米同盟があれば、アメリカの極東でのプレゼンスが常に何らかのかたちで存在するのだから、これから極東での覇権を狙う中国にとって「目の上のたんこぶ」であるからだ。それはこの記事からも見て取れる。



 また、しばしば、「日米同盟があっても、有事の際にアメリカが日本を守ってくれるかは疑わしい」という批判もあるが、これは確かに一部傾聴に値するものであるが、これもまたおかしな批判である。

 確かに、そのような可能性はあるだろう。だからこそ、日本が自前で自国を防衛できるだけの力を持たねばならない。無論、それだけが日本が自国を自前で防衛するだけの軍事力を持つ必要がある理由ではないが。

 しかし、普通に考えて、二国間で締約した条約において、明文をもってアメリカの日本防衛義務が明記されている以上、日本を守らない可能性よりも、日本を守る可能性のほうが高いと考えるのが合理的な判断というものだ。


 だが、ここで考えられるのは、日本の幼稚な反米的態度により、アメリカが日本防衛を真剣に考えなくなる可能性だ。

 反米論者はすぐに日米関係が対等ではないと言うが、「対等」というのは、同じリスクを払い、同じ境遇にいるからこそ、そうなのであって、現在の日米関係が、対等なわけがない。血を流して他国を守る義務がある国と、その国によって守られる国とが対等であるはずがない。

 だからこそ、そこで生じている「溝」を埋めるために、たとえば集団的自衛権の一部容認やインド洋での給油活動の再開といった、日本もそれ相応の負担をする必要があるのだ。その負担をすることによって、アメリカが日本のために血を流す覚悟をさせなければならない。片務的な条約を結んでいる以上、それによってはじめて「対等」となることができる。



 日本はアメリカの同盟国である。この事実こそが日本が極東において存在感を示す何よりも有力な手段であり、また、中国に対する抑止力になるのである。現在のような状況だからこそ、日米同盟の強化が絶対に必要なのである。

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