随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

農協祭の展示販売にいってきました。

2006-10-29 22:12:30 | 仕事・ひと

この時期、各地の農協では、「農協祭」が行われます。「収穫祭」という位置づけになるのですが、農協の組合員やその家族の方々にとっては、一年に一度のお祭りとなります。町内の夏祭りや、学校などの文化祭もそうですが、これだけ娯楽が多い時代になっても、やはり「お祭り」には、独特の雰囲気があります。

お祭りは、地域ごとにそれぞれ個性がありますが、ステージでは歌や踊りやアトラクションがあり、出店が並び・・というのは共通しています。ただ、お祭り会場で、田植機などの展示販売があったり、大きなカボチャや山芋などを販売したりしているのは、さすがに農協祭、という感じです。私の勤める会社では、婦人服などを扱っているため、婦人服を持ち込んで展示販売しています。

本来なら、洋品店とか、ブティックとかで売るような商品もあるのですが、やはりお祭りですから、屋外でテントの下に並べ、「はい、こちら半額だよ!奥さん見ていって!」などと連呼したりしています。それに向かいのテントは魚屋さんで、荒巻鮭やわかめやなどを景気よくさばいて売っていたりするので、こちらも上品に構えているわけにもいきません。

お客さんも、「服を買っても着る機会がないから・・」とか「ジャケットやベストはタンスに腐るほど持ってるから・・」などと言いながらも、結構衝動買いしてくれたりするのは、やはりお祭りだからでしょう。しかし、売る側としては、売れれば現金になりますが、売れなければ商品を持ち帰らなくてはならないのですから必死です。お客さんの好みがどんなものかを素早く見極め、好みに合った商品をお薦めしなくてはなりません。さらにお祭り期間中だけの短期決戦ですから、持ち込んだ商品だけの勝負になります。「これの色違いはないの?」とか「これ、いいんだけどサイズが合わないのよね」と言われても、「じゃあ取り寄せます」などというわけにはいきません。なんとか、替わりのものを選んでいただけるよう、文字通り「手を替え品を替え」しなくてはなりません。

また、黙っていても買ってもらえませんから、商品にちょっと興味を持たれたら、すかさず寄っていって、「これ良いデザインでしょ、ちょっと着てみて下さい」などと言ってミラーをサッと差し出すくらいの対応が必要です。これで「売り上げ」に一歩近づくわけですが、たまに「私がこんなの(年輩向けの服を)着るわけないでしょ!お母さんが着る服を選んでいるの!」などと一喝されることもあり、なかなか商売はキビシイです。

そんなこんなで一日過ぎると、さすがに疲れます。また、周りはお祭りだというのに、屋台巡りもできず、イベントやアトラクションも見られないのが「売る側」の宿命とはいうものの、ちょっと残念な気がします。