随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~危ない航空会社ランキング

2006-02-02 18:30:31 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「危ない航空会社ランキング~主要284社を安全指数で格付け」でした。世界に主要航空会社が284社もあるのか、というくらい航空会社には縁がありませんが、海外旅行に出かけるときは、もしかしてお世話になるかもしれないので、とにかく「安全ランキング」だけは見てみました。安全性に密接に関わる「機体年齢」や「機種編成」「運行体制」など11項目で評価していますが、総合点(100点満点)のランキング1位は92.2点のルフトハンザ航空(ドイツ)、そして284位が0点(!)のアリアナ・アフガニスタン航空となっています。日本では12位の全日空がトップになっています。とはいえ、ベスト50くらいまでは、総合点が80点以上であり、「機体年齢」や「機種編成」を除けば、ほとんど満点に近い評価を受けており、ほとんど安全性に差は無いと見てよさそうです。また、航空機のトラブルが発生すると、すぐに全ての同型機の検査をする、という報道を耳にするのですが、やはり安全性は、機種に大きく依存しているようです。

航空会社にとって、コスト競争に追われながらの「無事故」の継続は「永遠の経済成長」や「連勝記録」と同様に難しいのではないかと思われます。関係者や現場には相当なプレッシャーがかかると思われますが、なにしろ1回墜落すると、「乗客乗員全員死亡」「死者何百人」という事態になってしまうのですからしょうがないのかもしれません。私の感覚からすると、一次元の線上を走る車や電車より、3次元の空間を飛ぶ飛行機の方が事故に遭う確率は低いと思っていたのですが、事故の70%が離陸後3分間と着陸前の8分間に集中しているようで、
やはり「一次元」の問題になっています。

記事では、われわれ一般人の抱くイメージには誤解があることを指摘していますが、「コストを削減すれば(価格競争が加熱すれば)安全性がおろそかにされる」という説は正しくないようです。航空業界の規制緩和が行われたアメリカで、規制緩和後、価格競争にさらされながらも事故は減っていますし、アメリカの多くの航空会社が破産申請をしていますが、例えば2度も破産申請をしているコンチネンタル航空のランキングは6位で、一度も破産してないアメリカン航空が27位、というランキングになっていることから、「経営が悪化すると安全性の手を抜く」わけではなことがわかります。記事にもありますが、空の安全で何より重要なのはむしろ「透明性」で、トラブルの隠蔽が一番危険であると思います。次々とトラブルが報道されたときに、「安全神話の崩壊」などと言われますが、報道されている事自体が「健全である」という見方が必要であろうと思われます。

その他の感想として、ランキングの低い会社は、開発途上国の小規模な会社なので、一般の日本人であればほとんど利用することがないと思われます。ただ、エアージャパン(日本、198位)や中華航空(台湾、203位)あたりは少し気になりますが・・・・やはり、スターやワンワールドなどの「主要なアライアンスに加入していること」も安全性の観点から大きなポイントになりそうです。「運行体制」や「安全基準」が満点でも、アライアンスに加入していない新興の小企業などは不利になる傾向があります。まあ、ある程度名の通った航空会社なら、ほぼ安全性は大丈夫と思ってよさそうです。

最後に統計ですが、2004年の事故発生率は10万便に1回以下、死者が出る事故は100万便に0.73回とのことで、この比率は年々低下しているようです。ただし、世界全体で年間2500万回以上のフライトが予定されていますが・・・