「私にできること」
せんせい せんせい
私にはあなたのように
人のいのちを
救ってあげることはできない
だけど かなしみを
やわらげてあげることはできる
すこしでも ほんのひと時でも
おもいにもつ
代わりにもってあげたい
私は生存確率も僅か、たとえ命が助かっても「廃人」か
「植物人間」と言われていました。
そんな私の命を救ってくれたのは、若い情熱溢れる先生でした。
「泣こうが喚こうが心を鬼にした治療をする」と私と家族、
看護婦さんに宣言されました。
それは看護婦さんにも徹底されており、ベッドを下げて欲しいと
頼んでも、聞き入れてもらえませんでした。
筋肉をなくした身体にはベッドが15度上がっているだけでも苦痛。
まして眠っていた2ヶ月の間にできた、お尻の床ずれはえぐれており
なおさら辛いのでした。
泣こうとして涙が出るのではなく、あまりのえらさに看護婦さんに
ベッドを平らにして欲しいと、人工呼吸器が入っているにもかかわらず
うったえても、「ごめんね。先生から言われているからできない」と。
その徹底した治療のおかげで、現在の私があります。
ですから、誰かの荷物を少しでも持たせていただきたい・・・
それが、今の私にできる精一杯の仕事なんです。
入院中に書いた詩