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アロマな日々

一条の光に誘われて歩くうちに、この世とあの世を繋ぐ魔法の世界に紛れ込んでいました。夢のワンダーランド体験を綴ります。

大停電の夜に…My Foolish Heart

2005年12月13日 | 映画
久しぶりに映画を観ました。群像劇というもので、2~3人の人間の間で起こる幾つかの小さなエピソードがあちこちでリンクしあって全体を一つの物語として構成しているものです。けれど、偶然にもリンクはしているけれど、それはたまたまのものであって、その場その時の‘縁’で終わってしまうものなので、どろどろ感がなくて非常に都会的な雰囲気を演出しています。それにクリスマスイブの夜から明け方までの一晩の出来事を描写しているだけですし…「Foolish Heart」とは豊川悦司のジャズバーの名前です。全編にベースを基調にしたジャズ(「My Foolish Heart」という題名のジャズのようです。その他にも色々な曲が流れますが、ジャズのことは分かりません。)が流れていて、(何しろ停電の夜ですから)蝋燭屋さんの蝋燭が唯一の光として煌きます。いずれの人が抱えているテーマも深いものですが、さらっと描かれていますので、象徴的なおとぎ話しとして深刻な現実味には触れていません。が、私はしみじみとした感慨に耽ることが出来ました。人との関わりを当たり前と思ってはいけないこと…ある関係を一度手放したら、どんなに思いを深く持続させていようとも、もう過ぎ去った時や大切な人は、容易には再び私のもとには戻ってくれない。(人生は無常を常とするから、状況はどんどん移り変わってしまうものなのでしょうね。けれど、また、それが人生の妙味とも言えます…)どんなカタチであっても、‘今’というこの時に、人を‘思える’という事はきっとすごく幸せなことなんだと改めて実感できたこと。それに、どんなに辛くても、愛する人の過去をも含めたすべてを許せてこそ、人と人との優しい関係が成立するのだということ。映画の中の登場人物たちの体験を我が事のように追体験しながら、これらの想念が、ジャズのメロディーに乗って脳裏を駆け巡っていました。
大停電の夜に

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ある奇跡のお話 (Bliss)
2005-12-19 00:04:46
『大停電の夜に』僕も観ましたよ。

登場人物それぞれが持つ背景が、徐々に繋がって・・・でも、全部を無理につなげてしまわないんですよね。

それがかえって、映画を『出来すぎた話』にしてしまうことなく、『作られた話』という部分を強く感じさせない上手い作りだなって思い観てました。

言うなればこの映画は、過去を振り返り、それぞれが抱えている後悔を清算し、今と向き合うための時間という贈り物のお話なのではないでしょうか。
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おとぎ話し (midnight_ray_polaris)
2005-12-20 12:27:16
後悔は通常は綺麗に清算出来るわけのものではないですよね。「一目だけでも!」と願っても、その一目が命取りになり得ることもあるわけですし…。過ぎ去ったことは、どこかで諦めたり、思い切る以外にはないのかもしれませんね。今と過去を天秤に乗せれば、過去の方が重みがあるように思えたり、輝いて見えたり…。世の中には過ぎ去った過去をもう一度、掌中に収めることの出来る人もいるのかもしれませんから何ともいえませんが、今と向き合う力を持てるようになりたいとは思います。多分、生きるということの実態は今の中にしかないだろうと思えるからです。これだけの細かいお話しをよく一つの大きな物語に無理なくまとめ上げることが出来たものだと感心します。本当のような嘘の話。嘘のような本当の話。いずれにしても‘おとぎ話し’はしみじみといろいろな事柄を考えさせてくれます。
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