

1ヶ月ちょっとの間、「めりなす君」に伴走してもらってブログ街道を全速力で走り抜けてきましたが、私の意識や心理の様相がここでまた、少し変化してきているようなので、ブログのテンプレートも替えてみることにしました。やはりピンク色です。ここ数年、私のエネルギーに肯定的な力を与えてくれる色合いはどうしてもピンク色なのです。ほっとするし、暖かい気持ちになるし、何よりも、気分が閉鎖的にはならず、優しく柔らかく、境界線のない地平までどこまでも拡がっていけるようで安心できるからなのです。それに理屈なしに、ピンク色はアロマのコンセプトとは地続きの世界を展開してくれそうな気もします。マウスを下に下ろしていくと、ピンクがブルーに色を変えていくのも面白いです。テンプレートの名前は「プリンセス」です。

意識というものは多層性を持っているものだと感じています。意識は単一のものではなく、いくつもの‘意識’を同時に、抱え持っていけるもののようです。今はどの意識状態が起動しているのか…などということは検索するまでもなく、必要な時に必要な意識が自動的に抽出されてくるように出来ているらしいので、そのことにはまったく気を留めている必要はありません。というわけで、私の意識の引き出しの一つでは、‘仕事’とは何か?という概念の情報をストックしようとしている機能が常に働いていますので、ちょっとでも、私の興味に関連のある情報に触れると、意識は即、その情報の方へとすべての注意を向けて動き出していきます。今朝の朝日新聞を開いた時も、意識がすぐに、ある記事に全神経を集中させていたのです。

私の意識の向かった先は「ひらめきが身をたすく」茂木健一郎が語る仕事というコラム記事でした。なぜいま脳ブームか?というと、定例的な、マニュアルに沿った仕事のやり方では対処できないことが非常に多くなってきているからだろうという推測で論が進められています。ホワイトカラーが担っていた事務作業のほとんどはITでカバーできてしまうのだそうです。『
仕事というのは半分はマニュアルで処理できるのです。しかし後の半分は予測のできないことで動いています。私は偶有性という言葉を使いますが、半分は必然で、半分は偶然だという概念ですね。必然部分をコンピューターに任せられるいま、人間の脳にしかできないことは予測できない偶然に対応することに絞られていく。それがこれから求められていく仕事の能力になっていくでしょう。』とのことです。

私が現在の仕事で直面している事柄の一つには、ある法律が短期間で成立してしまったことによる混乱の後始末に関わる、煩雑で創造性とは何の関係もない事務作業が含まれています。私は一応、事務以外の専門職ですので、本来ならば、私の仕事の範疇ではないのですが、全所をあげて取り組まなければならない緊急性に迫られていたため、その混乱の渦の中に巻き込まれていました。(現在では一応の収束はみていますが…)

この事件は、私が今の仕事にしがみつく意味を急速に失っていく原因の一つでもありました。私たちの生活は、こんなふうに、ある一群の人間の意志と方向付けで、一夜にして一変してしまうのだ、という驚きが憤懣やるかたない憤りと無力感を引き起こしたのです。力のある人はそれでも、多勢の論理のやむを得ない側面に順応していけるのかもしれません。けれど、弱者と呼ばれるような立場の人間に有無を言わさず、国家権力が介入して、生活のありようをさらに厳しいものに設定し直していく様を目の当たりにして、そんなことの、たとえ一部にでも関わっていくことは、それが、どんなに末端の作業であっても、自分はもう御免だという気持ちになってしまったのです。複雑で骨格を理解しづらい法律にあわせながら、四苦八苦して、その中での自分たちの仕事のあり方を考えていくことはもう私には出来ない。私の頭脳は、法律にのっとって、その仕組みの長所と短所を細かく整理し理解した上で、人に説明していけるような整然とした作りではないということをまざまざと思い知ったのです。マニュアル以外でこなす、本来ならば創造性が要求される仕事の前提に、まず大きな縛りがある。それでは、本当の創造性は飛翔出来ない。出来るはずもない…という、私自身の心の叫びに耳を傾けないわけにはいきませんでした。

茂木さんの言葉はさらに続きます。『
コミュニケーションは、多くの偶然的要素に対応しなければならない、難しい能力ですから、その重要性は急速に増しています。創造性も同じです。今までにない新しいものを生み出す力、ひらめきをどう捉えるかが何よりも重要になってきている。不確実性が高い時代をどう生き抜いていくか。その鍵を握っている脳の育て方を誰もが探し始めているのだと思います。』『創造性が大切なことは分かる。しかし逸れは一部の才能ある人間だけが持ちうる能力ではないかと言う誤解が、まだあるようです。でも実は、誰でも持っています。それを仕事の領域に生かし、高めるためには体験×意欲という掛け算が大切になってきます。この体験と言うのは、多くのチャレンジをし失敗もたくさんして、経験を積むこと。意欲というのは強い価値観やビジョンを持つこと。成功体験をすると、脳内にはドーパミンという報酬物質が出てきます。これはとても心地よい状態なので、その報酬を出すに至った行動を強化するようになる。苦しくてもやり遂げられたら嬉しくなると分かっているから、またやってみようと考えるわけですね。それが意欲と名って掛け算が繰り返され、創造力になっていくのです。~中略~車輪を動かすのに最初は少しエネルギーが要りますが、一度この二つがかみ合って喜びの報酬が脳内に放出されると、必ず循環が起きてきます。』

少し前の私なら、このコラムを読んでも、一般論としてしか受け止めなかったことと思います。ところが、私自身の意識の状態の変化は、この文章を大変ビビッドなものとして、私に対する応援メッセージとして受け取ることが出来ているのです。よく、「あなたはあなたが考えている通りの人間になる」と言いますが、今では、その意味が分かるような気がしているのです。