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アロマな日々

一条の光に誘われて歩くうちに、この世とあの世を繋ぐ魔法の世界に紛れ込んでいました。夢のワンダーランド体験を綴ります。

不良少女

2006年06月02日 | my favorite・・・
「初恋」が描かれている時代には、確かに不良少女というものの存在があったようです。

大人になんかなりたくない。大人たちは屑だ。心の中でそう呟きながら、触れれば斬れるような殺意を抱いている少女たち。決して軽口を叩くわけでもなく、世界そのものに対して武装しているような少女たち。~中略~目の前に存在しているすべてのものを拒否していまいたいという「純粋なる否定性」(バタイユ)を行動原理としていた。私は彼女たちに、ある種、畏敬の気持ちを感じていた

人生のあらゆる出来事に対して、処女として立ち向かうこと。自ら苦痛を引き受けること。過去も未来も何も考えず、ただ己の内側の虚無だけを信じること

初恋』の冒頭で、白いヘルメットを脱ぎ捨てた宮崎あおいの長く黒い髪がパラリと垂れるショットを観て、私は悲しみの原型に立ち会ったような印象を持った

人生には、それを通過してしまえば、後はすべてが余生となってしまうような絶頂の至高点なるものが存在している

宮崎あおいの演じるヒロインは~中略~永遠に完結を阻まれた人生を生きる者だけが見せる悔恨の甘さと苦さを体現している

映画評論家の四方田犬彦氏の「I SAW HER STANDING THERE」という文章です。映画評というよりは、映画を観て、湧き上がってきたこの時代への愛惜を込めたオマージュのようにも、私には感じられました。所々を抜粋しただけなので、何のことなのかは全然分からないと思いますが、私の心の琴線に触れてきたフレーズを羅列してみました。

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