みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

「がんづきジャンケン」佐々木ひとみ~河北新聞夕刊に連載中です!

2020-04-09 | スタッフ新刊・活動紹介

きのうに引き続き、「みちのく童話賞」スタッフの活躍紹介です。

佐々木ひとみさんの新聞連載。いよいよ後半に突入しています。

河北新報は宮城を拠点とした、東北の新聞です。その一面を贅沢に使った連載。東北地方でしたら、図書館でごらんできますし、コンビニで購入もできます。いつか一冊の本になることを期待しています。(お)

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「がんづきジャンケン~杜野家のがんばろう日記~」

 河北新報 夕刊にて、毎週木曜日「ものがたり」の紙面に連載されています。絵は、仙台市在住のイラストレーター本郷けい子さんで、期間は1月9日(木)から5月28日(木)までの全21回の予定です。

 仙台市内に暮らす家族の、東日本大震災の発生直後から4日目の朝までの物語です。

 杜野家は、小学4年生の友樹と中学生の姉・絵美、笹かまぼこの会社に勤めるお父さんと、

ライターをしているお母さんの4人家族。みんな、黒糖味の蒸し菓子「がんづき」が大好きで、

家族がそろう休日は、「がんづき」をまちまちな大きさに切り分け、ジャンケンで勝った人から大きいのを選べる「がんづきジャンケン」を楽しんでいました。

 「がんづき」は、杜野家の平穏な日常の象徴だったのです。

 震災の折、被害が大きかった沿岸部等の情報はよく報道されていましたが、被害が少なかった市内中心部の暮らしがどうであったのかは、あまり知られていません。片付ければ何とか家に留まることができた人たちは避難所には行かず、家族単位で工夫したり、近所同士で助け合ったりしながら日々を過ごしていました。

 私もまた、そんな市民の一人でした。

 当時のメモをもとに、水と食糧確保に奔走する日々の中で感じた、たとえ非常時であってもないがしろにしていいことなど一つもないこと、辛い体験も「がんばった」記憶で上書きできるのではないかということ。ふり返った時、「あのときはがんばった」と、胸を張って思い出すことができるような行動をとることが大切なのではないかということ。……などを、物語に仕立てました。

 自然災害が凶暴化したり、「まさか」の事態に日常が脅かされることが増えている昨今、杜野家と同じような体験をする家族も増えるのではないかと思われます。そんなとき、思い出し、何かしらの役に立てていただきたいとの思いを込めて、書かせていただきました。

 また、本文のところどころに「お父さんのメモ」として、笹かまぼこの製造・販売を行っている会社の震災時の様子が出てきますが、これは、株式会社 鐘崎様の被災時の状況を取材し、書かせていただきました。震災時、仙台・宮城のソウルフードといわれる笹かまぼこを作る人々がどうしていたのか、どんな思いで、工場を復旧させ、営業を再開させたのか、ぜひ伝えたいとの思いを込めて書かせていただきました。(佐々木ひとみ)



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