みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

『ぼくんちの震災日記』佐々木ひとみ作・本郷けいこ絵(新日本出版社)

2023-02-20 | スタッフ新刊・活動紹介

                 

 

 この度、新日本出版社より『ぼくんちの震災日記』を上梓いたしました。ご多忙のところ恐縮ですが、ご高覧賜れば幸甚に存じます。

 

 この作品は、仙台に住むある家族の、東日本大震災発生からの4日間を描いた作品です。家族は無事、家もなんとか住める状態ではあるけれど、電気・ガス・水道といったライフラインが全て止まり、食料も底を尽きかけている……。主人公の家族は、自力でこの困難を乗り越えようと、「がんばろう週間」と名付けて力を尽くします。

   主人公とその家族が体験したことのほとんどは、私自身の体験です。   

 怪我もなく、何とか自宅で過ごすことが出来た私の体験は、深刻な被害を受けた沿岸部の方々のそれとは比ぶべくもない些細なものですが、今後また予想されているような大きな地震が発生した時、同じように「在宅避難」をする方は大勢いるはず。そのとき、何かしらの力になればとの思いから物語にいたしました。

   震災の経験から学んだことは、困難に遭遇した時、今できることに精一杯取り組むことで、「たへんな日々」を「がんばった日々」に上書きすることもできるということでした。前ぶれもなくやってくる厄災に、《心》も備えていただけたらと願っています。           佐々木ひとみ

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 本日2月20日発売です。どうぞたくさんの方に届きますように。そして、あの日のこと、あの日からのこと、これからのことを思っていただけますように、(お)


鳥美山貴子さんからメッセージエールをいただきました!! 

2023-02-19 | 童話賞

 第62回講談社児童文学賞をご受賞し『黒紙の龍と銀色の魔術師』でデビューされた、鳥美山貴子さんに、メッセージエールをいただきました。 赤文字とクリックすると、サイトに飛びます。

 ぜひお読みください。鳥美山さんは、秋田県在住。

 デビュー作、最高におもしろくて、これからのご活躍が期待されます。

 また、これまでいただいた作家さん達のメッセージも改めて読み返し、胸熱になっています。こちらも合わせてお読みください。

 第3回の募集まであと一ヶ月を切りました。

 たくさんのご応募をお待ちしております。

          

         

 


『海よ光れ! 3.11 被災者を励ました学校新聞 』田沢五月(国土社)

2023-02-08 | スタッフ新刊・活動紹介

「海よ光れ! 3.11 被災者を励ました学校新聞」 (国土社)

       

 私の初めてのノンフィクションです。

 お話の舞台は岩手県山田町の大沢小学校。高台にある学校の校庭からは、カキやホタテの養殖いかだを浮かべた波静かな山田湾を見下ろすことができます。

 大沢小学校の自慢は、昭和63年から毎年学習発表会に披露している全校表現劇「海よ光れ」です。昔の大沢の暮らしや、明治の津波、環境保護のことなどが盛り込まれた劇は、地区全体の宝となっていました。

 そしてもう一つの大沢の人たちが誇りに思っているのは、劇にちなんで「海よ光れ」と名付けられた大沢小学校の学校新聞です。内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞していました。

 2011年3月11日、大震災が起こります。津波に襲われた大沢の人たちは大沢小学校に避難しました。地区は孤立し、ケガ人を病院へ運ぶことさえできません。津波火災も発生します。そんな中で家族の安否を心配していた児童は「明日、自分は生きていないかもしれない」とさえ思います。

 それでも、先生たちと地区の大人たちが、自分たち子どもを、必死に守ろうとしてくれてくれるのを感じて、「私たちにもできることがある」と動き出します。

 やがて、大沢のみんなに元気になってもらうための新聞づくりも始まります。

 

 当時の児童だった卒業生のみなさんがくってくれた出版記念「海よ光れ」号外のおまけ付きです。

 ぜひ、お読みください。     田沢五月

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 あと一ヶ月と少しで、ふたたび、3.11がやってきます。

 『海よ光れ!』の冒頭では、海の恵みの中で育つ子ども達の生き生きとした姿が登場します。その後の展開がわかっているため、胸が苦しくなりました。あの地震を乗り越え、今成人した子ども達の姿も、この本は伝えてくれます。ぜひお読みください。

 この本は、第8回子どものための感動ノンフィクション大賞で優良作品を受賞した作品に、加筆、改稿、改題したものです。(お)