インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

金沢四十日目

2019-06-24 17:10:09 | 季節・自然
梅雨入りしたが、金沢市内はまだ雨量はそれほどでもなく、蒸し暑い。
先月半ばに帰着してあっというまに四十日が過ぎた。
風薫る新緑の季節、五月に初めて帰沢したが、異常に暑くて参った。

五月って、昔はもっと快適だったはず。
日本の熱帯地化には驚かされている。
居住地のインドと比べても、それほど変わらないし、京都なんか、インドより暑いと感じるほどだ。
もっとも、私の言うインドとは、居住地プリーのことで、プリーは東インド・ベンガル湾沿いの比較的マイルドな気候で、四十度半ばになる内陸部に比べても、最高でも36、7度と暮らしやすい。ただし、高湿度で体感的にはもっと暑く感ぜられるが。

戻って以降、あわただしく、母の骨折入院などの事情もあって、のほほんと遊んでいられない状況だ。瀬戸内寂聴も言っておられたが、どんなに丈夫な人も米寿がひとつの節目となるようだ(母は今年九十、卒寿を迎える)。寂聴さんも、圧迫骨折で半年寝たきり、91歳からは毎年のように病気をしていると、随筆集にあった(母の骨折は大腿骨で、樹木希林の死因)。

年が年だけに、骨折で歩けなくなると、一気に弱気になるようである。母は体が丈夫でひとり暮らしを楽しんでいたため、百歳まで生きそうと楽観視していたが、やはり年には勝てない、来るべきものが来たかという感じ。

そういえば、今月六日に田辺聖子も九十一歳で亡くなられたっけ。
老化は避けられず、六十半ば近い自分も、明日のわが身と暗澹たる気持ちになる。
前回母が元気だった時に、せっせと出歩いて見たいものを見といてよかった。近場の旅行も行ける範囲で行ったし。今回は気持ち的にゆとりがないので、どこかへ行こうという気にもなれない。サイクロンの後遺症はやっと薄れつつあるが、人生の無常を感ずる今日この頃である。

そんな中せっせと読書は続けているが、田口ランディの「サンカーラ」、「ゾーンにて」(東日本大震災がテーマ)、瀬戸内寂聴の「いのち」(寂聴と親交のあった故大庭みな子と故河野多恵子の女流作家としてのさがが凄まじい)、横尾忠則の「ぶるうらんど」(死後の世界がテーマの泉鏡花文学賞受賞作品)がお薦め。

来月下旬の帰京まで週一度くらいの割で福井に見舞いに行くことになりそうだ。

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