インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

二月最終日

2018-02-28 16:44:21 | 私・家族・我が安宿
二月もやっと、終わろうとしている。
大雪が時を置いて二度、一メートルのつららや直径二センチのぼたん雪に狂喜していたが、二度目は積雪八十センチを超える豪雪になって、さすがにびっくりした。一度目は水道管凍結も半日体験していたが、バケツに水をためておいたので難なく乗り切れた。

大雪続きでさすがに疲れたが、厳寒にもかかわらず、晴れ間がのぞくと、ちょこちょこ外出していた。
繁華街にある尾山神社の節分会や(福豆四袋ゲット!)、名勝兼六園の無料開放ライトアップ(琥珀色に輝く雪釣り松の見事さに見ほれた)、美術関連展示などなど、ヴァレンタインデーには実に三十数年ぶりに現物のチョコを私淑する作家に贈った。といっても、十代や二十代の乙女じゃないし、赤やピンクのリボンのかかった派手なハート形のチョコにはためらいがあったため、意図するチョコレートが見つからなかったら、贈るのはやめようと思っていたのだが、エム座八階のヴァレンタイン特設コーナーで、モロゾフのレスペクトチョコを見つけて我が意を得たりとばかり買い求めたのだ。

茶色いリボンが小箱にかかっており、シック。中に英語であなたに敬意を表しますと書かれたメッセージ付き、チョコ一枚は薄紫のローズ型で私のテイストにぴったり。で、手作りカードを添えて贈ったというわけ。当人からは即座に礼状メールが届いた。

インドに移住してからは、ヴァレンタインといっても、日本にいないことが多く、現物のチョコを贈ることはかなわず、知人友人にはネット越しにヴァーチャル義理チョコを送信したものだ。楽天サービスでその種のカードがあるのである。

インドの夫や息子にもチョコを贈りたかったが、郵便事情が悪いのであきらめてメッセージだけにした。

それと、雪に降りこめられたおかげで、軟禁中に短編小説の題材も三つ浮かんだ。
一つは調べないと書けないのだが、金沢の図書館で見つけた文献は一冊のみ。福井の図書館だったらあるかもしれない。帰印前に今一度帰郷するつもりでいるが、その前に取材旅行のようなものを試みれたらと思っている。行く先は福井県三國市である。昔子供のころ、よく海水浴場に連れて行ってもらったっけ。といっても、海辺でなく、三國の町中、九頭竜川・河口あたりを歩いてみたいのである。

今月は雪ごもりを余儀なくされたため、本もたくさん読めた。目下外国の絵本に凝っている私だが、ほんと子供だけに独占させておくにはもったいない、アート作品としてもすぐれた出来栄えの絵本の魅力に取り憑かれてしまった。
文章をまず読んで、絵をじっくり三度ほど堪能するのが私の読み方。ルーペでのぞくと、新発見があったりで面白い。海外の文化も知れるし、異国情緒たっぷりの楽しくためになる絵本、児童ものと見下さずに、ぜひ手に取ってほしい。目からうろこ、学ばされることも多々ある。
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お気に入りの旧県庁舎

2018-02-27 15:35:34 | カルチャー(祭)・アート・本
本日は一週間ぶりに繁華街に出た。
快晴だが、やや風が強く、二ケタ台の11度の気温感はない。
広阪にあるしいのき迎賓館へ。私のお気に入りのスポットである。大正十三年(1924)創立の旧県庁舎で、大正期モダニズムあふれる建築デザインで、前庭には樹齢三百年の天然記念物物・堂型のしいの木が二本あり、格調高い外観、一階の一段降りたスペースでは月二回無料コンサートが催され、同階の両翼にある小部屋二つ(ギャラリー室)で、無料の展示も開催されている。

私は観光客に有名な21世紀美術館より、こちらのこじんまりとしたスペースの瀟洒な催しが好きで、しょっちゅう出入りしている。座席スペースもゆったりして、トイレ休憩にもいい。
21世紀美術館は観光客があふれかえり、だだっ広く展示も見にくいし、無料の催しに関しては内容もいまいち。
しいのき迎賓館のギャリースペースのほうがずっとしゃれているのだ。本日ものぞいたら、油絵展と水墨画・書画展をやっていて、小スペースながら見ごたえがあった。
大理石張りの階段を上って(踊り場の高方の壁にははステンドグラスがはめ込まれている)、二階に行くと、高級フランス料理店があり、その裏の広いスペースが全面ガラス張りになっており、金沢城の石垣を一面に見渡せて眺望抜群。いまだ残雪の残る広大な広場、その向こうに金沢城公園の石垣と、一見の価値はある絶景が開ける。春は桜、夏は青葉、秋は紅葉、冬は雪の、ピンク・緑・赤・白の移り変わりが古都ならではの美しさだ。

今日の催しについて一言。油絵のほうは日本の村の鎮守のお祭りがテーマになった鮮やかな原色を駆使したもの。普通村の風景画というと水彩の和画を思い浮かべるが、こってり原色の質感のあるエキゾチックな絵で、土の色は鮮やかなオレンジ、赤い鬼面をかぶった村人の行列や、赤い鳥居、巫女や神主、五色ののぼり、カラフルなバルーン、ヤギやキツネなど、原始的な画法のアニメチックと言えなくもない面白い絵だった。

水墨画のほうは、薄墨色のしだれ桜や、桜梅の競美など、こちらもなかなか見もの、書画も勇壮な字体あり、雅で繊細な流れるような書体ありで、筆が立つ人がうらやましくなるのはこんなときだ。風流な毛筆、ああ、自分にも書けたらなとうらやみつつ、あまりに達筆すぎて読むのに苦労した。
双の扇に水墨画をあしらい、金粉を散らした、三日月と滝、満月と波をあしらった作品も目を惹きつけた。

知人友人に毛筆の達人がいて(一人は師範免状を持ち書道教室を開催)、ああ、筆が立ったら色紙や自著にサインしたりできるほか、手紙なども風流になるのになあとわが身の才のなさが悔やまれることである。
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春の浮き浮き予感

2018-02-27 15:35:26 | 季節・自然
ここ三日ばかり高気圧の良いお天気続きで気持ちがよい。
大雪に見舞われた二月もようやく終わろうとしている。
三月はお出かけが目白押し。

初春はプチツアーも。
温泉も予定している。

なかなかブログが送れないが、また折を見て短文ながらお伝えしたい。

本日の上菊橋からの景色は、三脚カメラを据えていた人がたもとにいたほど、素晴らしかった。蒼き犀川と残雪の真白き野、彼方の純白の胡粉をまぶしたような医王山(いおうぜん)の山並み。
絶景かな、絶景かな。
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冬のタイラント補稿<戯(ざ)れうた>

2018-02-23 16:49:44 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
冬峰よ 粉砂糖まぶしつ 冷菓の如く

雪に埋もれたフォルクスワーゲン 冬眠カブトムシ

日回りて 雪変化(へんげ) 白・銀・蒼へ

雪路(みち)は 水晶ちりばめし 白道(びゃくどう)に似て

雪の魔法に溺れて スノウアディクト

チョコレートの甘きに匂い 夜更けに流れ 吾を目覚めさせ

紫蝶 夢に翔(あまが)け 幻覚の如し

ヴァレンタイン 薄紫のローズチョコ 憧れの作家に贈りて

ヴァレンタイン ラブは夫子に取り置きし 茶色いリボンのレスペクトチョコ贈る


俳号・もゆる(熾)
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初春の予兆

2018-02-22 16:28:53 | 季節・自然
残雪はまだところどころに残っているが、雪もだいぶ溶けて外出しやすくなった。
まだ寒いが、今日はいいお天気で、室内にも暖かな日差しがあふれ、絶好の外出日和、機会を逃さず連日出ずっぱりの私だ。

一昨夕は久々にサイゼリヤで独り酒、四階の窓際の席からは繁華街の広阪の通りが見渡せ、美しい夜景を肴に白ワインとパンチェッタピザ、ポテトグリル、キャベツとアンチョビのソテーを楽しんだ。これで千円弱と格安。雰囲気はいいし、すいていると、四人掛けのゆったりした席に案内されるので、大穴場である。

金沢滞在もあと五十日ほど。
滞在期限が限られているので、晴れの日は催しやプチツアー、散策など、めいっぱい動く予定だ。

今、構想中の短編小説が二つあって、そのひとつの参考資料として高浜虚子全集の小説パートを読んでいるが、すっかり虚子のファンになってしまった。句会ホトトギスの創始者で、明治期の俳聖である。句がとてもいい。短い随想とも小説ともつかぬ作品も、しみじみとあはれがあっていい。古典の教養が生きている。幼い娘を亡くした体験から、人の生のはかなさというものに思いをいたした佳品が多く、打たれる。

今年は読み書きより動くこと、旅に出たり、催しに参加したりの動の年にしたいので、ブログの投稿回数は減ると思うが、なにとぞ過去の作品をお読みいただきたい。特にインドについてが書き尽くしたといっても過言でないほど、エッセイのストックがあるし、小説作品に関しても主なものはE全集のカテゴリーにアップしたので、ぜひご一読いただきたい。

最近好評を博したのは、北陸随一の季刊文芸誌・北國文華に掲載された短編小説・映し鑑、拙ブログにアップ済みなので、ぜひご一読いただきたい。
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再び寒波

2018-02-11 15:25:42 | 季節・自然
今夜あたりから、またお天気が荒れそうな模様。
いったん雪が積もりだすと、出れなくなるので、本日は晴れ間がのぞいたのを機に図書館まで出てきたが、風が強く途中で弱い吹雪のようになって手袋を忘れた手が冷たく、体感はかなり寒かった。

またかといういささかうんざり感もあるが、つい4日前の豪雪でだいぶ免疫ができた。もう何でもこいの心境、昨日はセヴンイレヴンでパンも見つけて、売り切れないうちにと菓子パンを購入、ただ食パンはなかったし、棚の三分の一くらいしか商品がなかった。

金沢弁の雪関連用語を二つ。雪すかしと、きんかんなまなま。前語はご想像通り雪かきのこと。後語は路面凍結したつるつるの雪が固まった地面のことを指す。

二年前の冬、私はきんかんなまなまで見事にすってんころりん、その前インドで自転車と正面衝突しけがした膝をまた思いきっり打ってしまった。

幸いにも痛くても図書館に足を引きずりつつ通い続けていたら、荒療治が功を奏して二週間後には歩けるようになったのだが。

この痛い経験があるため、雪道には慎重になるが、それでもブーツの底が滑ってつるりと転びそうになってひやりとする時がある。

やっぱり、中高年者にとって雪道で転ぶと致命的なので、とにかくゆっくりそろそろ足元を慎重に運ぶしかない。

でも、大雪、面白いですよ。
そう言ったら、在郷の友人にたしなめられたのだが。
楽しんでしまったほうが勝ち。
そう思いませんか。
というわけで、厳冬をエンジョイしている。
金沢の雪景色、サイコー!
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冬のタイラント2(ざれ歌)

2018-02-10 12:22:15 | 季節・自然
英語ミサ 外人信者三十数名集う 金沢カトリック教会

モスグリーンの貫頭衣 金の十字架入りで 美しきかな法衣

聖水ふりかけ儀式 銀の杓子で恵み垂れる神父 無信者ゆえ吾傍観

聖水受けたしと思えども 無信者のためらい立ちて

日曜なれど 街往く人少なし 避寒の市民

烏(からす)も寒い 電信柱で 雪宿り

とび職人 雪中の屋根木渡し 鮮やかな芸当

おぼろ日 照るも粉雪 はらはらと

雪の饗宴 くるくる舞い踊る 白きニンフ

兼六園ライトアップ 雪吊りり松 黄金(こがね)に輝き

雪吊り松 池面に映る円錐綱の 上下対称美

雪と松 ライトに照らされ 蒼と金の幻想

雪見ティー 冷えた手カップに 温まりて

大雪に プラスチックスコップ もろく割れ

雪かき知らん顔の 集合住宅 吾もその一人

大雪の助け合い精神 はまったタイヤのお手伝い

屋根雪 山高帽子のごとく盛り上がり 七十センチ超

ドカ雪を 飽かずに眺める 窓辺の吾

瓦屋根 厚い雪嵩に けなげに耐えおり

雪の海 戸開けて 膝まですぽり

屋根瓦 重い雪に きしみ音

節分会 豆あられのごとく降り注ぎ 我先に伸びる手

兼六園ライトアップ ミニコンサートのクラシックギターの音色 琥珀に輝く雪吊り松に映えて

雪の壁 両脇に立ちふさがり 細路渡り

豪雪に 車出せず 自宅待機の弟

雪下ろし 重い使役に 家長くたくた

国道八号線 渋滞すごく 車で二晩過ごす人も

落雪 夜間に落つる どしんと威嚇音

北陸新幹線 雪に負けぬないさ 運休なく

インクレディブル 圧倒される 雪のボリューム

モンスター 暴れ狂う冬の タイラント

小型車 真白き中に消えぬ 雪の魔法

雪のファンタジー 白銀(しろがね)宇宙に 眩惑されて



熾(もゆる)=俳号


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北陸の記録的な豪雪

2018-02-08 14:44:36 | 季節・自然
みなさん、すでにニュースでご存知と思うが、我が故郷福井が記録的な大雪に見舞われている。積雪一メートル半とは、私が子供のころ体験した豪雪二メートルには達しないまでも、近年ではまさしく記録破りの豪雪、弟は車が出せず自宅待機、幸いにも徒歩五分の所にスーパーがあり、食料に困ることはなかったようだが、積雪八十五センチの金沢でもコンビニの食品棚が空になる事態が生じたように、棚はほとんど空同然の中、かろうじて手に入るものを買って帰ったらしい。
かくいう我が家でも、三日間こもっていて四日目にスーパーに行ったら、パンの棚は空で、代わりにカステラ菓子を買って帰る羽目を余儀なくされた。生鮮食品は比較的そろっていたが、もやしは前回の大雪時同様なかった。赤ワインは三本ほど残っていたので、すかさず一本に手が伸びた。厳寒時のお酒は体が温まるのである。

本日やっと晴れ間がのぞいたので、図書館まで出てみたが、雪の壁に挟まれた人が踏みしめた小道を慎重に歩いてどうにかたどり着いたが、途上何度もブーツの底が固まった雪に滑ってかろうじて転倒を免れた次第だった。

明日は高気圧が発達し晴れになるようだが、今日いっぱいは雪もありうるらしい。
今は降ってないけど、早めに帰る予定。暗くなると、足元が危うい。

いやあ、前回以上の大雪で、すごいの言葉しか出ない。
雪を楽しんでいた私もさすがに疲れてきた。

それでも、デジカメにしっかり撮った。
こんな大雪はもう見れないかと思うと、記念にと川辺や町中を撮ったのだ。
とにかく雪の嵩が半端じゃない。
いやはや、なんともすごい豪雪である。

金沢の倍近く積もった福井地区の方々にはお見舞い申し上げたい。
八号線の渋滞もひどく、車中で二泊強いられた人もいたようだ。
わが在郷の友人は雪かきでくたくたとぼやいておった。

大雪にもめげず、なんとかがんばっている。
今日は通院日だったが、キャンセルし、お掃除とお風呂、そのあと図書館まで出てきた。
事前に食料を買い込んでこもっていたので、本がたくさん読めて本日は一気に七冊返却した。

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