<4月2*日>
今夜は、待ちに待ったオディッシーダンスのリサイタルが催されるというので、早め
にヨガレッスンを済ませたあと、いそいそと午後7時の開演にあわせて中央郵便局近
くのタウンホールまで駆けつけたが、意に反して、全オリッサスクールの文化祭
で、子供中心の催し物、いわゆるダンス競技会だった。
我がスミタースタジオからも数名参加、オディッシーの特徴はその舞いの優美さばか
りでなく、装束の可憐さにもあるのだが、当州特産の素朴でカラフルな絣の短サリーに
共布のサルワール(パンツ)をまとって、銀の耳輪、太い首輪・腕輪・胴飾りで装飾
し、まげにした髪の周りを白い花飾りで覆うのである。
あでやかな晴れの舞台衣装をまとって念入りに化粧し、子供ながらも見違えるよう
に美しくなった少女たちは小さな体で大熱演、かぶりつきでカメラのシャッターを
切る私の手は止まなかった。
前日まで先生に叱咤されながらの猛練習の甲斐あって、サンバルプール地方のロー
カル色豊かなフォークダンスは見事栄冠を勝ち止めたばかりでなく、三位にも入賞
するなど二人も受賞者を出した。
チビっ子たちの白熱した競演に、会場からは拍手が鳴り止まなかった。
<4月3*日>
最近とみに思うのは、インドが豊かになったということ。私がまだ旅行者だった二十
年前は、貧しい後進国のイメージそのものだったが、いまや世界に誇るIT大国、中国
に次ぐ巨大市場として欧米はいうまでもなく、日本からも注目されている。
アウトソーシング先としてもひっぱりだこで、米英のホワイトカラーたちはインド人
に職を奪われるってんで、ストライキを起こしているほど。
息子はじめ、私の周りの若者たちを見ても、ファッションからものの考え方まで西洋
化されており、デジタルグッズ漬け。
携帯ブームの昨今は所有してないと赤面物で、私も、ヨガ教室の主婦がみな持ってい
るのに影響されて、購入を余儀なくされた。
最近、いろんな催しものに参加する機会も多いのだが、デジタルビデオカメラはごく
ポピュラーに使用され、いまだ文明開化途上にある私個人、小さなディスプレーに目
前の演技がきれいに映し出されるのを背後から半ば唖然と、興味しんしんに見守って
いるといった態。
なにせ強度のメカ音痴ときているから、これからどうやってCDに焼き付けられるの
か、ん???といった面持ち。
結婚式はじめおめでたい儀式には必ず、専門のカメラマンに依頼して一部始終を撮影
してもらうのがインドの習わしだが、ちょっと前まではビデオカセットだったのが、
いまや完全デジタル化。
そういやあ、車も、ひと昔前までは、英コロニー来のモリスオックスフォードが原型と
いわれるクラシックカー、「アンバサダー」がインドの悪路を席巻していたが、い
まや外資と提携したスマートな最新車があふれるようになった。
カルカッタ、チェンナイ(旧マドラス)、バンガロールなどのIT都市ではNRI(在外
インド人)向けの超ゴージャスマンションが続々乱立、欧米諸国での便利で優雅な
文明生活に慣れた出戻りエンジニアたちの需要にこたえるべく、ゴルフコースやプ
ール、テニスコートはおろか、医療設備やセキュリティまで完備された、ちょっと
見た目はアメリカとまったく変わらないモダンな住居が飛ぶように売れていると
か。まさしく、デベロッパー関係者は笑いが止まらないといったところ?
近年、民間の航空会社も競って市場参入。ついこの前までエアラインといったら、
「エア・インディア」か「インディアン・エアライン」の二社(現在合併進行中)
だけだったのが、いまや十数社乱立、格安航空券をネットで提供するなど、しのぎ
をけずっている。
デリーやカルカッタ空港の再構築プランも、外資の参入で行われる計画が進んでい
るところ。
グローバル・プレーヤーとして注目を浴び始めたインドの株市場はこのところうなぎ
のぼりで、外国の投資家も熱い眼差しを向けている。
ほんとインドは豊かになったなあというのが、生活者としてのしみじみした実感。
年間経済成長率、10%(現時点では8%)をめざし、勢いとどまるところを知らぬ
アジアの巨象、高齢化社会の先進国と違って、若者中心で理数に強く人的資源に恵
まれているだけに、今後のさらなる躍進が期待される。
ちなみに、いまもっともリッチなNRIとして注目されているのは、英在住の鉄鋼王、
ミタル。娘の結婚式をベルサイユ宮殿を借り切って大判振る舞いしたことでも有名。
最近、このロッテルダムベースのミタル鉄鋼がルクセンブルクのアルセロル大手鉄
鋼会社を買収せんとする動きに出ており、欧州連合から攻撃されたがどこ吹く風、
(そこはかとなくホリエモン騒動を思い起こさせるな)、世界一をひそかにもくろ
む大野心家である。
今夜は、待ちに待ったオディッシーダンスのリサイタルが催されるというので、早め
にヨガレッスンを済ませたあと、いそいそと午後7時の開演にあわせて中央郵便局近
くのタウンホールまで駆けつけたが、意に反して、全オリッサスクールの文化祭
で、子供中心の催し物、いわゆるダンス競技会だった。
我がスミタースタジオからも数名参加、オディッシーの特徴はその舞いの優美さばか
りでなく、装束の可憐さにもあるのだが、当州特産の素朴でカラフルな絣の短サリーに
共布のサルワール(パンツ)をまとって、銀の耳輪、太い首輪・腕輪・胴飾りで装飾
し、まげにした髪の周りを白い花飾りで覆うのである。
あでやかな晴れの舞台衣装をまとって念入りに化粧し、子供ながらも見違えるよう
に美しくなった少女たちは小さな体で大熱演、かぶりつきでカメラのシャッターを
切る私の手は止まなかった。
前日まで先生に叱咤されながらの猛練習の甲斐あって、サンバルプール地方のロー
カル色豊かなフォークダンスは見事栄冠を勝ち止めたばかりでなく、三位にも入賞
するなど二人も受賞者を出した。
チビっ子たちの白熱した競演に、会場からは拍手が鳴り止まなかった。
<4月3*日>
最近とみに思うのは、インドが豊かになったということ。私がまだ旅行者だった二十
年前は、貧しい後進国のイメージそのものだったが、いまや世界に誇るIT大国、中国
に次ぐ巨大市場として欧米はいうまでもなく、日本からも注目されている。
アウトソーシング先としてもひっぱりだこで、米英のホワイトカラーたちはインド人
に職を奪われるってんで、ストライキを起こしているほど。
息子はじめ、私の周りの若者たちを見ても、ファッションからものの考え方まで西洋
化されており、デジタルグッズ漬け。
携帯ブームの昨今は所有してないと赤面物で、私も、ヨガ教室の主婦がみな持ってい
るのに影響されて、購入を余儀なくされた。
最近、いろんな催しものに参加する機会も多いのだが、デジタルビデオカメラはごく
ポピュラーに使用され、いまだ文明開化途上にある私個人、小さなディスプレーに目
前の演技がきれいに映し出されるのを背後から半ば唖然と、興味しんしんに見守って
いるといった態。
なにせ強度のメカ音痴ときているから、これからどうやってCDに焼き付けられるの
か、ん???といった面持ち。
結婚式はじめおめでたい儀式には必ず、専門のカメラマンに依頼して一部始終を撮影
してもらうのがインドの習わしだが、ちょっと前まではビデオカセットだったのが、
いまや完全デジタル化。
そういやあ、車も、ひと昔前までは、英コロニー来のモリスオックスフォードが原型と
いわれるクラシックカー、「アンバサダー」がインドの悪路を席巻していたが、い
まや外資と提携したスマートな最新車があふれるようになった。
カルカッタ、チェンナイ(旧マドラス)、バンガロールなどのIT都市ではNRI(在外
インド人)向けの超ゴージャスマンションが続々乱立、欧米諸国での便利で優雅な
文明生活に慣れた出戻りエンジニアたちの需要にこたえるべく、ゴルフコースやプ
ール、テニスコートはおろか、医療設備やセキュリティまで完備された、ちょっと
見た目はアメリカとまったく変わらないモダンな住居が飛ぶように売れていると
か。まさしく、デベロッパー関係者は笑いが止まらないといったところ?
近年、民間の航空会社も競って市場参入。ついこの前までエアラインといったら、
「エア・インディア」か「インディアン・エアライン」の二社(現在合併進行中)
だけだったのが、いまや十数社乱立、格安航空券をネットで提供するなど、しのぎ
をけずっている。
デリーやカルカッタ空港の再構築プランも、外資の参入で行われる計画が進んでい
るところ。
グローバル・プレーヤーとして注目を浴び始めたインドの株市場はこのところうなぎ
のぼりで、外国の投資家も熱い眼差しを向けている。
ほんとインドは豊かになったなあというのが、生活者としてのしみじみした実感。
年間経済成長率、10%(現時点では8%)をめざし、勢いとどまるところを知らぬ
アジアの巨象、高齢化社会の先進国と違って、若者中心で理数に強く人的資源に恵
まれているだけに、今後のさらなる躍進が期待される。
ちなみに、いまもっともリッチなNRIとして注目されているのは、英在住の鉄鋼王、
ミタル。娘の結婚式をベルサイユ宮殿を借り切って大判振る舞いしたことでも有名。
最近、このロッテルダムベースのミタル鉄鋼がルクセンブルクのアルセロル大手鉄
鋼会社を買収せんとする動きに出ており、欧州連合から攻撃されたがどこ吹く風、
(そこはかとなくホリエモン騒動を思い起こさせるな)、世界一をひそかにもくろ
む大野心家である。