インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

忙中閑5/息子発つ

2011-01-29 01:50:27 | 私・家族・我が安宿
本日午後二時半の当地プリー発バンガロール行きの夜行エックスプレスで、帰
郷中だった息子サミール(日本名理秀<りしゅう>)が去った。
三週間の短期新年休暇はあっというまに過ぎてしまったが、新年パーティーを
二度堪能できたし、意外な息子の夢の打ち明け話も聞いたし、充実した日々に
なった。

        

私はちょうどデッドラインのある仕事を抱えていたため、あわただしくブログ
をゆっくり書いてる暇もなかったが、本日送り出してやっとこの原稿に向かっ
ている。
三月二十一日刊行予定の本に挿入する写真類のスキャンにおいても、手助けし
てくれたコンピューター専攻の息子だった。

                       

が、やっと送り出したと思ったら、メールアドレスに再校データ原稿が届いて
いて、息をつくまもない忙しさ、ばたばたとまた校正チェックに取り掛かって
いる。
おかげさまで、本は着々と進行しているが、帯のキャッチがなかなかいいのが浮
かばない。短くてインパクトの強いものをと思うのだが、なかなかこれという案が
出てこない。前回出版したときはすべてあなた任せで、出版社に下駄を預けていた
が、今回は自分も積極的に関わっているので、編集から校正、何から何まで自ら
行っているのだ。その分プレッシャーがかかるわけで、とりあえず再校にこぎつけ
てほっとしてはいるが、ストレスは常にあり、がゆえに食道炎も一進一退。現実
的には思い煩ってる暇がないほど忙しいので、気にはならないが、昨冬金沢の私
立病院で内科医を務める弟に診察してもらった際の胃カメラ検査書が出てきて
(探していたのだが、わが書斎は原稿用紙や資料の束に埋もれ整理整頓ができて
いないため、どこに仕舞ったものやら今日まで見つからなかったのだ)、食道裂
口ヘルニアだったことが判明、ネットで調べて、差し当たり、食生活と姿勢の改
善で快方に向かうとあって、重いものでなかったら心配要らないことがわかった。
今までは症状が出てなかったのが、仕事のストレスと原稿をタイプするときの姿
勢の悪さから、悪化したらしい。

同病は、本来なら横隔膜に隔てられている胃と食道の、胃が下部から、横隔膜を
食道が突き抜ける穴(裂口)越しにはみ出してしまう病気だ。胃の噴門が緩んで
胃酸が逆流したり、つかえ感がある。制酸剤はずっと飲み続けなければならない
らしいが、今現在私は薬が切れたこともあって中止している。
薬なしでもなんとかかんとかやり過ごしている。

当分原稿が手を離れるまで、ストレスから解放されることはなさそうだが、少し
ずつ原稿が本になる形が整っていく過程は楽しいし、わくわくする。
最終校正が終わった段階で、本ブログでも大々的に前宣伝させていただくつもり
でいる(興味のある方はぜひお買い上げくださいねー!)。
と同時に、このブログのタイトルを変更し、中身も一新したいと思っている。
これまで書いてきたような記事に加えること、創作関係、主に小説を発表してい
きたいと思っているのだ。
新たに加わるテーマは「インドで小説やエッセイを書くこと」、すなわちインド
における作家商売をメインテーマにしていきたいと思っているのである。もちろ
ん、これまでご愛読いただいた読者諸氏が急激な変化に戸惑わないように、従来
の記事も続けていくつもりだ。
というわけで、その節にはみなさま、また引き続きご愛読のほどくれぐれもよろ
しくお願い申し上げます。

何はともあれ、乞うご期待!

                                      
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インドの乞食業(銀座新聞連載エッセイ)

2011-01-28 23:07:27 | 印度の玉手箱(銀座新聞連載)
銀座新聞ニュースに最新エッセイが掲載されました。
インドの随所で見かける乞食がテーマの痛快エッセイ、
今回も注目記事ベスト10入り、4位です。
写真と併せてお楽しみください。

                                  

インドの乞食業、金貯めても家建てられず、手足切断する組織も
http://www.ginzanews.com/report/1710/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀華賞奨励賞受賞スピーチ

2011-01-26 01:44:44 | 私・家族・我が安宿
1月23日、神楽坂の日本出版クラブ記念会館で、
第7回アジア文化社・文芸思潮誌主宰の銀華文学賞授賞式が厳かに執り行われた。
拙作「虹の魔窟のブローカー」(ペンネームは李耶シャンカール)が奨励賞を受賞したため、代理として、銀座新聞ニュース主宰者の桜井勉氏に出席願い、スピーチを披露していただいた。

下記に内容をご紹介。

*   *   *

第7回銀華文学賞の小説部門において、「虹の魔窟のブローカー」で奨励賞を受
賞する栄えを賜った李耶シャンカールでございます。受賞は望外の喜びで、拙な
い作品をご選奨いただいた審査員の先生方に篤く御礼申し上げます。
また、若手偏向の文芸新人賞が席巻する中、このような年配者向けの賞を設けて
いただいたアジア文化社・文芸思潮さんにも改めて篤く御礼申し上げます。本当
にありがとうございました。

さて受賞のご挨拶かたがた、最初にわたくしどもの経歴を簡略に述べさせていた
だきますと、1987年にインドの東海岸部、ベンガル湾沿いの聖地プリーに移住し
て現地男性と結婚・出産後、外人旅行者向けの安宿を始めて23年になります。
ホテル名はラブ&ライフと申しまして、日本人をはじめとする外国人バックパッ
カー諸氏にはわりと知れ渡った老舗宿です。
これまで安宿経営の傍らライター業にも従事して参りましたが、夫姓を用いたモ
ハンティ三智江の実名ペンネームでは、現地の安宿繁盛記も一冊刊行いたしまし
た。今現在はネットメディア社、銀座新聞ニュースに「印度の玉手箱」というタ
イトルでエッセイやショートストーリーを連載しております。本日ここにわたく
しの代理として授賞式出席をご快諾くださった桜井勉氏は同ネット紙の主幹でご
ざいます。

ところで、みなさん、インドのヒンドゥ教のカースト制度については耳覚えがあ
ろうと存じますが、ちなみに、私の夫は二番目のクシャトリア、王侯・貴族・戦
士にあたるカーストです。苗字で簡単にカーストは割れてしまうのですが、姓は
州ごとに特徴があり、モハンティ姓は私の住むオリッサ州ではわりとポピュラー
で、現チーフミニスター、州の首相はパトナイクといいますが、同じカーストで
す。後年、このモハンティ姓がライターカーストでもあることを知ったときは、
納まるべきところに納まったと妙な感慨を抱いたものでした。万年文学少女の私
は小説執筆の情熱も失わず、長年インドからの投稿を続けて参りましたのです。
ちなみに、小説用のペンネーム、シャンカール姓は最上の司祭カースト、ブラー
ミンに属します。インドで今現在第一人者の聖者と崇められる、アート・オブ・
リビンング協会の主宰グル(導師)、ラビ・シャンカール師から戴いたものです。
リヤという名前のほうはベンガル女優さんの芸名でもありますが、日本人にも比
較的受け入れやすい名前と思い、拝借したものです。

さて、受賞作に話を戻しますと、実は創作に秘められた実話がございまして、そ
れを今これから披露させていただきたいと思います。
どうかみなさま、ささやかな秘話をご拝聴くださいますように。

--------------------------------------

本作品「虹の魔窟のブローカー」に登場するブローカーの親玉、作中名、アリ・
カーンの本名はヌー・モハメッドと言った。80年代後半カルカッタの安宿街サダ
ルストリートを根城に、旅行者からカメラやラジカセなどを買い上げて転売して
利ざやを稼ぐほか、キャッシュドルの闇両替にも手を染めていた。ヌーは教育は
なかったが、頭の切れる男で、ブローカー仲間に頼りとされ、親玉的存在にのし
上がっていた。
当時旅行者だった私はヌーに日本製品を売り払ったことで、親しく交わるように
なったいきさつがあった。その経緯は作品にも書いた通りだが、ブローカー連中
と知り合ったことで、私のカルカッタでの日々は思いもよらぬスリリングかつ冒
険に満ちたものとなった。

二度目に会ったとき、ヌーは結婚していたが、妻に自殺未遂を繰り返された挙句、
逃げられてしまう。私はヌーに淡い思慕の念を寄せながら、ベンガル湾沿いの聖
地プリーに南下する。そして、インド青年との恋の遍歴の末に、ホテルをオープ
ンするためのビジネスパートナーと仰ぐ3歳年下の現地男性と、永住権欲しさの
半ば打算から電撃国際結婚する。

結婚後、夫婦でカルカッタに行く機会が何度かあった。ヌーは再婚して、二児の
父親となっていた。夫は私を介してヌーと親しくなり、高級レストランでご馳走
したり、日本土産を持ち帰ったり、またその返礼にヌーが自宅に招いてチキンカ
レーをご馳走してくれたり、の交流が続いた。一度は、ヌーがプリーの私たちの
ホテルに遊びに来たこともあったが、距離的に500キロ以上と離れているだけに、
年月とともに疎遠になっていった。
次に会ったとき、ヌーはあまり元気がなかった。90年代半ばに入って市場開放の
影響でインドにも外国製品があふれるようになり、ブローカー業も行き詰ってい
るようだった。

後年カルカッタを訪ねたとき、手下のサリムから路上で呼び止められ、ヌーの容
態が思わしくないので、ぜひ見舞ってやってくれと、頼まれた。後でと私は生返
事、帰国の土産買いに奔走するあまり、ころりと忘れてそのままになってしまっ
た。いつでも会えると、心のどこかで高を括っていたのだ。
次にカルカッタに降り立ったとき、ヌーはもうこの世の人ではなかった。まだ四
十台前半の若さで夭折してしまったのだ。私の衝撃は大きく、友情といっても所
詮口先だけ、体調不良のヌーを5分かそこらも見舞ってやらなかったわが身の薄情
さを責めた。友達甲斐のない私を、ヌーはさぞかし恨んでいたことだろう。
そのときになって初めて、ヌーが前々回経済困窮から、夫に5000ルピーの借金を
所望していた事実も判明した。夫はヌーの無心は日本人妻の私には伏せて、独断
で退けていたのだ。結局のところ、夫は多数派のヒンドゥ教徒、ヌーは少数派の
イスラム教徒だった。外見上は仲良く見せかけていても、対立する宗派の間に溝
があったことは確かだ。
私は寡婦となった奥さんと二人の遺児のことが心に引っかかりながらも、直接に
援助の手を差し伸べることもなく、同地を去った。二年後、後を追うように、ネ
パール人の奥さんも他界する。私たち夫婦を手料理でもてなしてくれた素朴な奥
さんまで後を追うように逝ってしまったのだ。二人の遺児は、田舎の祖母のもと
に引き取られたと聞いた。ヌーの遺族をプリーのホテルに引き取るべきだったか
もしれないと、悔やんでも後の祭りというものだった。

不遇の人生に終わったヌーにかつて、華やかなりし時代があったこと、サダルス
トリートを威勢良く闊歩した活きのいい時代があったということを、日本の読者
に知ってもらいたくて、この作品を書いた。ヌー・モハメッドという男が確かに
この世に存在したことを限られた少数の読者にでもいい、知ってもらいたかった。
私の作品で、泣く子も黙るブローカーのドンを蘇らせたかった。それがせめても
の私の罪滅ぼしだ。奨励賞は、社会の底辺でもがきながら奮闘した故ヌー・モハ
メッドの人生そのものにふさわしい、謹んでヌーに捧げたい。

-------------------------------------

以上、拙いながら受賞の挨拶に代えさせていただきますとともに、最後に、陰で
売れないライターの私を支えてくれた夫にも感謝の言葉をささげたいと思います。
たくさんの祝辞を戴いた友人知人諸氏にも御礼申し上げます。次回はこれを励み
として、ぜひとも上位入賞を目指したいと思います。
本日はまことにありがとうございました。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙中閑4/青天の霹靂

2011-01-23 23:55:25 | 私・家族・我が安宿
昨夜、我が家のベランダで親子三人、飲み会を催した。
名目は、拙作「虹の魔窟のブローカー」(李耶シャンカール)が、
アジア文化社・文芸思潮誌の銀華文学賞の奨励賞を受賞したことの前祝いである。
(本日が神楽坂の出版クラブ記念会館での授賞式で、インド在住のわが代理とし
て、銀座新聞ニュース主宰者、桜井勉氏が出席してくださり、スピーチ原稿を読
み上げてくれたはず)。

             

ささやかな賞とはいえ、息子も大いに喜んでくれた。
お酒が入るにつれ、サミールは饒舌になり、父が席を外した頃合を見計らって、
母の私に、意外な夢を打ち明けた。
青天の霹靂の打ち明け話に、私は口をあんぐり。
コンピューターエンジニアの道を進むものと思っていただけに、さすがに意表を
つかれた。
なんと、音楽の道に進みたいというのである。
確かに息子はミュージック愛好家だが、今の若者はみなそうだし、あくまで趣味
の域を出ないと思っていたのだ。
IT専攻中のバンガロールでは時折、クラブなどでパーフォーマンスを披露して、
出演代金までもらっているらしい。

しかし、ミュージシャンとは……!?
いったい、誰の血を受け継いだものだろう。日本の家族には思い当たる節がない
し、唯一遠い親戚にわりと有名なチェロ奏者がいるけど、クラシックだし、息子
はラップだ。インドのファミリーにも音楽に進んだ者はいそうもない。
広範に考えると、アーチストということだから、文学を目指す私の血だろうか。
息子は文章も上手で、寄宿舎時代、よく褒められたりしていたのだ。
若いころならともかくも、今現在私はミュージックにはとんと興味がないため、
意外さを禁じえなかった。

                        

とりあえず、その場は話を聞くだけに終わったが、翌朝、夢を追求することはい
いけど、勉強をおろそかにしないよう、オーソドックスな親としての警告を発し、
ミュージシャンは不安定な職業で浮き沈みが激しいので、安定した就職先として
はエンジニアがベストなことを示唆した。今は一回出演料5000ルピー、日本円に
して一万近くもらっているらしいが、ギャランティはない。仕事が来なくなった
ら、パーである。やはり、エンジニアとしての経済的に確立した職業をもったう
えでの、ミュージックの夢を追う、二足のわらじが一番だ。とにかく経済的に確
立してないことには、資本主義社会、にっちもさっちもいかないのだから。
息子もそれはわかっているようで、真剣にキャリアのことは考えているようだ。
お金より精神的充実感と息子は言うが、先立つものがないことには、今の世の中、
渡っていけない。

         

ミュージシャンとはまた難しい道を選んだものだと、急に心配になってしまった。
夢を抱くのはいいが、職業としては不安定だし、成功している音楽家はごくわず
かだ。どうも現実味がない、地に足が着いていないような気がする。息子なりに、
相当真剣に考えているらしいが、まだ社会経験を積んでないから、どうしても甘
い部分がある。
さしあたってはエンジニアとしてのキャリアを進め、お金が溜まったら、ミュー
ジックとコンピューターをコンバインして何かビジネスを始めたらどうかともア
ドバイスした。

それにしても、父がこのことを知ったら、なんと言うだろう。短気性だけに、さ
ぞかし怒り狂うことはいうまでもない。
その辺はとくと心得ているものとみえ、父には話さないでくれと、緘口令を敷か
れた。
まあまだ、卒業までには一年半ある。
じっくり時間をかけて考えるよう、諭した。
息子自身は音楽が自分の道と思っているようだが、これから先別の選択肢が出て
こないとも限らないし、手に技術を持つのはいいことなので、コンピューターの
みならず、たとえばヨガとか、就職口として活かせそうで自分が興味を持つこと
ならなんでもトライするよう、言い聞かせる。手にいくつも技術を持っていると、
やはり就職には有利だからだ。

               

しかし、結局のところ、息子といえども、彼の人生だ。
自分がやりたいと思うことをやるのが一番と知っていても、親としてはお金に
不自由してもらいたくないと思ってしまう。安定した就職先を求めてほしいとい
うのは、親にしてみれば当然のこと。

それはさておき、このたびの打ち明け話に、成人をひとつ超えた息子も少しずつ、
私の手の届かない所に飛び立とうとしていることかもしれないと、少し寂しく
なった次第だった。

         
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙中閑3/ちゃんぽん酒

2011-01-23 23:07:36 | 私・家族・我が安宿
相変わらずあわただしい日々が続いているが、昨夜は八時半から、我が家の三階
のベランダで飲み会を催した。
ちょうど息子が帰郷中で、冷蔵庫に太陽ラベルのSulaの白ワインが眠っていたた
め、彼が勉学中の南インド・バンガロールに戻る日も5日後に迫っていることだし、
忙中閑を縫ってパーティーとしゃれ込んだのだ。

                         

スラの白ワインは初めて飲んだが、リッチでフルーティー、おいしかった。
これまで愛飲していたインデージュ(Indage)社のヴィン・バレット(Vin Ballet)
の白に優るとも劣らぬ美味で感激した。ヴィン・バレットはなぜか、入手不可に
なってしまったのである。インドの王室ご用達の伝統も、近年競って国内ワイン
会社が参入しているため、売れ行きが芳しくないのかもしれない。昔ながらのコ
ルクワインで、味は悪くないし、300ルピーちょっとと安かったのだが、残念。

スラは当オリッサ州では500ルピー、日本円にして900円と格安物価のインドでは
高級酒だが、美味。赤も悪くないが、白のほうがずっとおいしい。
西の浜のケーキ屋さん、モンギニスご用達のピュア・チョコレートケーキとよく
合った。
息子サミールは白ワインを飲むのはこれが初めてだったが、赤党の彼もおいしい
を連発していた。ワイングラスが進み、親子三人で飲むと、あっというまに空い
てしまい、物足りないので、昨クリスマス時1000ルピーはたいて購入した高級シャ
ンパンもこの際だから開けてしまおうということになった。

                               

コルク栓を抑えている鋼を慎重にはずすと、ぱかあんといい音がして、コルクが
飛んだ。
思わずハッピーニューイヤー!の歓呼が出た。
初詣がてら、州都ブバネシュワール途上の日蓮宗の平和の仏塔に親子三人でお参
り、そのとき赤ワインで乾杯したが、我が家でゆっくりリラックスしての二度め
の新年パーティーである。

しかし、シャンパンはまずかった。
よくボトルを振らなかったため、フィズが残っており、辛くていまいち。
スラの銘柄は、ワインに限るようだ。
インドでシャンパンを飲むのはこれでわずか二度目だが、最初は二十年も昔、旅
行者にオファーされてのこと。そのときはおいしく感ぜられたのに、スラのはど
うやら甘みが足りないようだ。
瓶が重いので、まずい割にはたくさんあるなと、減らなかったらどうしようと憂
慮していたら、すぐ空いてしまった。ざる底だったわけ。

                                       

1000ルピーの価値はない祝い酒だったが、我が家では初めて購入したということ
もあって、一度くらいは試飲という意味でもよかったと思う。
しかし、まずいシャンパンのせいで、舌に名残るせっかくの美味な白ワイン味が
消されてしまったことは確かだ。

やっぱり、三人だと、白二本か、赤二本に限るとしみじみ思った。
でも、白ワインはおいしかったので、当地でも手に入るようになった今、病み付
きになりそうだ。
一回500ルピーが飛んでくわけだから、そうしょっちゅうというわけにはいかない
が。

ところで、父子は午前中、reebokブランドのTシャツを買いに出かけ、二枚買
うと二枚フリーになるという特典付きのを買って戻ったが、1800ルピーも散在、
1ヶ日本円にして800円、吉祥寺に行けば、もっと品質のいいのをこれより安く買
えるのになあと内心私は惜しがったばかり。二枚買うと二枚フリーなんていかにも
得のようなふれこみだが、ちっとも安くない。ブランド物で高級品ということもあ
ろうが、一品の単価がやけに高いのである。たかがTシャツに500ルピー近くもはた
くのは、インドでは限られた人種だけだ。
ほんと衣類はデフレの日本のほうがずっと安い。
息子が戻ると、何かと物入りである。

                           

おかげさまで、ベンガル湾沿いの聖地プリーのわが安宿、ラブ&ライフは満員。
短期休暇で息子とともに過ごす日々もあと5日しか残されていないと思うと、ま、
いいかと、ついつい甘くなってしまう親ばかの私であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インドでメディア失墜(銀座新聞連載エッセイ)

2011-01-19 01:48:39 | 印度の玉手箱(銀座新聞連載)
銀座新聞ニュースに最新エッセイが掲載されました。
昨年後半発覚して物議をかもしたメディア汚染をテーマに取り上げました。
インドのジャーナリスト気質についても併せて記しました。ご一読ください。

インドでメディア失墜、閣僚人事に「貢献」したアンカー
http://www.ginzanews.com/report/1701/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

格安自費出版情報

2011-01-18 02:37:23 | その他
銀座新聞ニュース(株式会社銀座コミュニケーションズ)
http://www.ginzanews.com/

がこのたび、自費出版部門に進出することになりました。
大手で出すと、250万以上かかるところを、三分の一の費用と格安で自費出版で
きて大変お得です。お支払いも分割払いが可能。
ご注文なさりたい方は、下記のメールアドレスまでお知らせください。

allginza@gmail.com    
(編集責任者・桜井まで)

                         


●----------------------------------------------●

自費出版の注文を受け付けています。原稿がすでにあるけど、出版に悩んでいる
方、原稿を書きたいけどどうしたらいいのかわからない方、編集、装丁、印刷製
本の専門集団で自費出版に関するご相談に応じます。費用は大手の半値程度と大
幅に安くしています。
また、子孫へ贈る言葉(動画、DVD)の注文も受け付けています。録画から編集を
経て1枚のDVDに仕上げます。原稿を書くのは苦手だが、映像で子孫に語り継ぎた
いという方に最適です。

まずはallginza@gmail.comまで「自費出版」、「動画」
とタイトルに記載して、希望する内容を書いてメールをお送りください。

●----------------------------------------------●
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベンガル湾季節便り/サンセット日和

2011-01-18 01:44:19 | 季節・自然
昨夕、久々にお目見えしたベンガル湾の落日があまりに壮麗だったので、本日も
忙中閑を見つけて、浜に出た。
五時過ぎに出れば、十分間に合うくらい日も幾分長くなったようだ。
満潮で傾斜状になった波打ち際を、西の渚の上に沈みつつある入日目指して歩い
ていった。淡いオレンジ色の強い光輝を発していた落日は徐々に赤みを増して、
熟れた夏みかんのような大ぶりの実を下空にうがつ。
サフラン色の太陽が波打ち際に見事な円形を描いて映し出される。
汀が愛らしい桜色にきらめく。
珊瑚色の太陽は時々刻々と、灰黒色のもやに浸されていったが、空気の澄み渡っ
た冬季で落日日和、地平線ぎりぎりまで楽しませてくれた。
海はくすんだ青緑色、水平線に灰色の大船が一艘出ているのが、目を引いた。
当地プリーはここ二、三日、暖かめで、重ね着をすると汗ばむほどだが、朝晩ま
だまだ冷え込むので、体温調節が難しい。一枚脱ぐと、肌寒いし、重ね着すると、
暑い。毛布も、一枚はだけると、寒いし、重ねると、暑い。

                             

日が沈んだ後、東側に逆戻りする私の頭上に、満月にやや欠けた白い月が浮かん
でいた。
ついこの間までマカラ・サンクラティといって、ガンジス川の沐浴祭りだったが、
今日の浜はすでに人出は少なかった。その分、欧米人旅行者の姿が目立つ昨今で
ある。わが安宿ラブ&ライフも外国人旅行者でにぎわっている。

                                     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙中閑2/息子とお出かけ

2011-01-18 01:12:42 | 私・家族・我が安宿
デッドラインのある仕事を抱えている上に、南インドのバンガロールから大学院
生の息子が戻って超多忙になってしまい、ブログを書く暇がなくなってしまった。
今日やっと、閑を見つけてご報告。
浜にも出れない日々が出ていたが、昨日今日と、壮麗なベンガル湾の夕日を仰ぎ、
溜まっていたストレスが少し解消された。

今日は忙中閑を見つけて、ジーンズやシューズがほしいという息子のショッピン
グにも付き合った。あちこちの店に引っ張りまわされた挙句、西の浜のご用達
ケーキ屋・モンギニスに寄って、戻ったのが午後八時過ぎ。
息子はバーガー、父はフィッシュカツレツ、私はピュア・チョコレートケーキの
おやつを頂く。モンギニスのピュア・チョコケーキは1ケ20ルピーもするが、
こってりチョコ味で美味、病み付きになってしまった。息子は同じチョコケーキ
でも、フォレストケーキといって、白クリームミックスタイプが好きなのだが、
私がおいしいと言うので、今回はピュアチョコにトライ。
このほかウオルナッツ、くるみ入りのパウンドケーキ、チョコビスケット、プ
ディングと大枚買い込んで、戻った。

                 

ケーキを堪能した後、パソコンに向かったら、ネットがまたしても接続不可に。
ペイが切れた昨日、200ルピー払ったばっかりなのに、どういうこと? 夫越し
にプロバイダーに電話をかけて確かめてもらうと、昨日払ったばかりの200ルピー
がたった1日でパーになってしまったことがわかった。犯人は愚息である。ユー
チューブで一時間あまりも音楽を聴いたため、200ルピーが一日にして飛んでし
まったのだった。
唖然とする私。
息子が南インドで勉学中は、私自身がパソコンで音楽を聴くことはめったにない
ため、ネット代も持ちがいいが、息子が戻ると、朝から晩までネット三昧のため、
ものすごい勢いで浪費されるのである。
PCで音楽は聴かないよう強く諭した次第。

                         

そうそう、時間が後先になったが、先般12日には親子三人で車で一時間半の丘の
上にある日蓮宗の平和ストゥーパーを背景に催されたマーシャルアート・フェス
ティバルにも行って来た。遅ればせながら、息子含めての新年会のつもりで、剣
などの古来の伝統武器を操るダンスの催しが終わった後、持参した赤ワインとパ
ウンドケーキで乾杯した。Sulaの赤ワインは、先の帰国時持ち帰ったオーストラ
リア産ワインに比べると、甘みが足りなかったようで、息子には今ひとつのよう
だった。
妙法寺のライトに浮かび上がる幻想的な円蓋がムード満点で、石段をあがると、
仏陀の石像が祀られていた。三人で神妙にお参り、まあ、いわば初詣のようなもん
かなと、新年を親子そろってめでたく迎えられたことに感謝。

ばたばたとあわただしい日々が続くが、合間を縫ってご報告。

                                 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

油と糖分で生活習慣病(銀座新聞連載エッセイ)

2011-01-08 01:40:05 | 印度の玉手箱(銀座新聞連載)
銀座新聞ニュースに最新エッセイが掲載されました。

インドでは死因の第一位は心臓病。
経済発展で生活習慣病が蔓延しつつある近年、糖尿病患者は5000万人にものぼります。
病気に見る国民性をテーマに書いてみました。
今回は注目記事ベスト10のなんとトップ!です。
ぜひご一読ください。

油と糖分で生活病に苦しむインド人、20代夫婦で糖尿病も
http://ginzanews.com/report/1700

                                   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする