インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

オリヤの新年を祝う聖餐会

2007-04-22 22:17:16 | 宗教・儀式
<4月1*日>
今日はいつも通っているセンターで、旧暦のオリヤの新年、バイシャキを祝う聖餐
会が催された。
寺院に特別注文したありがたい神様のお食事、プラサッドをみなでいただくのであ
る。
会場には、センターの設けられた立派なビルの最上階ペントハウス、オーナーの豪
邸が提供された。

私は純白のサルワールカミーズ、長い丈の上衣とパンツのペアで午後6時半にセン
ターへ。門前で待ち構えていた男性インストラクター、マノウジに6階のオーナー
宅まで案内された。初めて中に招待されたが、お城のように立派な造り。やっぱ
り、インドのネオリッチは違う。三十代後半のこのオーナー、今インドでブームの
リテイルビジネス、ショピングセンターを経営しており、同じ敷地内にあるゴージ
ャスなレジデンシャルコンプレックスも所有しているようだ。

ジムメンバーの女性陣は、冷房付きの一室で雑談に興じていた。ヨガメンバーは私
たった一人。日本や西洋諸国とちがって、ヨガはインドではからきし人気がないの
である。子供か病人くらいで、現在いるメンバーは私のほかに、呼吸器系統に問題
のある17、8歳の男性一人、あとは4歳からはじまって12、3歳の子供ばかり。教室
も当初は前のビル内でジムメンバーと入り乱れて共有していたが、いつとはなし後
方のベースメントに追いやられ、掃除の行き届かない冷房未完備のうらびれた室内
でひっそり少人数でエキササイズという日々を余儀なくされているのだ(存続の危
機に危ぶまれる昨今)。
                  

それとなく数えてみると、ジムメンバーは17人も集っていた。衰退する一方のヨガ
と比べ、今ブームのジムは若い女性に大人気なのである。うち一人は初期からのメ
ンバーで一面識があったため久々の再会に現地語で懐かしげに挨拶、遅れて顔を出
した頑健そのもののジムの女教師とも顔見知りだったので、挨拶を交し合った。
ジムの男性陣は会席の場となる屋上で待機しているらしい。いまだに保守的なお国
柄のインドは、こうした席でも、男女別々なのである。

8時前にやっと屋上に案内されたが、デザートのミルクベースのスウイートがなか
なか届かず、待っている時間を利用して、しりとり歌合戦が始まった。ヒンディ映
画のミュージカル場面に使われるポピュラーなソングが、三グループに分かれて競
い始めた女性たちの口から朗々と放たれる。私は、TVでおなじみの聞き覚えのある
歌に手拍子を送りながら、傍観者としてエンジョイさせてもらった。

                      

みな、スパンコール、銀糸金糸の刺繍のあるカラフルなサリーやサルワールカミー
ズ姿で、白一色の私はさすがに目立った。白というのは、実は葬儀のときや、未亡
人のまとうタブーの色でもあるのだが、女優さんはみなあえて挑戦してるし、宗教
的な儀式でも着用されるので、あえてこの色を選んだのである。夏季の白はなんと
いってもおしゃれだし、アシュラムのヨガメート、ブラジャの店で買ったおニュー
のペアは全体に精妙な刺繍が施されており、美しい(といいつつ、悦にいっていた
のは自分だけ、おめでたい席に白なんて、実はひんしゅくを買っていた?やっぱノ
ミター先生の結婚式のとき着て行った、ぱっと人目を引くターコイズブルー地に花
柄の華やかなものにすべきだったかとちと後悔)。

30分後、待ちかねた会食が始まった。円座に座ったメンバーの前に、バナナの葉っ
ぱが次々に敷かれていく。
ライスは普通の白と、赤飯二種、甘味のあるドライダルに野菜カレー二種、パイナ
ップルを煮詰めた甘ったるいチャツネ、さすが寺院の特別菜食はおいしい。日ごろ
刺激の強い現地食が苦手の私も、辛くない美味なテンプル食は大好物。インドの
人々は何か特別な催し時には必ずプラサッド会食を出すので、いまやすっかりおな
じみとなった感あり。
最後は、しょうが入りミルクを甘ったるく煮詰めたデザート、「キール」で、これ
は子どもたちの大好物。
お代わり自由のため、つい欲張って、ヨガメートの少年二人ともどもおなかいっぱ
いになるまで食べてしまった私だった。

                               

コメント
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