胸にひびく鐘の音

2007-12-20 19:05:57 | ・大好き☆建築あれこれ
一昨日のことなのですが、早稲田大学芸術学校の公開講座で、建築家であり東大大学院教授でいらっしゃる内藤廣さんのお話しがあって伺ってきました。内藤さんは今年グッドデザイン審査委員長に就任、建築家では坂倉準三さん以来だそうです。近年、関東で手がけられた建物は゛ちひろ美術館゛や゛みなとみらい馬車道駅゛や大きな暖簾が印象的なミッドタウンのとらやなどがあります。木造の魅力を引き出した杉の板材を使った日向市駅や高知駅舎のプロジェクトも進行中です。

いろいろとたくさん、とにかく熱く語ってくださった内藤さんでした。将来、自分は地方の故郷でがんばって仕事したいという言う学生さんに対して、よいことを教えてあげようと最後におっしゃいました。

地方で頑張っている建築家はいますよ。
昔、早稲田の佐藤先生がお弟子さんの宮本ただながさんに言ったそうです。
゛君は地の塩になれ゛ と。
宮本さんは尊敬するその先生の重い言葉を一生胸に刻んで、どこでもない生まれ故郷を立てなおすべく、長野で頑張ってお仕事されています。
塩は大事ですよ。

私は締めくくりにとてもよいお話が伺えて、「きゃぁ また佐藤さんに会えたわ。」と、胸を熱くして、帰りのバスを待っていたのです。そして乗ろうとしたとき、ちょうど、ふわぁっと鐘の音が聞こえてきたのです。大隈講堂の鐘です。大隈講堂は佐藤さんが設計しました。

そのやさしい音色は、まるで 「お疲れ様、お気をつけてお帰り。」とでも言ってくれたようで、佐藤さんの心に触れて、私はとてもうれしかったのです。うれしかったのです。

今回はこのことを書いておきたかったのです。