わずか12.5cm(カチューシャの耳は含まず)と言うサイズでここまで完璧に創作された球体関節人形に出会ったことがない。今回、アップした「うさぎ少女」と言うこの作品〝このサイズでどこまで完璧な造形を極めることが出来るのか”と言う姿勢と挑戦が伺える。唇、唇の廻りの頬の膨らみ、僅か1mm程の指の質感と手足、緻密な衣装、極めつけは虚ろな半眼。言葉で語る必要もないが、どの角度から眺めても完璧な作品である。
球体関節人形「うさぎ少女」を見つめていると作家の感性と思いが深く伝わってくる。それは、何気なく歩いているいつもの場所に、突然張り巡らされた蜘蛛の巣のように顔面に絡みついてくる。その絡みつく思いは、とても細く見えない霞のようでもあり、ぼんやりと風に流され遠ざかってゆく真っ白な儚さのようでもある。
Metro Gallery IIDA
photo Haruhi
Haruhiさんのブログからの抜粋
可愛らしい想像上のうさぎというより、獣としての匂いのするうさぎの少女にしたいと思いました。
けれど、わたしは少女ではなくてなんとなく未熟児のように感じています。
その目に世界が写っているのか
その耳に音が届いているのか
その手足で何を探しているのか
その全てがこの子の外側からはわからなくても
確かに弱々しくても呼吸をしている
人形作家 Haruhi