メトロギャラリー飯田 Metro Gallery Iida

夢と覚醒の隙間のギャラリー

小林まる イラスト展「バラック」

2017-04-27 21:02:47 | 絵画

Maru Kobayashi -Barracks- Metro Gallery IIDA
メトロギャラリー飯田では、小林まる イラスト展「バラック」を開催しています。表題作「なんでもない日おめでと」「芋虫」を始め、「そのキでは届かん」など繊細に描かれた線と鮮やかな面、色彩で構成された大型作品7点を展示しています。異世界の住人たちの宴を是非ご観覧下さい。

 





Metro Gallery IIDA web 
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/kobayashi.maru1.html


正村もと奈 追悼展 1989-2016 Memorial painting exhibition

2017-01-10 04:10:25 | 絵画

     上作品名 生きるために

正村もと奈 追悼展
Motona Masamura 1989-2016 11/24
 Memorial painting exhibition
南信州の若手による作品展、若造展が開催されています。
 飯田市創造館 01/07~01/22
若手アーティスト、飯田創造館の協力のもと、27歳の若さにて亡くなった正村もと奈の追悼展を同時開催しています。多くの方に足を運んでいただければ幸いです。

主   催 :長野県飯田創造館 長野県飯田市小伝馬町1-3541-1 
日時・期間 :2017/01/07~2017/01/22
             Open AM 10:00~PM 6:00
場   所 :長野県飯田市小伝馬町1-3541-1   
連 絡 先 :TEL  0265-52-0333 
ア ク セ ス:JR上飯田駅より徒歩5分・飯田ICより車で20分
入場無料

追悼 正村もと奈 1989-2016        
メトロギャラリー飯田 久保田弘実

2016年11月24日 木曜日、50年に一度と言われる積雪の日に、正村もと奈が永眠しました。
 日に日に強まる、胸が押し潰されそうな感傷を抑えつつ、今ここにこうして書いている文章を隣にいるもと奈ちゃんに見せて「どう?もと奈ちゃん、こんな感じでいいかなー」と語っている自分がいるような気がします。

 もと奈ちゃんと出会ったのは当時17歳、今から10年前です。それから10年間、男女年齢を超えた場所を共に歩いて来ました。日本では全く知られていないアート、音楽、映画、小説、ファッションを貪るように追及してきました。それは南米・東欧文学にはじまり、世界中の文学、イギリスのショウスタジオにおける最新ファッション。ハンガリー、ポーランド、ロシア映画、小説家ではスティーブ・エリクソン、ガルシア・マルケス、ホセ・ドノソ、アートではフランスのオリビエ・デ・サガザン、アメリカのエドワード・キーンホルツ、特にギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロス、映像においてはブラザーズクエイの作品をとても愛していました。それが、もと奈ちゃんと僕の世界でした。誰ひとり入ることが許されないサンクチュアリだったかと思います。

 もと奈ちゃんの追悼展なのに、今はもと奈ちゃんの作品を客観的に語ることができません。この空虚感と喪失感と哀しみ、未だ醒めない夢の中で記憶という足枷をひきずりながら靄のかかった場所、真っ白なヌケガラと色彩の無い境界線を彷徨っているような気がします。とめどもなく溢れる追憶と涙の海を漂い、オールのない小舟が岸辺にたどり着いたとき、もと奈ちゃんの画集を制作しようと思っています。それがもと奈ちゃんにしてあげられる僕の些細な微力です。その時、皆様のお力を拝借できれば大変嬉しく思います。

 今回、追悼展を企画してくださった、小林まる君、上林恭平君、若造展の皆さん、創造館の館長さん並びに皆様には深く感謝しています。本当にありがとうございました。

 最後に、世界各地から僕宛に多くのアーティストから追悼文が寄せられています。
ソ連時代、反逆してアメリカに亡命した現代美術家 ミハイル・グービンさん、世界中のアートを教えてくれたメキシコのファッションデザイナー ダニロ・ローレンノさん、スペインのアーティスト ロセンダさん、フランス ギャラリーラ・ケイブの主要メンバー エルさん、今年、飯田人形劇場で公演予定・デンマークの人形舞踏家・スヴェンドさん、日本では絵師・花山ダンゴさん、トニオさん等。皆、彼女の作品を愛してくれました。




正村もと奈ホームページ
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/MotonaMasamura..html


Asuka Eoイラスト展「Crawl into the silence」

2016-12-15 22:36:13 | 絵画

Asuka Eoイラスト展「Crawl into the silence」
メトロギャラリー飯田では東京在住のアーティスト Asuka Eoイラスト展「Crawl into the silence」を開催しています。緻密な表題作「かささぎのいる木 Tree of Magpie」をはじめ「雨の庭 _ Rain Garden 」等、円形木板に描かれたイラスト7点を展示しています。是非ご鑑賞ください。
日時・期間 :2016/11/25~2017/01/31
PM 13:00~AM2:00
主    催 :メトロギャラリー飯田 入場無料
場    所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス :JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分
 

http://www7.plala.or.jp/karaokecity/eoasuka.html







【プロフィール】 Asuka Eo
東京都出身のイラストレーター、デザイナー。欧州との繋がりを活かして国内外で作品を発表。モノクロームの作品を、墨などを用いてアナログの手法で描く。

画歴
2011年に小説の表紙を担当したことをきっかけに、2014年までに国内で個展を開き、フランスでのグループ展・エクスポに参加。2015年のイタリアでのメディア掲載、プロダクト製作販売等を経て、2016年は引き続きプロダクト販売を行いつつ、交友のある女性シンガーやピアノポップスバンドへイラストを提供。

完成した作品はすまし顔でも、それを描く過程には、自分の中の静けさに潜ってゆく時間がある。
その静けさの中で頭の中からそっと取り出したものを、「Crawl into the silence」で描いた。

「芸術は独自の表現言語を作ること、その蓄積から独自の体系を生み出すこと、そしてその拡張から独自の世界を自律的に構築すること」
展示作品の製作に取り組み始めてすぐ、慶応義塾大学の先輩であり、日本とニューヨークで活動するアーティスト、大山エンリコオサム氏の言葉に出会った。

出来るだけ自分の形をした表現言語を、crawl into the silenceを繰り返しながら、今作ろうとしている。
「Crawl into the silence」は、そのような繰り返しの中で生み出すべき体系を、探し出すために与えられた一歩だ。                                                                           Asuka Eo
 



 


ツノカケ ミサキ 展 ーなかみをのぞくー

2016-09-21 15:49:29 | 絵画

メトロギャラリー飯田では多摩美出身のアーティスト・ツノカケ ミサキ展「なかみをのぞく」を開催しています。銅版画の大作「化けて出てやる」「行進」を始め、色彩色豊かなアクリル・鉛筆画で描かれた表題作「耳鳴り」「胸騒ぎ」等、計13点を展示しています。是非、お気軽にお越しください。


主   催 :メトロギャラリー飯田
日時・期間 :2016/05/23~2016/07/20
             Open PM 13:00~AM2:00
場   所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分
入場無料
メトロギャラリー飯田web ツノカケ ミサキ 展
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/tsunokake.misaki.html

ツノカケミサキ
【作家経歴】
1991 年生まれ。多摩美術大学絵画学科版画専攻卒業。
主な賞歴に第17 回三菱商事アート・ゲート・プログラム入選。
南アルプスミニチュア版画展・入選。第81回版画展・入選など。
地元岩手で暮らしつつ、都内中心に活動しております。


カ―ラ・オクシア アート作品展 Khara Oxier Art Exhibitionn       メトロギャラリー飯田

2015-11-28 19:33:47 | 絵画

カ―ラ・オクシア アート作品展 Khara Oxier Art Exhibitionn
 メトロギャラリー飯田では、アメリカ在住のアーティスト.カ―ラ・オクシア作品展を開催しています。表題作・詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローと口論をはじめ計7点を展示しています。近年、世界各地にて活動の範囲を広げている新進気鋭のアーティストです。最近では、デンマーク・コペンハーゲンのオックホルムギャラリー(Oxholm Gallery 2015/11月)にて作品展を開催。メトロギャラリー飯田が日本における初の開催場所となります。お気軽にお越しください。

主   催 :メトロギャラリー飯田
日時・期間 :2015/12/01~2016/02/05
             Open PM 13:00~AM2:00
場   所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分
 入場無料
メトロギャラリー飯田 カ―ラ・オクシア アート作品展
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/khara.oxier.html


Khara Oxier 1979.9月生まれ アイダホ州 コードウェル在住
米国海兵隊、満期除隊
アメリカのアイダホ州ボイシ州立大学人類学部
カーラ オクシアは南西アイダホ州コードウェルの自然を愛する独学の画家です。
カーラは、自分自身の内面を投影するために絵画を始めた。
彼女は、自己を構成するためのプロセス(戦争、政治、文化、生活、別離)に焦点を定め、絵画を通して人生という意味を探究している。


カ―ラ・オクシアWeb
http://www.kharaoxier.com/


正村もと奈 イラスト展「But beautiful」

2015-04-24 19:07:42 | 絵画

Motona Masamura Art work Exhibition
メトロギャラリー飯田では地元在住のアーティスト 正村もと奈 イラスト展「But beautiful」を開催しています。日々繰り返される現実と空想世界を織り交ぜ、緻密に描いた絵日記的作品6点、表題作「急降下」、闇夜に浮かぶ風景作品「Nightscape」シリーズ4点、異世界生物、心象風景、ビンテージ看板等の作品を7点、計18作品を展示しています。お気軽にお越しください。

 日時・期間 :2015/04/23~06/23
 PM 13:00~AM2:00(土・日・月)
PM 20:00~AM 2:00(火~木)
 主    催 :メトロギャラリー飯田 入場無料
 場    所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
 連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分



正村もと奈の描くイラストはとても乾いている。湿度も、風もない。空気もないし人も存在しない。宵闇が運ぶ気だるい匂いさえも失われた、荒涼と寂寞が交差する真空の世界。
そこに存在する光景なのに僕らには辿り着くことができない。きっと入ることさえ許されないだろう。
そこは、照りつける夏の日差しさえ、真っ黒に掻き消す正村もと奈の心の世界なのだ。
                                               メトロギャラリー飯田



正村もと奈 イラスト展「But beautiful」・メトロギャラリーHP
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/MotonaMasamura..html


鈴木慧美 Keimi Suzuki Paper Art Collection 2015 in 長野

2015-02-19 20:36:00 | 絵画

メトロギャラリー飯田では 現代アーティスト 鈴木慧美(Suzuki Keimi)の水彩画展を開催しています。ロールシャッハテストのようなシンメトリーと鮮やかな色彩をお楽しみ下さい。

日時・期間 :2015/02/20〜04/19
PM 13:00〜AM2:00(土・日・月)
PM 20:00〜AM 2:00(火〜木)
 主    催 :メトロギャラリー飯田 入場無料
 場    所 :長野県飯田市知久町2−1 カラオケシティメトロポリス1F   
 連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
 ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分

プロフィール
鈴木慧美 Suzuki Keimi (1970年 横浜生まれ)
武蔵野美術大学中退 水墨画の中国画人・王偉義のもとに学ぶ
その後各地で個展・グループ展等開催

2014 個展 :岐阜市 希望社ギャラリー
:京都市 Nitro スペースプロジェクト
:ドイツ・ベルリン
ARTconcept DEN paper art collection’14選抜アーティスト
2015 : ベルリン市 ジャパン・フェスティバル出展
現在は静岡県熱海市にアトリエを構え制作活動を行っている

メトロギャラリー飯田HP

http://www7.plala.or.jp/karaokecity/keimi.suzuki.html


絵師 花山ダンゴ展 ~ 妖怪たちが騒ぐので ~

2014-11-26 17:45:41 | 絵画

絵師 花山ダンゴ展 ~ 妖怪たちが騒ぐので ~
Dango Hanayama Exhibition ~Because Yokai is fussing~

メトロギャラリー飯田では、奈良県在住のアーティスト 花山ダンゴ展~妖怪たちが騒ぐので~を開催しています。百鬼夜行をモチーフに和紙に描かれた極彩色豊かな妖怪たちの作品11点を展示しています。鮮やかな色彩の乱舞と、画の中から今にも飛び出しざわめく奇々怪々な妖怪たちに圧倒されます。是非、ご観覧下さい。

主   催 :メトロギャラリー飯田
Open  PM 13:00~AM2:00(土・日・月) PM 20:00~AM 2:00(火~木)
日時・期間 :2014/11/24~2015/01/25
場   所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分
             入場無料

 




花山ダンゴ 略歴

安土桃山時代の作風を追求した織部焼を研究している。なお、独自に下絵で描く色絵陶器も研究中。精霊やイキモノたちをモチーフにした造形作品も手掛ける。食器作りでは、現代の生活にも使いやすく安全で機能的な陶器作りを目指している。
特に色絵は、絵付けのあと透明釉を施釉。その後1200度以上の高温で焼成するため絵付けがガラスコーティングされる。そのため下絵付けは、上絵付けと比べ絵付け絵具の重金属等の毒素の流出を最小限に抑えることが可能である。また絵柄が保護され、通常の食器洗いをされても美しさを長く保つことが可能である。

2009年 病気を患い、静養のため陶芸を休止。
2011年から和紙や木の板に絵を描きはじめる。
静養を続けながら、現在まで絵の創作を行っている。
グループ展
2012年3月 イタリア ボローニャ国際絵本見本市 ブース出展。
2013年6月 東京 新川 ギャラリーはね 
         「ボローニャのたまご展」
2014年5月 東京 早稲田 ドラードギャラリー
        「手のひらサイズのアート展 」  
     07月 東京 新川 ギャラリーはね 「ボローニャのたまご展」
     11月 東京 早稲田 ドラードギャラリー「第4回創作者展」
     11月 京都 御寺泉湧寺 鎌倉 建長寺 「観〇光展」


Metro Gallery IIDA
Dango Hanayama Exhibition ~Because Yokai is fussing~
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/hanayama.dango.html


第47回 山本武夫個展 ~人間賛歌~

2014-09-24 17:38:55 | 絵画

第47回 山本武夫個展 ~人間賛歌~

日時・期間 :10月2日(木)~7日(火)AM10:00~PM7:00(最終日PM6:00)
主   催 :長野県飯田創造館
場   所 :長野県飯田市小伝馬町1-3541-1   
連 絡 先 :TEL 0265--52-0333
ア ク セ ス:JR飯田桜町駅より徒歩5分・飯田ICより車で20分
              入場無料

本当の傑作とは、弱い者に寄り添う心と、観る人の心に響く作品ではないのか。芸術が生きる喜びを歌うためのものだから。そのことが試される今展の新作であります。油彩約40点、デッサン約20点、是非皆様のご来場お待ち致しております。                     山本武夫

 

権威に抗う反逆の画家 山本武夫 ~弱き者への讃歌~

 「悲しみの記憶は弱者への共感を生む」山本武夫

  世界の人口は約71億人、71億人の資産のうち36億人分の資産を最富裕層85人が保有している。反面、22億の人々が劣悪な環境の中で生活を強いられ、8億4200万の人々が飢えに苦しんでいる。ここ日本においても貧困層が猛スピードで拡大し、世界は新たなる戦争への脅威に晒されている。この現況はもはや対岸の火事ではない。
 この状況下において弱者の誰もが叫びたいのではないだろうか。しかし、叫びなど届かないという諦念の境地に晒され、沈黙するか、見て見ぬふりをするしか選択の余地がない現在、半世紀以上にもわたり叫び続けている一人の画家がいる。それが、山本武夫だ。
 画家・山本武夫に出会った人は分かるだろうが、物事の本質や核心をはっきりと言う強いイメージがあるかと思う。しかし、それは感情の防御という仮面を観ているに過ぎない。防御の仮面を剥いだ山本は、荒涼とした丘にぽつんと1人取り残され、哀しみに暮れる光景に抗うことさえできない道化の少年だ。

 47回目を迎える個展の詳細を知ったのは一年前だ。
「久保田さん、今度やる親父の個展、今までのような売り絵ではなく好きに描かせてやりたいんだ」と同じく画家である息子の山本拓也が言った。
 確かに今回の作品群は売り絵という足枷が外され、武夫自身の無垢とも言うべき剥きだしの本音が作品に表われている。それはまるで山本武夫と言う名前を借りた道化の少年が、心の奥底に潜む人間の儚さ、哀しさ、弱さを、画を通して代弁しているかのようだ。道化少年の原点は食べることさえままならなかった戦時下の日本にある。画業50周年を記念して出版(2010年)された画集のあとがきにこう書かれている。「戦争という人災と、それに伴う飢餓と格闘した国民の苦悩は、当時子供だった僕の記憶に鮮明だ。戦争を始めた為政者の多くが自戒もなく憎い。戦争が生み出した貧困の陰で、父母たちの別居とその後の母の突然の死、当時13歳だった」

 あと僅かで戦後70年、世界、いやこの日本でも得体の知れない不穏な空気が流れだしている。ある意味冷戦以後の分岐点だ。そしてこの分岐点が、より多くの弱者や犠牲者を産み落とすことになるだろう。この妙な空気に、鋭敏な感性を備えた道化少年の憂いは止まない。だから激しくキャンバスに向かって絵筆を打ち鳴らし表現するのだ。それは奇跡といってもいい表現方法であり、観る人の心に、そして多くの弱き者の心に響き渡るだろう。

 私がインターネット上で交流するヨーロッパのアーティスト達は、山本武夫の作品を高く評価している。山本武夫が残す絵画の軌跡を、いずれ歴史が証明するだろうし、歴史そのものがその名を刻むことだろう。その時には、山本武夫も私も死んでいるかも知れない。だがその後も永遠に、山本武夫は画を介して語り続ける。

「何かを失った人の心に惹かれる。いつも心が震えているような人に・・・。本当の傑作とは、弱い者に寄り添う心と、観る人の心に響く作品ではないのか。芸術が生きる喜びを歌うためのものだから」
 それが山本武夫の本音のやさしさであり、道化の少年が奏でる人間賛歌なのだ。
                                                 メトロギャラリー 久保田弘実

http://www7.plala.or.jp/karaokecity/yamamoto.takeo..html


康花美術館にて裸婦変容‐詞・死と乙女が開催されました。

2014-04-10 02:28:02 | 絵画

光と闇 魂と生命を描いた夭折の画家 須藤康花
長野県松本市の康花美術館にて裸婦変容‐詞・死と乙女が開催されました。
期間は2014/04/05~06/29になります。



須藤 康花(Yasuka Sudo 1978-2009)

闇の中で
僅かな洩れる明かりを
浴びた世界は美しい
光は物を語る
音を作り、匂いを、
空気を、香りを
多くの雑念を、煩悩を生み出す
しかし闇はそれらを遮断する
音もない、音楽もない
厳格で恐怖に満ちた世界
一切の言葉を失った世界
        
        須藤 康花

こんな詩を読んでしまったら私の言葉なんて無意味です。メトロギャラリー飯田

詳細は康花美術館 webにて
http://yasukamuseum.web.fc2.com/


 生頼範義 THE ILLUSTRATOR ‐奇跡を体感せよ‐ 終了に寄せて。メトロギャラリー飯田

2014-03-24 04:19:41 | 絵画

イラストレーター生頼範義(Noriyoshi Ohrai)の名前を知らなくても、生頼範義のイラストは誰しもが必ずどこかで目にしている。それは、幼い頃に通った銭湯であったり、破れかけた街角の映画ポスターであったり、今は無き商店街の中の小さな本屋さんであったり・・・。
スターウォーズやゴジラのポスターに始まり映画、書籍装丁画など国際的に活躍するイラストレーター・美術家・生頼範義の企画展(半世紀をかけ描かれた数千点に及ぶ作品郡の中から厳選された300点展示)が昨日終了した。場所が宮崎(みやざきアートセンター)と言うこともあり現地には赴けなかったが、生範義展-THE ILLUSTRATOR-図録を送付していただいた。図録が手元に届いた時には驚愕した。図録と言ってもただの図録ではない。完全なる永久保存版美術書(160Pオールカラー)である。まずカヴァーの両面印刷、カヴァーの裏側に(サンサーラ/ Samsara/1989年)が一面に印刷されている。そして、表表紙と裏表紙には女神・ミューズの緻密なデッサンが印刷されていることには大変驚かされる。本編はチャプター1、宮本武蔵に始まりスターウォーズ、SFアドベンチャー、ゴジラ、チャプター2、戦史、戦記、平井和正、吉川英治、小松左京などの装丁画と数多くのイラストで構成されており、庵野秀明、大友克洋、加藤直之、寺田克也、樋口真嗣など現在の日本文化を代表する各界の著名人たちがコメントを寄せている。これだけの作品をレイアウトするだけでもさぞ苦労されたのではないかと思う。


                     カヴァー

                    表表紙裏




                     裏表紙の裏

                               カヴァー裏全面

 今回この生頼範義 THE ILLUSTRATOR -奇跡を体感せよ‐企画と図録をプロデュースしたのはみやざきアートセンターの石田達也さんだ。石田さんは2年前、センター長就任と同時にこの企画展を切望した。そして昨日展覧会が完結した。都心ならいざ知らず一地方でこれだけ大規模な展覧会を企画すると言うことは、さぞ行き詰まりと苦労の連続だったのではないかと想像する。しかし、この先今回の企画展が大きなうねりとなり、全国巡回展と生頼範義美術館の設立へと導いて行くのではないかと思わずにいられない。その時は是非足を運び、この目で奇跡を体感したいと思う。   
                                                                     Metro Gallery IIDA




上 私が最も敬愛するイラストレーター加藤直之さんのサイン・オマージュ素描
下 ゴジラなどの監督 樋口真嗣さんのサイン



  細胞の不思議な配色を思えば、どんな宇宙の色があってもおかしくない。
                                             生頼範義(Noriyoshi Ohrai)

みやざきアートセンター 生頼範義展 HP
http://ohrai.net/


三間美和 銅版画展「夜のにおいノアール」 メトロギャラリー飯田

2013-10-01 22:21:55 | 絵画

メトロギャラリー飯田では三間美和 銅版画展「夜のにおいノアール」を開催しています。表題作「知人」を始め緻密に描かれた版画作品 9点余りを展示しています。銅版画作家 三間美和の溶け出した宵闇の世界をご観覧下さい。店内ではポストカードも販売しています。お気軽にお越し下さい。

日時・期間: 2013/11/28~11/28
       OPEN PM1:00~AM1:00
主   催: メトロギャラリー飯田
場   所: 長野県飯田市知久町2-1(カラオケシティメトロポリス内)   
       tel0265-52-3719
ア ク セ ス:飯田駅より徒歩10分・飯田インターより車で15分






三間美和 銅版画展に寄せて
「夜のにおい ノアール」
日が沈みだした頃、透きとおった空気のなかに、田んぼの水のにおい、草を刈った青々としたにおい、稲が実りはじめた香ばしいにおい、実りの幸福のなかにある冬の近づく不安恐れが、混ざりあいながら夜がやってきます。一日の終わりにどんなところにいても夜がやってきます。
都会の喧騒でも、森のなか、水のなかでも、一日の出来事と次にくる期待と不安を漂わせながら、黒「ノアール」にとけだして。
学生のころ夜と黒の表現に悩んでいました。いろんな画材を使うも私の思っている黒は表現できないのです。
ただ黒く塗るではだめなのです。黒のなかにはたくさんの表情があります。
ゆらぎ、奥行き…透き通るようなベールをまといながらも、近いのか深いのかわからず手を伸ばせば転げ落ちてしまいそうな黒。
そんな時銅版画に出会いました。銅版画からは、夜と水のにおいがしました。それからどんなテーマのものも「夜と水」を思い出しながら少しづつ制作してきました。今回の展示では、はじめての制作した作品から心境の変化、思い入れのあった作品を中心にしました。ノアール(黒)がつれてきた「夜のにおい」をお楽しみください。ノアール noir [フランス語で黒・闇]
                                                         銅版画作家 三間 美和

メトロギャラリーホームページ
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/miwa..mitsuma.html
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/sub2.html


人形トニオ展 「WOMON~ウーモン~」 メトロギャラリー飯田

2013-07-27 00:07:39 | 絵画

メトロギャラリー飯田では、人形トニオ展 「WOMON~ウーモン~」球体関節人形を製作してきたTONIO(トニオ)の作品、素描8点、造形5点を展示しています。トロギャラリー展示記念と致しまして人形作家トニオさんの目玉アクセサリー作品(ブローチ、リング、ネックレス1,300円~2,000円)を特別に格安販売しています。是非、お越し下さい!

日時・期間:2013/07/20~09/20
       OPEN PM1:00~AM1:00
主   催:メトロギャラリー飯田(カラオケシティメトロポリス内)
場   所:長野県飯田市知久町2-1   
      tel0265-52-3719
ア ク セ ス:飯田駅より徒歩10分・飯田インターより車で15分






球体関節人形を製作してきたTONIO(トニオ)による、女という生き物への敬愛と悲哀を込めた作品群。人生の大半で血を流す女性器・命の出入り口としての女性器.強固な意志で侵入を拒絶する女性器を表現。
展示タイトルWOMONは、1997年イギリス映画プリーチング(Preaching to the Perverted)での女性のセリフ
「私はWOMANじゃない、私はWOMON。男は誘わない」から。      
                                   人形作家 トニオ(東京在住)

インドでは無残で残酷なレイプが日常茶飯事に行われている。21世紀の現在、未だ存続するカースト制度により、多くのレイプ事件が政府や警察によって黙認されている。先般も6歳から11歳の姉妹3人がレイプ、殺害された後、農場の井戸に遺棄されていたと言う。頻繁に起こるこう言った事件が果して階級制度と言う名のもとで許されてよいものだろうか。真の法治国家であるならば決して許されるものではないし、女性の地位や尊厳が守られなければ、本当の意味での文明国家たりえないのではないだろうか。今回展示の人形トニオの作品はそう話しかけているようでならない。       メトロギャラリー飯田

人形トニオ展 「WOMON~ウーモン~」hp
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/doll.tonio..html


孤高の画家・山本弘 遺作展Ⅱ ― 額縁の中の深淵 ― メトロギャラリー飯田

2013-02-28 19:53:41 | 絵画

メトロギャラリー飯田では、自らの魂を引き換えに情熱をキャンバスに叩きつけた弧高の画家・山本弘 遺作展を開催しています。東京・銀座での遺作展以来でしょうか。
ゴッホやモジリア―ニ同様古今東西、時間を超越して存在する画というものがある。山本弘の絵画もそのひとつだ。生と死の狭間の中で心の葛藤に苦しみ、もがきながらも絵画に全てを捧げ死を選ぶしかなかった孤独な天才。(1951年自殺)
自らが放つ閃光が眩しすぎて、深淵の闇で静かに瞼を塞いでいた幻の秘蔵作品(1956年~1958年・自画像、人物画、ひろわれた少年、ひざまずく男と飛ぶ鳥等)8点余りを公開しています。

日時・期間 :2013/03/19~05/10
       OPEN  PM1:00~AM1:00
主   催 :メトロギャラリー飯田 Metro Gallery Iida
場   所 :長野県飯田市知久町2-1 カラオケシティメトロポリス1F   
連 絡 先 :TEL 0265-52-3719
ア ク セ ス:JR飯田駅より徒歩10分・飯田ICより車で20分
             入場無料
山本 弘 Hiroshi Yamamoto Web
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/hiroshi.yamamoto..html






山本 弘 Hiroshi Yamamoto 1930~1981
ウィキペディア (Wikipedia) より
1930年6月15日、長野県下伊那郡神稲村(現豊丘村)に生まれる。まもなく父親について長野県飯田市へ転居する。1945年予科練に入ると言って上京するが入隊しなかった模様で、帰郷してまもなく終戦を迎える。戦後ヒロポン中毒に苦しみ、何度も自殺未遂を繰り返す。
帝国美術学校(現武蔵野美術大学)に入学するが中退。中央線沿線に住み、池田龍雄らと付き合う。菊華女子高校で開かれた第1回杉並文化展に出品する。20歳代早いころ飯田市へ帰る。日本アンデパンダン展等に出品する。相変わらず何度も自殺未遂を繰り返す。
34歳で結婚、以後アルコール中毒に苦しみながら油彩を制作し続ける。飯田市で何度も個展を開く。40歳代後半、2度アル中治療のため飯田病院へ入院するが完治に至らず。最後に1年余の入院から退院後まもなく自殺する。1981年7月15日、51歳だった。
 
死後、飯田市立美術博物館に50点余収蔵される。また美術評論家の針生一郎に絶賛され、東京都京橋の東邦画廊で遺作展を繰り返し、瀬木慎一、ワシオトシヒコ等美術評論家より高い評価を受ける。その後、銀座や日本橋の兜屋画廊、77ギャラリー、ギャラリー汲美で個展を開いている。