メトロギャラリー飯田 Metro Gallery Iida

夢と覚醒の隙間のギャラリー

「トリノの馬 The Turin Horse」タル・べーラ Béla Tarrの新作 2012年イメージフォーラムにて公開

2011-08-11 22:08:42 | 映画

全編、長回しの連続とモノクロームで映像美を追求するハンガリーの鬼才タル・べーラの新作「トリノの馬」が2012年イメージフォーラムにて公開される。長回しであることを忘れさせてしまうほどの長回し。「ヴェルクマイスターハーモニー」「倫敦から来た男」に引き続きとても楽しみにしている。パルフィ・ジョルジの「タクシデルミア・ある剥製師の遺言」などハンガリー映画が今現在、最もクールなのではないかと思う。やはり列強諸国に囲まれ翻弄された長い歴史と鬱積したエネルギーが創造に向かわせているから面白いのだ。





第61回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞および国際批評家連盟賞を受賞した本作は、タル・ベーラ監督が自身最後の作品と公言している渾身の一本。。「トリノの馬」The Turin Horse Béla Tarrは辺境の荒野の一軒家に住む片腕が不自由な老人と、彼を介護する娘が、やがて食料も水も絶えて埋没していく様子を、ほとんど科白なしに描いている。最初に倒れるのは犀のようにがっちりした老農耕馬、かつては彼らを街まで運ぶ力があったが、衰えていく。ひたすら吹き捲くる強風の轟音と舞い立つ土煙がモノクロ画面を支配する。
  粗末な農家で繰り返される非日常的な日常に奇妙な緊張感がみなぎる。ニーチェの晩年の小品がモチーフらしい。哲学者ニーチェはイタリアのトリノで発狂して、その後の著作はほとんどない。正気の沙汰とは思えないが、アナクロニズムも厭わぬ自然主義的描写がSFXや3Dを圧倒する。
第61回ベルリン国際映画祭レポート―松島利行―より抜粋
月刊シネマグランプリ―Film Critics 50 http://cinemagpx.jp/

            ヴェルクマイスターハーモニー

「この映画は私にとって単なる物語以上の意味がある。永遠の衝突について―本能的な未開の文明化を巡る数百年の争い―全東欧のニ世紀を決定付けた歴史的経緯に関する作品である。・・・タル・ベーラ」
原作 ハンガリー人作家クラスホルカイ・ラースローの小説「抵抗の憂鬱」
主演 ヤーノシュ ラルス・ルドルフ
ドイツの未公開映画 トムティクヴァ監督の傑作「プリンセス アンド ウォリアー」にて精神病患者役を好演している。http://www.bitters.co.jp/werck/index.html

       倫敦から来た男 原作:ジョルジュ・シムノン


長回しと言えばギリシャのテオ・アンゲロプロス。「第三の翼」はいつ公開するのだろうか?エレニ・カラインドルーの美しい音楽とアンゲロプロスの映像美!早く観たいです!! Metro Gallery
エレニ・カラインドルーの美しい音楽
http://www.mygreek.fm/el/video-clip/4053/I-skoni-tou-hronou
Ελένη Καραΐνδρου-The Dust of Time Music for the film by Theo Angelopoulos
この音楽と映像だけで鳥肌物です!

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CHET ZAR(アーティスト) 今秋公開の映画「PRIEST」プリーストのクリーチャーデザイン

2011-07-12 03:38:45 | 映画

CHET ZAR(アーティスト) 今秋公開の映画「PRIEST」プリーストのクリーチャーデザイン
CHET ZARはカリフォルニア州・1967年生まれのアーティスト。絵画、映画のメイキャップアート及びクリーチャーデザイン、デジタルアニメーション、多ジャンルにて活躍するアメリカのアーティストである。「ダークマン」「ヘルボーイ」など数多くの映画のデザイン・クリーチャーのプロップなども手掛けている。
やはり素晴らしいのは「TOOL」のミュージッククリップのデザインではないでしょうか!
父親のJAMES ZARも幻想的な絵画を手掛けている著名な画家である。   Metro Gallery



               Hellboy2

Chet Zar WEB
http://www.chetzar.com/

Toolのミュージッククリップはどれを観ても凄いです!
        Tool - Schism Video (2001)

http://www.youtube.com/watch?v=UhjG47gtMCo

         Tool - Parabola Video (2002)

http://www.youtube.com/watch?v=LgzEVCAlNn4


百鬼どんどろ・岡本芳一の映画「人形のいる風景~ドキュメント・オブ・百鬼どんどろ~」「VEIN~静脈~」

2011-06-20 00:49:08 | 映画

百鬼どんどろ・岡本芳一の映画「人形のいる風景~ドキュメント・オブ・百鬼どんどろ~」「VEIN~静脈~」が7月2日(土)から「渋谷アップリンクX」にて公開される。
監督・撮影・構成・編集: 渡邊世紀

岡本芳一・百鬼どんどろ
等身大人形と己の肉体を遣い、幻想的な情念の世界を繰り広げる独自の舞台表現の確立

 私が岡本芳一百鬼どんどろに初めて出会ったのは、二十数年前の初夏の夕暮れだった。たまたまジュースを買いに外に出た時、飯田文化会館の前がライトアップされていたので「何?」と思い見にいった。そこに、等身体の人形を抱えた白塗りの岡本芳一が立っていた。暫くしてカセットテープをポンと押し演目が始まった。観客は子供連れの家族2組と私一人。こういった人形劇を見慣れていない家族連れは五分程過ぎた頃立ち去った。観客は私一人。その頃、演目というより、人形の黒子としてただ舞っていたような気がする。額から流れ落ちる白い汗。無駄のないふくははぎの筋肉と足さばき。そして人形との一体感。凄まじかった。世界の全ての時が岡本芳一に傾いているような空間だった。終了後、アングラ劇、舞踊のことなど話したと思う。荷車を引いての6年間の旅芸人生活にピリオドを打ち、伊那谷に定住したばかりだった。
 その後、2.3回観にいった。初めて観た時のさざなみが立つような艶めかしさを私個人として感じることはできなかったが、やがて有名になり国内公演はもとより海外公演なども数多くこなしている。海外での評価も高く、1994年にはカンヌ国際人形劇祭最優秀賞を受賞している。また、ベルリン映画祭 国際批評家連盟賞を受賞した21世紀の罪と罰「へヴンズスト―リー」にも出演している。髄異形成症候群にて昨年永眠。享年62歳だった。           Metro Gallery

2011年7月2日(土)~22日(金)渋谷アップリンクXにて
連日21:00からレイトショー!!

「映し出されるのは、あなた自身の心」
人形演劇界において世界各国で高い評価を受ける岡本芳一が、
自らの舞台演目を、さらなる新しい表現として開花させた。
それが、「百鬼どんどろ」製作唯一の映像作品にして、
遺作となった映画「VEIN-静脈-」である。

台詞が全くなく、人形アニメでも3Dでもなく、舞台の記録映像でもない、
人形と演者が映画の登場人物としてドラマを紡ぐ、今までになかった、
新しい「映画」である。
そこに刻まれたのは
一人の表現者が己の運命を受け入れていくかのようにも見える
「極限の愛と痛みの物語」である。    VEIN~静脈~より抜粋

百鬼どんどろ・岡本芳一HP
http://www.yumehina.net/dondoro/index.htm

VEIN~静脈~
http://vein-dondoro.jimdo.com/