未来への扉

人それぞれに生きた証・生き様があり、それは自己・他者へのメッセージとなります。

『小さな国の大いなる知恵』より(その2)

2015-09-10 00:13:40 | イロコイ族
 『小さな国の大いなる知恵』(著者はイロコイ族の語り部ポーラ・アンダーウッド女史、翻訳は星川淳氏、翔永社刊)より。

 この本にはイロコイ連邦オナイダ族族長スケナンドア(シェナンドア)(1706年~1816年)と合衆国建国の父の一人ベンジャミン・フランクリン(1706年~1790年)(政治家、物理学者)の友情の物語や、建国当時のアメリカとイロコイ族の関係について書かれています。

※アメリカ合衆国憲法にはイロコイ族の精神が反映されているそうです。



 【スケナンドアの歌】

 (P18)

 こうして
 われら年長者たちがときに
 彼らの村々へ出かけていった。
 年長者たちの目当ては
 学ぶ意欲のある人間だったのだが
 目星をつけられた多くはごく年若い者たちだった。
 わが民の目的は
 彼らのやり方を変えさせることではなく
 ある種の物事に目を向けてもらいさえすればよかった。
 われらは考えたのだ
 もし彼らがみずから正しい問いを問えば
 子どもたちの子どもたちの子どもたちが
 その答えとともに、より良く生きられるかもしれぬ、と―。
 そんなことから
 われらはここかしこで
 見込みのありそうな者たちに何くれとなく問いを向け
 辛抱強く答えを待った。

 こうして目星をつけられた者たちの名は
 その多くが忘れられてしまった。
 だが、まだ記憶されている者もいる。
 一人はサミュエル・アダムズ(1722年~1803年)(政治家、著作家、政治哲学者、合衆国建国の父の一人)
 そしてそのいとこジョン・アダムズ(1735年~1826年)(政治家、初代副大統領(任期:1789年~1797年)第2代大統領(任期:1797年~1801年)、合衆国建国の父の一人)の妻、アビゲイル(1744年~1818年)。
 われらの女が一人でかけて
 幼いアビゲイルが遊ぶ裏庭にすわり込み
 物語をきかせては
 質問をしたものだ。
 ものわかりのいい子どもなら
 一度質問するだけでよい。
 問いはその者の中で生き続ける
 長いあいだ……まことに長いあいだ。



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