未来への扉

人それぞれに生きた証・生き様があり、それは自己・他者へのメッセージとなります。

遺された言葉

2012-05-17 23:24:30 | コメント
 先日、お世話になった方(Aさん)の一周忌が過ぎましたので、お宅にお伺いしてお線香をあげさせて頂きました。

 Aさんは、理想の父親像のよき見本であり、男の中の男でした。これらの言葉は決してお世辞ではありません。現代では珍しく、男としての風格がある方でした。非常に残念に思います。
 


 苦しい闘病生活の最期に死期を悟られたのでしょうか、Aさんはご家族に手紙を遺されたそうです。
 その逞しい風貌からは想像しにくいのですが、細やかな気配りをされる方でした。

 そこに何が書かれていたのかは、詳しく存じあげませんが、ご家族のことを気にかけている内容だったと聞きました。まだお子さんは未成年なのです。
 亡くなられたことはとても悲しいことなのですが、唯一の救いがあるとするならば、Aさんがご家族に言葉を伝え遺されたことだと思います。
 私の父のようにそれが出来ずに亡くなられる方が大勢いるからです。



 ここ数年、今までお世話になった方のお通夜に参列する場合、「この方がご家族に伝え遺したいことは何だろう」と問いかけを行うようになりました。

 その時感じたこと、それはほとんどの場合、ご家族に対する感謝の気持ち、そしてご家族の身を案じる気持ちです。

 そのことをご遺族に伝えたことはありません(自分の心に思い浮かんだだけなので)。
 しかし、上手にそのことを伝えられれば、ご家族の悲しみは少し癒されるかもしれません。



 人は誰もが死を迎えます。死は避けられません。
 そう考えると、Aさんがご自身で手紙(メッセージ)を書き遺されたということは、素晴らしいことだと思います。



 Aさんの魂はいつもご家族のことをいつも見守っていると思います。
 Aさんのご冥福をお祈り申し上げます。