未来への扉

人それぞれに生きた証・生き様があり、それは自己・他者へのメッセージとなります。

『一万年の旅路』より(その22)

2013-10-31 23:55:55 | イロコイ族
 『一万年の旅路-ネイティヴ・アメリカンの口承史-』((ポーラ・アンダーウッド(著)、星川淳(訳)、翔泳社刊))より。



 【美しい湖】

 (P437)

 それまでにも、自分たちの言葉を後生大事にするあまり、ほかの言葉は雑音としか聞けない民に少なからず出会っていた。またそういう民は、どんなにもっともな理由があっても、自分たち以外のものごとの理解のしかたをなかなか認めようとしない。自分たち以外の道には学びも、知恵も、いかなる価値も認めないのである。
 われらはこれまで一度たりとも、そのような一族であったためしはない。


 

 【多くの学び】

 (P460)

 「いざ、両方の道の知恵を心にとどめよう」
 だれかが言った。
 「たしかに<古
(いにしえ)の道>は辛抱強く心を向けるに値するけれど、存続も大切だ」
 彼は続けた。
 「ならば一族を守り、激しいもみあいに耐える者たちも尊重に値する。彼らも同じくらい、<古の道>を守ることに役立つわけだから。いざ、知恵をもとう」
 彼はこう言葉を結んだ。
 「両方の道を尊ぶ知恵を。その両方に価値を認めたうえで、折々に、いまはどちらが適切な道か考えることを忘れまい」
 われら、そのような知恵をもちたいもの。いざ、それぞれの道を尊重しよう。注意深い目で、二つの釣り合いをとろうではないか。
 さあれかし。




※一つひとつの【エピソード】の中で語られる【教訓(知恵)】を一部ご紹介していますが、エピソードについては割愛させて頂きます。
 エピソードと教訓のセットで一つひとつの物語が成り立っていますので、なぜ教訓が得られたのかを説明するエピソードが無いと片落ち状態です。
 興味のある方は、是非この書籍をご購入して読んで頂きたいと思っています。

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