「運命じゃない人」

典型的なお人好しのサラリーマン宮田武（中村靖日）は、結婚を前提にマンションを購入した
矢先、恋人あゆみ（板谷由夏）に去られてしまう。ある晩彼は、親友で私立探偵の神田
（山中聡）に呼び出され、レストランへと向かう。神田はいつまでもあゆみを忘れられない
宮田を叱咤すると、その場で宮田のためにと女の子をナンパしてみせる。その女、真紀
（霧島れいか）はちょうど婚約者と別れ今夜の泊まる家もなく途方に暮れているところだった。
そこで宮田は自分の家に泊まるようすすめ、２人で帰宅する。ところがそこへ、置きっぱなしの
荷物を取りに来た、とあゆみが突然現われて・・。


ひゃ～、これはすごい！
ここまで上手く話が繋がってるとは！
巧い！
たった一晩の出来事を、ここまで見事に描き出し
それも一人の視点ではなくて、複数の人物の視点で・・というのは天晴れ。
よくぞこんなに巧く繋げられたもんだって、感心しちゃいました。

派手さはなかったものの、本当にすごい脚本と演出。
それにこの役者さんたちがまた良いんだなぁ。
メジャーじゃない方たちばかりでしたが、宮田なんてもう
この彼（中村靖日）しかいないんじゃ・・と思えるくらいピッタリだったです。
この宮田って言う男、本当にいいやつだったなぁ～。
こういう男の人がもてるようにならないとなぁ・・なんて思っちゃった。

それに見事な繋がりと、う～～んそうだったのか～！ってこと
だけじゃなくて、宮田と神田の友情が良かったなぁ。
神田は私立探偵やってるだけあって、きっといろんな場面に
遭遇しただろうし、宮田と比べるまでもなく処世術にも長けてたし
でも、友達思いのところは誰にも負けないくらいで・・やっぱり良いやつ。

この２人の友情がしっかりあって、女って怖ろしい？ってところも
ちょっとあったのかな。
あと組長の演技もなかなかナイス♪　山下規介が演じてたんですが
彼、なんだかものすっごく久々に見たような気がします。

こういう、そうだったのか～！という映画にありがちな、すごいこと
なにか特別なことがあるわけではなく、大ドンデン返し、みたいなものが
あるわけではないのに、すごいわ～と思わせてくれる映画。
登場人物の行動がみんなすごく自然なんですよね～。
ちょっと妙？なんて思うところすらなくて
全くもって見事としか言いようがなかったです。

「アフタースクール」を見たときに　多くの方がこの前作が
良かったから「アフタースクール」も期待した・・ってことだったんですが
それ、わかります。これ見てから「アフタースクール」のことを考えると
あれは“狙った”感じがしたし、自然なところもあったけど
やっぱり“どんでん返し”だったな、と。
この映画はそうじゃなくって、行動理由がみんな自然なんだもん。
この“自然さ”に打ち勝つのは大変だろうなぁと思います。

この映画も、“そうだったんだ～”、は勿論いっぱいあるんですが
綿密に作られてるんだけど、いかにも作りましたってところが
ないんですよね～。
なんかこれ以上感想書いても、同じようなことしか
書けそうにないので、このあたりで終わりにします(^^ゞ

あ、そうそう、人間って面白い、って思えたりもしました～＾＾
個人的お気に入り度4/5

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