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みち草・・・・神経系

2013-03-26 09:00:00 | colloidナノ
白質の脂質

1812年に、ヴォークランは、白質のほうが灰白質よりも脂質が多いことを認めていた。

白質中のこの過剰の脂質は、そこでの有機繊維の含量が高いことを反映したもので、事実、シュヴァンが指摘したように、それが外見白く見えることの原因である。

ミエリンには、現在、もともとトウデイクムによって発見されたスフィンゴミエリンとセレブロシドと遊離の形の(エステル化されていない)コレステロールを含めて、いくつかの特徴的な脂質が含まれていることが知られている。

事実、これらの脂質は、髄鞘物質の化学的性質を明確にするために多くのことを果たしたR.J.ロシターと彼の協同研究者によって「ミエリン脂質」と名づけられた。

有髄繊維でみられる、きわめて効率の高い神経のインパルスの「跳躍」型の伝導に必要な絶縁は、ほとんど間違いなく髄鞘中のこれらの特別な脂質成分に依存しているのであろう。

これらの物質の物理的性質が神経の活動に最高に重要であるというトウデイクムの考えは、実際予言的なものであった。

ミエリンの物理的性質は、最近C.W.M.アダムズによって再び強調されたが、彼は、正常なミエリンは好水性のまたはミセル型の脂質だが、ワラー変性で形成される脂質の粒は謙水性または液滴性の脂質であることを示した。

トウデイクムはまた、彼に特徴的な先見で、脳の脂質のコロイド状態の変化が、病気においてきわめて重要であることを強調している。

1954年に、ベテイー・ベン・ゲレンが、末梢の神経のミエリン鞘が、軸索のシュヴァン細胞への陥入invaginationとそれにつづいてシュヴァン細胞が軸索のまわりに薄層に平になってラセン状に巻きついて生じることを発見したときに、ミエリンの脂質は、新しい意義をもつことになった。

それでは、おそらくミエリンはほとんど純粋な形で細胞膜が圧縮されたものからできていることになる。
したがって、ミエリンについての化学的および光学的研究から、付着したタンパク質の膜を伴う脂質のミセルが一定に向いた薄層で、細胞膜ができているという考えのみごとな確証を与えた。


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