常識を破って「膠識」に止揚!
今日はファラデーの命日。
彼に関する数多くの偉人伝などはこれで良いのだろうか?
あの秘密の手紙は、それでよいのだろうか?
1832年3月12日付けの手紙は王立協会へと預けられた。
それを読み解く鍵の一つは長岡半太郎のファラデー没後50年の講演記録にある。
「先生は気体の拡散に関する攻究を枢要なるを認めて大いに之を開発せんとしたが、之をグレアムGrahamに譲り将に其大研究である電気学の方面に向かわんとして、1830年にはアンペアと意見を交換し、翌年を期して大飛躍を試みた。」
その前段に触れておこう。
デーべライナーランプは1823年の発明であるが、これに対して電光石火の如く反応したのがファラデーであった。
さて特異年となる1831年とは、細胞核のブラウン・拡散のグラハムそして電磁誘導のファラデー等で知られている。
「核・拡散・誘導」と纏めて置くのが便利であるばかりではなく、重要でもある。
グラハムの気体拡散の法則研究はキース賞を受賞した。
この賞は後にトムソン(ケルビン卿)やマクスウェルも受賞している。数学などがその対象である。
マクスウェルそれからテイトは、その年に生まれているのも奇縁である。
ところで先の手紙について語られている解釈は鵜呑みには出来ない。
その前に背景を見ておく。
時代の子として彼もまた気体に魅せられていた。
それはデヴィーが(医療)気体研究所にスカートされた事例に見るようにラボアジェ等の成果を受けて期待された医化学的な関心事であもった。彼の笑気は有名であるがこれは温室効果ガスとしても知られているのは内部エネルギー問題である。
彼が実際に従事した仕事の多くはその事を物語っている。丁度その頃に塩素の液化に気づいている。
アンペアの理論を念頭において、彼が気体に重ねあわせる事ができるとの確信を抱かせるに至った背景には、友人のホイートストンの示唆が大きかった。彼は楽器職人としての豊かな知識を供給し続けた。
デヴィー亡き後の多忙さや実験哲学者としての自覚はその道程が容易な事ではないと、はっきりとそこで認識されていた。時間との戦いとなるであろう!40年足らず!
電気と磁気。この異質なものの統合が実験的証明される日が来るであるように、全ての力は統合されるとの確信を心の奥深くしまいこんでおくより仕方がない。
それこそが実験哲学者の究極的な目的であると自覚していたのだ。
そこに書かれているアナロジーを読み解けば、音波の如く電波の如く、万物流転。波として可視化ができる、キット日常的な膠景なのだ。
こうして始まった怒涛のような1830年代は超有名であるが、それは序曲にしか過ぎない。
その確かな兆候を見出したのは普遍的な磁性を確信したその時をもって語られるべきである。それは直ちに自然哲学者等の注目を浴びた、ここからが正念場なのだ。
そうこうしている内にも、その時分でも早すぎる晩年と囁かれる時がくる。1849年以降の事となる。
ファラデー・チンダル現象として知られているように、膠継者チンダルを語ると簡便であるしし、理解しやすい。
ここではコロイド史で有名な「ファラデーの金」に触れておくけれども、何故かこれを割愛している事例も多いのには驚かされる。
彼の文体を、その言霊をそこに見たいのだが・・・!
That wonderful production of the human mind, the undulatory of light,with the phenomena for which it strives to account,seems to me,who am only an experimentalist, to stand mid between what we may conceive to be the coarser mechanical actions of matter,with their explanatory philosophy,and that other branch which includes, or should include,the physical idea of forces acting at a distance; and admitting for the time the existence of the ether, I have often struggled to preeive how far that medium might account for or mingle in with such actions,generally; and to what extent experimental trials might be devised which,with ther results and consequences, might contradict,confirm,enlarge,or modify the idea we form of it, always with the hope that the corrected or instructed idea would approach more and more to the truth of nature,and in the fulness of time coincide with it.
さっぱり解らないけれども、Aiと言う兵器があるではないか!この際思い切って使って見ようと思う。
「人間の心の素晴らしい働きかけによって、光の波動理論を検証して見ようと想う。
単なる実験主義者である私には、粗雑な合理主義者との中間にたち位置があるのでしょうか。そこからの説明責任を果たしておきたいと願っております。しばらくの間、光エーテルの存在を認めつつ、遠隔作用を考察してみたい。とは言ってもその媒体がどの程度説明するものか、正直に言えば苦労させられました。それにもましてどの程度まで実験的な試行が考案されるのだあろうか。様々なアイデアを検証し修正しながらそこでの矛盾、確認、拡大を図りつつ、アイデアが自然の真理にますます、お近づきになれますようにと祈念せずにはおられませんでした」
ここにはキット「コロイドのai」があったに違いない。
この序文の結語は、更に重要である。
後に続くうであろう多くの実験哲学者への嚆矢になればとの祈念であり呼びかけである。
錬金術由来の「膠態」とも言うべきものがあるよ!
1849年以来、目指してきた大統一はここにその豊かなヒントを残してくれたのである。
彼を以って「コロイドの祖」、もう少し丁寧に言い直せば「量子コロイド」を先取りしていた緊張の場なのだ!