量子論者たちは、非常によく似た赤ん坊理論を主張する。「しかし、心が物理系に作用を及ぼしうるのは、一つの量子飛躍によって、しかもハイゼンベルグの不確定性の枠内においてにすぎない---そしてその不確定性は実に非常に小さいのだ」と。赤ん坊の大きさが特定化されているかぎりにおいて、ここはいささかの前進があることを私は認める。しかし私はなおその赤ん坊を愛さない。
なぜなら、マスター・スイッチがいかに小さいなものであるにせよ、マスター・スイッチ付き増幅器モデルは、すべてのわれわれの決定が即時決定の合成である、と強く示唆するからである。ところで、増幅器メカニズムが生物学的体系の重要な特徴であることを私は認める(なぜなら、生物学的刺激によって触発または起動される反応エネルギーは、通常、起動刺激のエネルギーをずっと上回っているからである。
㊻ これはきわめて重要な点であって、貯蔵されたエネルギーの触発または誘発を含まぬようないかなる過程も典型的に生物学的なものとはほとんどいえない。しかし、いうまでもなく、その逆は成り立たない。多くの非生物学的過程が同じ性質をもっている。増幅器や触発過程は古典物理学では大きな役割を演じなかったけれども、それらは量子物理学や、またいうまでもなく化学の最大の特徴である。(ゼロに等しい誘発エネルギーをもった放射能は、極端なケースである。別の興味あるケースは、信号または刺激の極度の増幅によってもたらされる一定の電波振動数への---原則として断熱的な---同調である)。「原因は結果に等しい」といった定式(および、それと共に、デカルト的相互作用主義への伝統的批判)が久しく廃物になった---保存則の持続的な有効性にもかかわらず---理由の一つがこれである。注43、および以下の第ⅺ節で論じられる言語の刺激的または触発的機能を参照。また私の「推測と反駁」の381頁をも見られたい。
なぜなら、マスター・スイッチがいかに小さいなものであるにせよ、マスター・スイッチ付き増幅器モデルは、すべてのわれわれの決定が即時決定の合成である、と強く示唆するからである。ところで、増幅器メカニズムが生物学的体系の重要な特徴であることを私は認める(なぜなら、生物学的刺激によって触発または起動される反応エネルギーは、通常、起動刺激のエネルギーをずっと上回っているからである。
㊻ これはきわめて重要な点であって、貯蔵されたエネルギーの触発または誘発を含まぬようないかなる過程も典型的に生物学的なものとはほとんどいえない。しかし、いうまでもなく、その逆は成り立たない。多くの非生物学的過程が同じ性質をもっている。増幅器や触発過程は古典物理学では大きな役割を演じなかったけれども、それらは量子物理学や、またいうまでもなく化学の最大の特徴である。(ゼロに等しい誘発エネルギーをもった放射能は、極端なケースである。別の興味あるケースは、信号または刺激の極度の増幅によってもたらされる一定の電波振動数への---原則として断熱的な---同調である)。「原因は結果に等しい」といった定式(および、それと共に、デカルト的相互作用主義への伝統的批判)が久しく廃物になった---保存則の持続的な有効性にもかかわらず---理由の一つがこれである。注43、および以下の第ⅺ節で論じられる言語の刺激的または触発的機能を参照。また私の「推測と反駁」の381頁をも見られたい。