Ring-A-Ding 日々ロック,R&B,そしてゴスペル〜💋

おばちゃんがココロに浮かぶ由無し事を、気ままにつぶやく。ロックな時間。

夜空ノムコウ

2017-11-11 20:39:38 | 音楽
結婚生活30年。
世間の夫婦が、結婚前のお互いの過去の恋愛についてどれ程語り合っているか、知っているかは分からぬが、ウチの夫は洗いざらい私に語っているのよ。
私はそりゃあ好きになった男の子は数々いるが、実際の恋愛経験は残念ながら少ないので悔しい。

夫は中学から男子校育ちのせいもあるのか、女子に過剰な意識が高く、しかも当たって砕けろタイプで、恋愛経験というより、フラれた経験バナシがほとんどだが、ナンパした女数知れず。それらを面白おかしく話すのが大好きみたいなんだ。でも大学時代に付き合っていたカノジヨとは同棲までいき、両家の親ぐるみで付き合っていた…というのだから結婚を意識して付き合っていたのだろう。私は全部聞かされて知っている。だけどね〜、
そういうハナシは現妻に思い出語っても良いものか?

賛否は分かれるところだろう。
「それは、ルール違反」と、かなりカッ飛んでると思われていたストーンズフリークの68歳Cさんはおっしゃった。
実はこの話、Twitterでキースがマリアンヌと一緒のテーブルで談笑する写真をUPしたことから始まったのだ。時を経た今となってはこうして笑って語り合えても、さすがに、ミックは会えないよねえ…とかって。
(ストーンズの歴史に詳しくない方のため…マリアンヌはミックの元カノ。様々なスキャンダルの末破局…と、ザックリ付け加えとく)

そうか、かっ飛びの彼女でもこういう話は夫婦間ではエチケットを重んじよと思うわけね。実は私もそう思う。
考えてみれば、夫の母…つまり姑は一切彼女のことは語らなかった。姑はきっと「余計な話はするまい」と、思っていたのだろうな。彼女から元カノの話を聞いたことは無かった。で、墓場まで持って逝った。彼女はエチケットを知っていたのだろう。


そんな過去の話は、結婚30年にもなって、どうということはない。しかし、なんと現在その元カノと夫がLINEをしているとなるとどうだろう?

そもそも、夫は大分前から同窓会で知ったその元カノの電話番号を入手して、アドレス帳に入れていたらしい。大学時代同じサークルで活動していて、中年期以降度々サークルの同窓会が催されていた。ガラケーの時代はともかく、現代ではみな中高年もスマホに乗換えていて、それもよくわからないながらに操作しているので、LINEのアプリをダウンロードした際に、アドレス帳の全員に「招待」のお知らせが行ってしまう設定のままだったりして、その元カノにも「招待」が行ってしまう…という、まぁ、悪気のない(ー ー;)いきさつであったことは間違いはないようだ。


現在では、故郷の地元の名士の元へ嫁いだ彼女も還暦を過ぎ、子供4人に孫も居るとか。子供の中に障害児(と言ってももう成人)もいるとかで、夫はそんな元カノを時々LINEで励ましたり、悩みを聞いて上げたりしているらしい。
いちいち私に語って聞かせてんのね(ー ー;)
要するに、そういうコトの後ろめたさを人は皆己れが背負って人生を歩むものだろう。だが、ウチの夫はおそらくソレを一人で抱えていくのが出来ないんだな。だから洗いざらい喋るのよ。正直なわけではなくて、これはズルい事でもあるとは思う。
私としては、焼きもち焼いてもいないけど、妙にムカつく。この60歳過ぎの元カノ・カレシ同士にこの先、なにか間違いがあるとも思えないけど、この2人の「私に」対するデリカシーの無さがムカつくのよね


先週の連休に夫の故郷を巡る旅に出た。
その旅の前に、夫はその元カノの実家の前を車で通ることになるかも知れない(夫と元カノは同郷なのである)
から、「ちょっと寄って、お土産置いてこようかなー、あのお母さんには学生時代泊めてもらったりして世話になったし…」と宣った!
はー?そういう風になれるもんなのー?言っとくけど、私と2人の熟年夫婦の旅にするんじゃなかったっけ?

それは、朝の仕込みをしていた時で、ウチはいつもラジオを聴いている。その瞬間、ラジオの話題に行楽日和のニュースで昭和記念公園が出てきた。
すかさず、私は言ってみたね。
「昭和記念公園って、学生時代に行ったことあるわー。
その頃付き合っていた人と。私が作ったお弁当持って行ったのよ。」私はちょっぴり意味深な感じでつぶやいた。「その人、私にプロポーズしたのよ。卒業したら結婚しよう…って。」
へー、そうなんだーとか言う夫を無視して、私は続けた「結局、向こうはそこそこお坊ちゃんだったんで、私は引いちゃったのよね。逃げちゃったのかなあ。多分向こうはその後、相応しい人と結婚したと思うよ。」
近くの人?と夫が聞くので、「そう。多分私がここで暮らしてることは知ってるんじゃない?風の噂で。」
「逢いに来ないの?」
「来るわけないじゃん!来られても困るし。そういうもんじゃないの?…私は会ったっていいわよ、別に深い関係にはなってなかったし。大事にしてくれてたのかな、そういうことは結婚してから…みたいな感じだったから。だけど…むしろ逢いたくないわね。この歳になっておじさんオバサンになってさ。むしろいい思い出でとっておきたいの。」夫は黙って聞いていた。


夫は旅行で、元カノの家の前は通らなかった。
いくつか持ったお土産は残って東京に持って帰った。
考えて見りゃ、元カノのお母さんだって、夫のことを覚えているやら…認知症になっていたっておかしくもない歳だろう。覚えていて、よく来たねぇ〜!と歓待されると思い込んでいる方がおかしい。元カノだって、今は立派な地元の名士の妻なのだ。それも、初老の。

還暦というものは人をセンチメンタルにならせる年頃らしい。子供に還帰るから還暦という説があるのだから子供っぽいウチの夫もそんな傾向があるのかもしれない。だから還暦過ぎたからって、人生の全てが相殺されるってもんじゃない。


昨日、ラジオでSMAPの歌う「夜空ノムコウ」がかかった。
<誰かの声に気づき僕等は身を潜めた
公園のフェンス越しに夜の風が吹いた>
私は昔の彼との正真正銘のファーストキスを思い出す。
酔っ払って夜中の公園ではしゃいで遊びまわった。その頃だってもはや、身分違いなんて言うような言葉は死後になってるような時代なのに、私は諦めていた。
<歩き出す事さえもいちいちためらうくせに
つまらない常識などつぶせると思ってた>
でも気が重かったのだ。

<あの頃の未来に僕等は立っているのかな
全てが思うほど上手くはいかないみたいだ>
<あれから僕達は何かを信じてこれたかな
夜空の向こうにはもう明日が待っている>

この曲を聞くたびに涙が滲んでくる。
私は過去の恋愛で、愛し傷ついてきた。
今更会って何を語るというのだろう。
時を経たからってタダの友達になんてなって欲しくない。大切な「昔の恋人」なのだ。
夜空ノムコウを聴くたびに思い出す。

私の方が罪深いのだろうか?
そういう事は罪深くあるべきなのだ。
そして、己の人生に背負っていくものなのだ。


これは去年のスーパームーン

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