Ring-A-Ding 日々ロック,R&B,そしてゴスペル〜💋

おばちゃんがココロに浮かぶ由無し事を、気ままにつぶやく。ロックな時間。

絶望の果てに

2021-10-17 20:09:00 | その他
どこに行くにもまず、旦那の食事を作ってから行く。
昔は子供が小さかったから、何か私のプライベートな用事で外出する場合、マストだった。
夫が全てを引き受けて「分かった、後はご心配なく。全てを引き受ける。」と言ってくれた事は一度もない。
断っておくが、私は専業主婦ではない。どころか、朝は夫より早く仕事場に降り(仕事場の上に住んでいる)仕事の終わりは夫より2時間は遅い。朝3:30起きで、夕方5時近くまで。通勤時間は無いが平均12時間は働いている。それも立ち仕事。ほとんど一日中で、家事も入れれば16時間は立っている。
おまけに週に一度の休日である日曜日も、店の掃除と月曜日のための支度で3時間は仕事をする。


まだ子育て真っ最中の頃、小学生の子供の運動会の日曜日は、私は5時起きで店の掃除を済ませて弁当を作り、それから学校へ駆けつけた。終わってから帰宅しての「仕事」はちょっと…キツかったからね。早起きしてやっちゃうの。

夫はといえば、10時頃起きて、競馬の予想を済ませてから、犬の散歩に行き、昼の弁当だけを食べに運動会に「立ち寄った」もんだ。

隣のマンションに住んでいた知り合いのラーメン屋夫婦のご主人は、朝早く子供達と共に登校し、運動会観戦の場所取りをしていたものだ。
その登校する父子の後ろ姿を見ながら、なんとも言えず羨ましかった。
私は父が早くに亡くなったので、もう幼稚園の頃から父が運動会に来てくれる事はなかった。昔のアルバムを見ると兄たちの時代には運動会に父の姿が映っている。父はカメラが好きだったので、写真も多い。
しかし私の時代になると、写真は学校の写真屋さんから買うものだけで締められて、父の姿ももう無い。
私は学校の参観行事には誰も来ない子供だった。母は働いていたし、昔はそんなものだったんじゃないかな。

だからかもしれないけど、私の夢は小さい頃から「お母さんになる事」だった。
いわゆる"専業主婦"になりたかったのだ。
そして、子供が学校から帰るのをオヤツを作って待っている…というのが理想だった。
なのに…なんで今の夫の様な男と親の反対を押し切ってまで結婚したのか。ばっかだなぁ…とは思う。でも、"専業主婦"になる夢なんて、簡単に叶うと思ってたんだ。別に金持ちでなくたって、私の子供の頃はほとんどのお母さんは専業主婦だったのだから。

隣のマンションに住むラーメン屋夫婦のご主人は本当に働き者で子煩悩な人だった。
奥さんは、やはり私同様専業主婦志向だったのにラーメン屋手伝わされて文句タラタラだった。お嬢様育ちな方だったから尚更だったのかもしれない。でも、私には充分羨ましい家庭だったのだ。

しかし、人生というのは分からない。
それから10年くらい経った頃、そのラーメン屋夫婦は家を購入して住居兼店舗とし、子供らは大学に進学したりと色々あった頃てっきり順風満帆かと思っていたところ、なんとラーメン屋のご主人の方は亡くなってしまった。自殺だった。

その一家に何があったのか、詳しいことはよく知らない。奥さんも身を隠す様にいつの間にか店をたたんで姿を消してしまった。
以来、一度も見かけた事はない。

結婚33年。
夫も歳をとり柔らかくはなったが、それは人間的に練られたと言うよりは体力的に落ちて来たからとしか言う様がない。確かに癇癪を起こすのは少なくなって来たが、自分の短気に自分の体力が追いつかなくなって来ているわけで、こっちが迷惑。
例えば、彼の頭の中は仕事の作業が次から次へと行動を移らせるのだが、体が追いつかない…自ずとそれを他人に振るからこっちが忙しい。…ちょっと待ってよ、私だって腕は2本しか無いんだよ!…という具合。
ヤダヤダ!短気ジジイ!


新しく買ったテレビの設定やインターネットへの接続、携帯電話の操作etc…
普通さ、奥さんの方が苦手で、なんでも旦那がやってくれるもんじゃない? ウチではみーんな私の役目。私にしたって詳しいわけじゃない。しかし、ジジイは上手く行かないと不貞腐れるので、なんとかかんとか調べて乗り切るワタシ。もー!ストレス!自分でやれよっ!
この間も、携帯機種変のためショップに自分で予約したので珍しいなと思っていた。
「日曜日の2時」
というので土曜日(たまたま連休だった)に衣替えを済ませ(本当は日曜日にする予定だった)、その上その日曜日は購入した布団が届く手筈になっていたのでその時間帯を確認したりと、私は「日曜日の2時」を空けるために万端整えていた。
そしてではちょっと昼寝でも…と横になっていたら…「おいっ!もう行くぞっ!」と呼ぶ夫。
えっ?日曜日じゃなかったの?今日は土曜日だよー?
「いや、土曜だ。」という。
そうなのー?と、慌てて着替えていると、夫はさっさと玄関を出て鍵まで閉めてる。
なによー、1人で行けよっ!機種変くらい。
…と、思いつつも、着いていかないと後でもっと面倒なことになるので急いでついてゆく。眠ーい。
タクシーでショップに着いてみると、うるさそうなオヤジが来たことに構えた店員さんが出てきて予約を確認。すると、やっぱりね。「日曜日の2時」だった。
夫は、本当は自分の中で、土曜日にしたかったんだね。しかし予約は日曜しか取れなかった。だから私にも最初「日曜日の2時」と言った。
でも、自分の中で、いつしか記憶を書き換えちゃったんじゃないかな。なんかもう、少しボケて来てるのかな?

店員さんに八つ当たりするわけにもいかないので、代わりに日曜日の予約までキャンセルして「もういいっ!」と席を蹴る夫。
私はこんなの日常茶飯事なので、眉も動かさず、店員さんに礼をして帰宅した。
往復のタクシー代、バッカみたい。

一年前に飼い猫が死んで、私は「私ら夫婦も年が年だし、もう生き物はいいんじゃないの?」と思っていたら「猫欲しい、猫欲しい」が始まって、仕方がないから猫友を通じてこねこを貰ってあげると、今度は「温泉に一泊行きたいなぁ」…アンタね、猫飼ったばかりでしょう?
飼いモノいたらどこにも行けないでしょ?
だから「もう生き物はいいんじゃない?」と言ったじゃない。
そうしたら、「じゃあオレだけ、箱根の友達のウチ泊まりに行くかなぁ」だって。

あー行ってこい!行ってこい!
コッチはアンタがいないだけで極楽極楽よ!
親の反対を押し切ってまで結婚してもこういうことになる場合もある。まぁ、おおかた結婚なんてこんなものだろう。

でもまあ、こんなわがまま放題のちょっと(大分?)問題あるオヤジでも居なくなったら寂しくなるのかしらね。
いずれにしても別れもせずに、よく33年も来たもんだと思う。
私はよく人に言う。
「私は夫には絶望しているからね」と。
「絶望」って「悟り」とは違うのかしら?
伊勢白山道さんに聞いてみたいな。



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