沖縄あれこれ情報ブログ

沖縄の文化、歴史をメインに沖縄あれこれ情報を発信するブログです。

ヒンプン(屏風)

2005年10月28日 22時08分49秒 | 日記・エッセイ・コラム
ウチナー(沖縄)に昔からある民家は本土には見られない独特の造りをしておりますが、とりわけ門構えは一風変わっています。
これは、実は中国文化の影響を色濃く残すものなんですね~。

こんな感じです。
左右とも民家であり実際に人が住んでいます。
何だか正面に視界を遮るついたてのようなものがありますよね~。
はてさてなんでしょうか?
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こちらは数百年前に建てられた貴族の家ですがやはり奥のほうにはついたてがありますよね。
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このついたては「ヒンプン」といって中国では屏風のことなんです。
ウチナーグチ(沖縄方言)では屏風のことをヒンプンというんですね。
つまり家のまえに屏風を立てるようなものなんです。
この意味は魔除けということなんですよ。
家の正面から入ってくる魔物をこれで遮ってしまうワケです。

もちろん一般的なプライバシー保護の目的も持っているワケですが・・・。
これはいわゆる風水と密接に関わっているとみていいでしょうね。

ところで、北部にある名護市ではヒンプンガジュマルといって街の中心地通りのど真ん中に樹齢200~300年のガジュマルがあってそれがいわゆる街の魔除けとして保存されております。

しかし、ガジュマルには木の妖精(妖怪)といわれているキジムナーが住んでいるとのことですが、なにやら矛盾するような気がしないでもないのですが・・・・・・・。。。

まあこれは魔物は魔物で制するということで納得?ってことですかね???

ガジュマルがでてきたところで、これはなんだと思いますか?
うわっ! 台風で建物がガジュマルの老木の上に吹き上げられてしまった?
これは大変だ~
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と、誰しも思いますよね~
そこで裏へ廻って見ますと・・・・・・
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なんのことはない、老木に見せかけた立派な建築物でした。
ところで、こういう建築物って建築基準法ではどのように解釈されているのでしょうかね~???

もしかしてヒンプンガジュマル式高層ビルとか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかね。。。


アンシェーヤ!(それでは!)





ウチナー(沖縄)の世界遺産・セイファーウタキ(最終回)

2005年10月16日 17時00分23秒 | 日記・エッセイ・コラム
皆さんお久しぶりです!
今回はウチナー(沖縄)の世界遺産・セイファーウタキの最終回です。

前回は大庫理(ウフグーイ)から寄満(ユインチ)までをご覧頂きました。

さて、それでは次に進みます。

これは何だと思いますか?

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これは反対側から見た写真です。
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う~ん、なにやら鍾乳洞にあるような、鍾乳石がふたつぶら下がっていますね~
そしてその真下にはやはりふたつの壺が置いてあります。

それではアップして見ますね。

まず左側の写真が上からぶら下がっている鍾乳石です。

そして右側の写真がその真下にある壺です。

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これはチイタイイシといって鍾乳石から滴り落ちてくる水を真下の壺で受けるようになっているのです。

この鍾乳石から落ちてくる水滴は御水(ウビィ)といって天から流れてくる霊水とされており再生の効果があるといわれた貴重なものです。

そしてこの水量によってその年の吉兆を占ったということなんですね~。

やはりここは神がかり的なものを感じます。

さて、それではこれまでご覧頂いたセイファーウタキの全体図をアップしますね。

ちょっと見づらいかも知れませんが大体のイメージは掴めると思います。

写真の左下が出入口で右側に太平洋を望み、神の島といわれる久高島を拝むことができます。

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第二次世界大戦による沖縄戦ではこちら南部が激戦地となりましたが、セイファーウタキおよび久高島が戦火を逃れたことは決して偶然ではないように思えます。

やはり神の御加護が・・・・・・・???

また機会があれば次の世界遺産をご紹介したいと思います。
おつきあい頂きありがとうございました。

アンシェーヤ!(それでは!)





ウチナー(沖縄)の世界遺産・セイファーウタキ(その2)

2005年10月06日 22時03分55秒 | 日記・エッセイ・コラム
前回に引き続きセイファーウタキの第2弾です。

左側の写真がウタキの入口に続く石畳で、右側の写真はこの真正面に見える太平洋です。

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左下の写真はウタキの入口であり神社の拝殿に相当するところで「御門口」→ウジョウグチ といいます。
ウチナーグチ(沖縄方言)では門のことをジョウといいます。

例えば大門→ウフジョウ、 下門→シモジョウ、 上門→ウエジョウ、 といった具合ですね。

当時の琉球ではこの入口からウタキの中に入場できるのは王府関係者だけに限られていたとのことであり、一般庶民と男子は立入禁止となっていました。

男子がやむを得ず中に入る際は女装をして入ったということです。

その理由はここが琉球最高のウタキ故に神聖なる場所を汚さないということだったようです。

もちろん現在は誰でもフリーで入場できますので行って見る価値は十分にありますよ!

ウチナー(沖縄)では現在でも各地で行う神女(ノロ)の行事では何故か男子禁制となっています。

しかし本土では例えば山とか海の神様を怒らせないためにそういう神事における行事では女人禁制が殆どだと思うのですがウチナー(沖縄)では逆なんですよね~。。。

やはりこれは歴史的、文化的な違いが大きいと思います。
つまり当時の琉球王国では王権をより強固なものにするために中央集権体制を確立する手段として神女(ノロ)を利用した側面があるということらしいですね。

元来、ウチナー(沖縄)は祖先崇拝および自然崇拝が根付いていたためそれがごく自然に受け入れられたということなんでしょうね。

実際、ウチナー(沖縄)においてはこの神女(ノロ)の存在は昔から現在に至るまで脈々と受け継がれており廃れることはないのです。

本土ではあり得ないことなんですね~。。。

つまり本土では神社仏閣を主体にしているため巫女は存在しても神女(ノロ)の存在自体がないということではないでしょうか?

もちろんウチナー(沖縄)にも神社仏閣はありますが本土のそれとは歴史的、文化的に違いがあります。

本土では市町村のあちこちに神社があってそこを主体にお祭りなどの行事が行われますが、ウチナー(沖縄)の場合は神社の代わりに拝所、ウタキがあちこちにあってそれを主体にお祭りなどの行事が行われ、そこに神女(ノロ)の存在があるワケです。

まあ~そういうことを色々考えていくと面白いのですが尽きることはないのでここで止めます。

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さて、入口から石畳を歩いていくと左側に現れるのが最初の拝所である「大庫理」→ウフグーイ です。
ウフグーイとは大きな部屋という意味です。

ここは聞得大君即位の儀式に使われた祭場であり前面の広場で神女(ノロ)達により琉球王国繁栄の祈りが捧げられました。

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大庫理(ウフグーイ)からさらに奥へと歩いていくと「寄満」→ユインチ というところがあります。
これは首里城にある国王のために食事を作る厨房と同じ名前を持ち、国内、国外からあらゆる海の幸、山の幸が寄り集まったことから「豊穣の寄り集まる所」といった意味合いを持つということです。

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さて、そろそろ紙面も尽きてきましたので次回に引き継ぎます。
いよいよ、セイファーウタキは次回で最終回です。

皆さん季節の変わり目はカゼなどひかぬよう、ご自愛ください。

アンシェーヤ! (それでは!)



ウチナー(沖縄)の世界遺産・セイファーウタキ(その1)

2005年10月01日 21時02分44秒 | 日記・エッセイ・コラム
暑い夏も峠を越えて全国的に秋ですがこちらウチナー(沖縄)は朝夕は幾分しのぎやすくなったものの、まだまだ夏を引きずっています。

こちらウチナー(沖縄)では現在、台風19号が接近しており宮古、石垣島地方に向かっています。
台風は年間に20個前後発生しそのうち平均7~8個接近しますが今年の台風は何故か本島を避けて本土あるいは離島に上陸するのが多いようです。

さて、今回は初の試みとしてウチナー(沖縄)の世界遺産について取り上げてみます。

早速ですがこれはなんだと思いますか?

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なんだかすごく大きな洞穴ですね~。。。

下の写真が全体です。

左側が実写で右側がイラストです。
イラストを載せた理由は実写だと全体がレンズに入りきれないからです。

イラストを見れば分かるように左端は平たい岩が斜めに倒れかかっていますよね。

実はこれは今から約1万5千年前の地震によって断層がずれたために現在の形になったといわれております。

自然の力というのはホントに偉大ですよね~。

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さてこれらの自然は何を隠そう、日本全国で11番目に世界遺産に登録されたウチナー(沖縄)の遺跡の9ヶ所の中のひとつである「斎場御獄」→「セイファーウタキ」です。(*注:御獄の獄はホントは山かんむりの獄です) 

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セイファーとは霊威の高い聖なる場所という意味でありそこはまさしく琉球王朝時代においては琉球における最高の神聖なる場所だったのです。

つまりここは当時の王府が公認した国家的な宗教組織との関連が深い格式高い祭祀場であったワケです。

当時の琉球では国家の安泰を琉球最高の神女(ノロ)である聞得大君(キコエオオキミ)に委ね、それこそ信仰面と精神面から王権を支えてきたということです。

三角形の洞穴は三庫理(サングーイ)と呼ばれここのシンボルとなっています。

ここは一説によるとゼロ磁場ということであり自然のエネルギーに満ちているとのことですが確かにそういうパワーを沸々と感じさせるだけの神秘性を秘めています。

神々しさとはこのことをいうのでは? と充分納得させるだけのものを理屈抜きに擁しています。

そして三角形の洞穴の突き当たりから左側は神の島といわれている久高島を眺望できる久高島遙拝所があります。

これです。

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どうですか?
まるで小窓のようでしょう?

そしてはるか太平洋の向こうには神の島、久高島が細長く横たわっています。

このアングルはもう単なる偶然というにはあまりにも出来過ぎた感があります。

そうです、これぞまさしく神の成せる技と思わざるを得ません。

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さて、みなさん今回は第一回として次回に続きます。

なんか勿体ぶっているようですが、できるだけ写真を掲載してご紹介したいと思っていますので一度に掲載するにはちょっとボリュームがあるため、ご理解願います。

次回は斎場のなかの様子をアップしたいと思いますのでどうぞお楽しみに!


今回はウチナー(沖縄)の世界遺産第一弾でした。

アンシェーヤ! (それでは!)