沖縄あれこれ情報ブログ

沖縄の文化、歴史をメインに沖縄あれこれ情報を発信するブログです。

ウチナー(沖縄)のブタ食文化

2006年04月30日 20時28分19秒 | 日記・エッセイ・コラム

いや~すっかり、ご無沙汰してしまいました。

今月は仕事が多忙で気がついたら明日から5月といった感じです。

4月のウチナー(沖縄)はシーミー(清明祭)の月ですがそれも今日で終わりです。

しかし、基本的にはそうですがゴールデンウイーク期間中にシーミーを行う家庭も実はあるんですよ~

つまりシーミーとゴールデンウイークをミックスして墓前でピクニックということですね。

これこそウチナー風合理性というべきか???

いずれにしても他府県では味わえない文化ですよね~

ところでウチナー(沖縄)では法事のことをウスーコー(御焼香)あるいはスーコー(焼香)といいます。

一般的にはスーコーは初七日から始まって四九日、百カ日、一年、三年、七年、一三年、二五年、三三回忌となります。

さて、このスーコーに欠かせないものがありますがなんだと思いますか?

これです。

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えっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・

豚?

そう、ブタです。

ブタのことをウチナーグチ(沖縄方言)ではワー(正確にはウワー)といいます。

ウチナー(沖縄)ではブタは鳴き声以外はすべて食べてしまうといわれています。

それこそ頭の先からシッポまでですね。

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昔からブタの丸焼きは特に三三回忌の時に供えてきたようですが時代の流れと共に丸焼き→頭とシッポ→皮付き肉(三枚肉)と簡素化されてきました。

しかし、現在でも頭はチラガー(ツラの皮→頭)といって頭の部分を皮だけ剥がしたものを供えます。

ちょうどブタのかぶり面をイメージしてください。

耳の部分はミミガー(耳の皮)といって千切りにしたものを生でキュウリと和えて酢みそ風味付けで食します。

見た目にはそれがブタの耳だとはとうてい思えませんよ、これが。

コリコリしてさっぱりとした味であり珍味です。(耳の軟骨がコリコリしている)

これを何もいわないでヤマトンチュ(本土の人)に食べさせるとほとんど例外なくおいしい、おいしいといって食べます。

そうやって食べ終わる頃にブタの耳だよというと、そのリアクションが千差万別で面白いのです。

しかし一般的にはファンになる人が多いですね。

ウチナー(沖縄)の長寿県にはブタの食文化が大いに関係しているそうですよ。

つまり、鳴き声以外はすべて食するところにそのヒントがあるようです。

ブタに限らず食べ物で特に動物や魚介類は丸ごといただくのが健康にいいみたいです。

例えばエビのシッポには解毒作用があるからシッポも食べると食あたりしないとか・・・・・

ところでウチナー(沖縄)にブタの食文化が栄えたのはなぜだと思いますか?

それは遠い昔の琉球王国時代、特に中国から訪問する使節団をもてなすためにブタの頭からシッポ、はては内臓に至るまでの多彩な料理方法が発達したのですよ~

つまり外国からの訪問客をもてなすために発達したのが現在に至るまでのウチナー(沖縄)のブタ食文化だったワケです。

どおりで、奥が深いワケです・・・・・・・・・(捨てるのは鳴き声だけ)

さて、そろそろ紙面が尽きてきました。

次回までお楽しみに!

アンシェーヤ!(それでは!)


シーミー(清明祭)

2006年04月12日 13時13分54秒 | 日記・エッセイ・コラム

新年度です!

4月のこの時期は本土では花見のシーズンですが、こちらウチナー(沖縄)ではシーミー(清明祭)といって各家庭でお墓参りをします。

シーミー(清明祭)とは今から約200年前に中国から伝えられた伝統行事であり、中国の暦の24節季である清明からきているんですよ~

これはつまり新春の清々しいこの時期に家族・親族でお墓参りをすることにより先祖の霊を慰める行事なワケですね~

毎年旧暦の3月(新暦4月)になると週末の土日はシーミー(清明祭)を行う人達であちこちの墓地は賑わいます。

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単に、お墓参りといっても本土のそれとはいささかイメージが違い、その様子はまるでピクニックです。

先祖が眠るお墓の真ん前で飲食を楽しみ家族あるいは親族同士が語り合います。

ヤマトンチュ(本土の人)が見たらビックリですよね~

なんせ、普段は誰もいないお墓の前に忽然としてビーチパラソルあるいはテントが開いてしかもその下にはごちそうが並べられ、和気あいあいとピクニック?を楽しんでいるワケですから・・・・・・・・

ちなみに中国ではお墓の前で飲食をすることはないようですね。

つまり、当時のウチナーンチュ(沖縄人)が中国から伝えられた伝統行事を独自の文化に創りあげたのが沖縄版清明祭ということなんですね~

いわゆる、チャンプルー(ごちゃまぜ)文化の一例といえるでしょうね。

↓これはその際の弁当のほんの一部です。

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これ以外には豚料理もありますし、かまぼこ、コンブ、サラダ、デザート・・・・・その他なんでもありです。

飲み物としてはビール、泡盛、コーラ、ジュース、・・・・・・・・これまたなんでもありですね~

なんだか楽しくなってきますよね。

そしてこれはなんだと思いますか?

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なにやら黄色い紙を燃やしていますが、これはウチカビ(打ち紙)といって実はあの世のお金なんですよ~

右側の写真は泡盛をかけて火を消しているところです。

さて、あの世にホントにお金が必要なのかどうか?

それはあの世に行ってみないと確認のしようがないワケですが

少なくても昔から現在に至るまでのウチナーンチュ(沖縄人)は必要だと思ってるワケなんですね~

このウチカビ(打ち紙)はワラやタタミなどを原料にした紙に硬貨の形をいくつも打ち込んだものであり、これを燃やすことで御先祖様にあの世に持ち帰って使ってもらうワケです。

まさしく地獄の沙汰も金次第といったところでしょうか?

これはシーミー(清明祭)だけではなくお盆の時にも使われます。

この風習はウチナー(沖縄)だけのものなのでしょうか?

あるいはこれも中国から伝わったものかも知れませんね~

そこのところは調べてみないと分かりませんがすごく興味が湧いてきますよね。

なぜならば、あの世の仕組みの一端がもしかして分かるかも知れないからです・・・・・

そう、、、、、、、、、

地獄の沙汰もなんとやら・・・・・・・・とはこのことだったのか???

なんちゃってね。。。

今回は新年度特別記事でした。

アンシェーヤ!(それでは!)


沖展(沖縄の美術工芸展覧会)

2006年04月03日 23時44分03秒 | 日記・エッセイ・コラム

みなさん、おひさしぶりです!

先日の日曜日に沖展を見てきました。

沖展とはウチナー(沖縄)の総合美術工芸展覧会のことであり、いわば沖縄版の「日展」ともいえる県内では最大の美術展覧会なんですね~

その出展内容は絵画、版画、デザイン、写真、書道、彫刻、工芸(陶芸、漆芸、染色、織物、ガラス)と総合展覧会の名に恥じず実に多彩です。

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この日はあいにくの雨にもかかわらず最終日ということもあって多くの見学者でごった返しました。

今年で第58回の開催であり、なんと戦後から数えて半世紀もの年月を重ねてきました。

第1回目の開催は戦後の1949年であり1945年に事実上の米軍統治下に置かれて以来、その4年後に創設されました。

そもそも、沖展とは敗戦後の傷跡を埋める事業として創設されたものであり、ウチナー(沖縄)の美術工芸文化の発展に大きな役割を果たしました。

・・・・・・・・実は沖展が創設される前の1945年当時、米軍の政務担当であったジェームス・ワトキンス少佐やウイラード・ハンナ大尉らが博物館を造って既に美術展覧会を開催させていたのですよ~

驚きですね~

実はこれは当時のアメリカが日本本土からウチナー(沖縄)を切り離して、いわゆる米軍政府による分断政策(占領政策)を容易にするための目論見があったワケです。

つまり、これはヤマト(日本本土)とウチナー(沖縄)の文化の違いを際立たせることによってウチナー(沖縄)は日本であって日本ではないという意図的な意識付けが米軍側にあったワケですね~

まあしかし結果的にはウチナー(沖縄)の美術工芸文化の発展に少なからず米軍が寄与したワケですからなんとも皮肉な話ではありますよね。

これこそ歴史の成せるワザ?

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会場内は撮影禁止のため、こちらから→ネット観覧してくださいね。

多くの素晴らしい作品の中で特にウチナー(沖縄)を表現した写真はこれです→Brue Sky(ブルースカイ)

紺碧の海と真っ青な空にカモメの群れが飛び立つサマが実に絶妙なシャッターチャンスで表現されています。

まるで絵のような美しさですね~

これこそウチナー(沖縄)を表現している傑作でしょう?

実物の写真はその大きさが見る者を圧倒します。

さて、ネット観覧はいかがでしたか?

機会があればぜひウチナー(沖縄)へメンソーレ!(いらっしゃいませ!)

毎年3月中旬から4月初旬の約2週間にわたって開催されます。

会場外の出店↓

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今回は沖展特別企画でした。

次回までお楽しみに・・・・・・・

アンシェーヤ!(それでは!)